死者メーター

物語の中で死んだ人々の数をカウントしていく、ただそれだけのゆるいブログです

映画「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」における死者数をカウントしてみた(死者メーター61)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、人気SF映画スター・ウォーズ エピソード2  クローンの攻撃』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

目次

 

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【あらすじ】

惑星ナブー封鎖事件から10年。「分離主義運動」の勃興により、銀河共和国は崩壊の危機に瀕していた。分離主義勢力に対抗するため軍隊を創設すべきか否か──その是非を問う投票が元老院議会で行なわれることになり、かつてのナブー女王で現在は元老院議員となったパドメ・アミダラが惑星コルサントを訪れる。そのアミダラ議員を、暗殺者が狙っていた。元老院最高議長はアミダラ護衛のため、かつての戦友であるオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーを派遣した。

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【ストーリーの流れ①(ネタバレ注意)】・・・分離主義運動の勃興

前作「エピソード1 ファントム・メナス」で描かれた、通商連合による惑星ナブー封鎖事件から10年後、銀河系内の数千におよぶ太陽系が独立を求めて、銀河共和国からの離脱を表明する「分離主義運動」が勃興していた。分裂の危機に直面した共和国では、平和維持を目的とした軍隊の設立を求める動きが広がり、議会に決議案が提出された。

 

反対票を投じるべく、ナブーのアミダラ議員が惑星コルサントに向かっていた。アミダラ議員は、前作で女王だった人物である。彼女は女王の座を辞し、ナブー選出の代表議員へ転身していたのだ。しかしコルサントに到着するや、ナブーのスターシップが何者かによって爆破される。このとき8名のナブー人の姿が見えることから、8名を死者としてカウントする。あらかじめ襲撃を警戒していたアミダラ議員は別艇に乗船していたため、難を逃れた。犠牲者が出たことで、アミダラ議員は自身のコルサント訪問を激しく悔いた。

銀河共和国元老院最高議長パルパティーンのオフィスに、ヨーダやメイス・ウィンドゥなど名だたるジェダイの騎士が集まり、今後の方策について話し合っていた。そこへジャー・ジャー・ビンクスらを引き連れたアミダラ議員が到着。アミダラは、襲撃は「ドゥークー伯爵」なる人物の仕業ではないかと疑っていた。その後の会話により、ドゥークー伯爵は元ジェダイの騎士であることが判明するが、その場にいたジェダイの騎士らは、ドゥークー伯爵は暗殺などの卑劣な手段を弄する人物ではないと断言する。その話を聞いて、アミダラは納得しかねる表情を浮かべた。

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彼らのやり取りを聞いていたパルパティーン議長は、ジェダイの騎士らにアミダラ議員の警護を要請。束縛を嫌うアミダラは拒否する姿勢を見せるが、「旧知のオビ=ワン・ケノービなら問題ないのでは」と説得され、渋々ながらジェダイによる身辺警護を受け入れる。

 

【ストーリーの流れ②(ネタバレ注意)】・・・アナキン(パドメ)との再会

オビ=ワン・ケノービは弟子のアナキン・スカイウォーカーを伴って、アミダラ議員が滞在するアパートメントを訪れた。オビ=ワン、アナキン、アミダラ、ジャー・ジャー・ビンクスらは久方ぶりの再会を喜び合う。アミダラは、アナキンの成長した姿を見て笑みを浮かべた。

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その場で、アミダラは「暗殺者が誰か探ってほしい」とオビ=ワン・ケノービに要請、オビ=ワンは「受けた命令は警護のみ」と伝えるが、血気にはやるアナキンが「犯人は必ず捕まえる」と大見得を切ってしまう。

 

その夜、コルサントの一角で、賞金稼ぎのジャンゴ・フェットと異星人クローダイトの女性ザム・ウェセルが密かに会っていた。2人の会話から、ナブーのスターシップ爆破がザム・ウェセルの仕業だったこと、襲撃はジャンゴ・フェットの命令によるものであることが判明。アミダラ議員殺害に失敗したことを知ったジャンゴ・フェットは、ザム・ウェセルに「コウハン」という猛毒虫2体を手渡し「今度はしくじるな」と厳命する。このときジャンゴ・フェットはクライアント(黒幕)の存在をちらつかせている。ザム・ウェセルは、アミダラが滞在するアパートメント目がけ(暗殺用ドローンを用いて)コウハンを放った。

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コウハン2体はアミダラの寝室に忍び込むことに成功するが、隣室に控えていたアナキン・スカイウォーカーに殺気を感知され、ライトセーバーで一刀のもと斬り捨てられる。その様子を監視していた暗殺用ドローンは逃亡するが、オビ=ワンとアナキンの追跡を受ける。オビ=ワンは暗殺用ドローンに両手でつかまり、ぶら下がった状態のまま宙空を進む。そのオビ=ワンを、スピーダーに飛び乗ったアナキンが追う。双眼鏡で様子を監視していたザム・ウェセルはライフルで暗殺用ドローンを撃ち落とし、ぶら下がっていたオビ=ワンも墜落。そのオビ=ワンを、アナキンがスピーダーで救い出す。

 

スピーダーに相乗りしたオビ=ワンとアナキンは、ザム・ウェセルのスピーダーを追う。アナキンはザム・ウェセルのスピーダーに飛び乗りライトセーバーをふるうと、2人を乗せたスピーダーは損傷し、街中に不時着する。ザム・ウェセルはその場から走って逃走し、歓楽街にある「アウトランダー・クラブ」に逃げ込み、人込みにまぎれた。

 

追いついたオビ=ワンとともに、アナキンはアウトランダー・クラブを見回る。アナキンに捜索を任せたオビ=ワンがカウンターで一杯やりながらくつろいでいたところをザム・ウェセルがブラスターで急襲するが、直前に察知したオビ=ワンがザム・ウェセルの腕を斬り落とす。ザム・ウェセルを店外に連れ出し、ジェダイの技を使って暗殺の黒幕を吐かせようとした刹那、ジャンゴ・フェットが口封じのために放った毒矢(カミーノ・セーダーバート)によりザム・ウェセルは絶命する。

 

【ストーリーの流れ③(ネタバレ注意)】・・・アナキン初の単独任務

翌日、オビ=ワンとアナキンはジェダイ評議会を訪れ昨晩の顛末を報告。その場で、オビ=ワンは「暗殺の黒幕が誰かを探れ」、アナキンは「ナブーに戻るアミダラの身辺を警護せよ」との命を受ける。アナキンが「軍創設反対派のリーダー的存在であるアミダラ議員は、反対票を投じたいがためにコルサントにとどまると言い張るのでは」と指摘すると、メイス・ウィンドゥは「パルパティーン最高議長を訪ね、彼女の説得を頼め」と伝えた。

 

パルパティーン最高議長はアナキン(=ジェダイ評議会)の要請を承諾、その場でパルパティーン最高議長はアナキンの実力を高く評価していることを伝える。アナキンを評価していたのはパルパティーン最高議長だけでなく、ヨーダやメイス・ウィンドゥも同様だった。オビ=ワンは、その高いポテンシャルから来るアナキンの傲慢さを懸念していると、ヨーダとウィンドゥに伝える。

 

パルパティーン最高議長の説得に折れたアミダラ議員はコルサントを離れる決心をし、代理としてグンガンのジャー・ジャー・ビンクスを残すことに。帰国の準備を進めるアミダラ議員の前で、アナキンは自分がオビ=ワンから一人前として認めてもらえないことに対する不満を漏らす。アミダラ議員は「教師は生徒に厳しくて当然」と諭す。

 

難民に扮したアミダラ議員とアナキンは、2人(とR2-D2)でコルサントを離れた。アミダラ議員の身辺警護は、アナキンにとっては初の単独任務となった。このとき既に、アナキンはアミダラ議員に対し仄かな恋心を抱くようになっていた。

 

【ストーリーの流れ④(ネタバレ注意)】・・・謎の惑星カミーノ

アミダラ議員とアナキンの出発を見送ったオビ=ワンは、旧知の食堂経営者で物知りのデクスター・ジェットスター(オビ=ワンは親しみをこめて「デックス」と呼んでいる)を訪ねる。そこでオビ=ワンは、ザム・ウェセル殺害に使われた毒矢が、銀河系外縁部にある「カミーノ」という星で製造されたものであることを突き止めた。デックスによると、カミーノ星人はひどく気難しいという。

 

すぐに店を出たオビ=ワンは公文書館でカミーノ星の場所を捜索するが、あるはずの場所に重力の痕跡は残っているものの、なぜか星図に星系が載っていない。オビ=ワンは公文書館の司書から、星図に記録が存在しないのであれば、その星系は存在しないと告げられる。納得できないオビ=ワンは、ヨーダに助言を求めた。

 

ヨーダは、誰かが公文書館の記録を改ざんし、カミーノ星系をチャートから消したに違いないと言い、「記録を抹消できるのはジェダイだけ。いったい何が目的か。気をつけろ」とオビ=ワンに注意を促した。

 

一方、アミダラ議員とアナキン(とR2-D2)は、無事に惑星ナブーに到着した。ジャミーラ女王に謁見したアミダラは惑星コルサントの動向を報告、シオ・ビブル総督を含めた主だった者たちは差し迫った分離主義運動の脅威について議論し、ジャミーラ女王は共和国の民主主義を信じるべきと主張した。この後、アミダラ議員はアナキンを引き連れて湖水地方に身を隠す。二人きりで静かに過ごすうち、いつしかアミダラ議員とアナキンはお互いに恋心を抱くようになる。

 

アナキンがアミダラ議員に惚れるのは理解できるが、聡明なアミダラ議員が子どもっぽいアナキンを好きになるわけがないとは誰でも思うことだが、ストーリーの都合上、どうしてもこの2人をくっつけないと話が先に進まないので致し方なかろう。しかしさすがは元老院議員、アミダラは議員である自分の立場と、人や物質に執着することを禁じられたジェダイの騎士たるアナキンの立場をよくわきまえていて、想いは封じるべきだと説く。

 

その頃、オビ=ワンは謎の惑星カミーノに到着していた。カミーノは表面を海で覆われ、大嵐と落雷が絶え間なく続く厳しい環境の惑星だった。海上首都ティポカ・シティに着陸したオビ=ワンは、出迎えたカミーノ人から「あなたのことを何年も待っていた」と歓迎されたが、身に覚えがなく戸惑う。

ラマ・スー首相のもとへ案内されたオビ=ワンは、衝撃の事実を聞かされることになる。ラマ・スーによれば、およそ10年前にジェダイの騎士サイフォ=ディアスから、共和国軍のためのクローン・トルーパーの製造を非公式に依頼され、それを請けたというのだ。しかもそのクローンは、賞金稼ぎジャンゴ・フェットの遺伝子をもとに製造されたという。オビ=ワンにとっては、寝耳に水の話だった。オビ=ワンは製造中のクローン・トルーパーの工場視察を許された。

 

クローンのために遺伝子を提供したジャンゴ・フェットなる賞金稼ぎがカミーノに滞在していることを知ったオビ=ワンは、カミーノ人の案内でジャンゴ・フェットのアパートメントを訪ねた。賞金稼ぎを追跡してきたオビ=ワンと、その賞金稼ぎ本人であるジャンゴ・フェットの会話は緊迫する。ジャンゴ・フェットは、「クローンのホストとして自分を雇ったのは、サイフォ=ディアスではなくティラヌスというやつ」だと告げた。情報を手にしたオビ=ワンはすぐにアパートメントを去るが、身に危険が迫っていることを覚ったジャンゴ・フェットは、(カミーノ人に造らせた)自身の純粋なクローンである息子のボバ=フェットに、荷造りを急ぐよう指示した。

 

オビ=ワンはヨーダとメイス・ウィンドゥに連絡、クローン・トルーパーが大量製造されていること、その遺伝子ホストは賞金稼ぎであること、その賞金稼ぎこそアミダラ議員を襲撃した暗殺者の口を封じた存在らしいことを伝える。ヨーダは、「ジャンゴを逮捕し、コルサントに連行せよ」と命じる。

 

ジャンゴ・フェットの逮捕に向かったオビ=ワンだったが、激しい抵抗を受ける。戦い慣れしたジャンゴ・フェットはジェダイの騎士であるオビ=ワンの攻撃をうまくかわし、息子のボバを連れてスターシップ「スレーヴⅠ」でカミーノを脱出する。しかしその船には、オビ=ワンによって追跡用の発信機が取り付けられていた。その信号を頼りい、オビ=ワンはジャンゴ・フェットの追跡を開始する。

一方、ナブーに滞在していたアナキンは、故郷の星タトゥイーンに残してきた母親シミ・スカイウォーカーが苦しんでいる悪夢に毎晩悩まされていた。アナキンは、夢で見た光景が現実に起きている出来事だと確信するに至り、シミ・スカイウォーカーを救出するためにアミダラを伴ってタトゥイーンへ向かった。師匠であるオビ=ワンから「勝手な行動を起こすな」「アミダラの警護に専念せよ」と厳命されていたにもかかわらずだ。

【ストーリーの流れ⑤(ネタバレ注意)】・・・母親との再会、そして死

惑星タトゥイーンに到着したアナキンとアミダラは、かつて自分が働かされていたジャンク屋を訪ねる。シミ・スカイウォーカーはその店主の奴隷として生活していたはずだったが、いつの間にか人身売買によって奴隷の身分から解放され、郊外の砂漠で農園を営むラーズという男に嫁いだことを知る。

 

アナキンとアミダラは、すぐにラーズの住居へ向かった。ラーズによれば、シミ・スカイウォーカーは1か月ほど前に、略奪行為で生計を立てる砂漠の野蛮な種族タスケン・レイダーに拉致されたという。アナキンは母を救出すべく、一人でタスケン・レイダーの居住地へ急ぐ。

しかし、手遅れだった。タスケン・レイダーのテント内に母の姿を見い出したアナキンは、すぐそばに駆け寄るが、度重なる拷問を受けて衰弱していたシミ・スカイウォーカーは、アナキンの腕の中で息絶える。激しい怒りに駆られたアナキンは、「怒りに身を委ねてならない」というジェダイの教えに背き、いまや母親の仇となったタスケン・レイダーの一味を、子どもも含めて皆殺しにする(映像に映っていたのは8名。よって8名を死者としてカウントする)。そのときどこからか、かつてアナキンを見い出したクワイ=ガン・ジンの「やめろ!」という絶叫が響いてきた。アナキンは、危険な一歩を踏み出してしまう。アナキンが抱いた怒り、悲しみ、苦痛の感情を、コルサントにいるヨーダが感じ取る。

 

一方、ジャンゴ・フェットが乗るスレーヴを追跡していたオビ=ワンは、荒野の惑星ジオノーシスの宙域に到着。追跡に気づいたジャンゴ・フェットは、サイズミック・チャージやプロトン魚雷などあらゆる武器を使ってオビ=ワンのスターファイターを攻撃、オビ=ワンは撃墜された体を装うことで、あわやというところで難を逃れた。ジャンゴ・フェットは、ジオノーシスに着陸。じっとなりを潜めていたオビ=ワンもすぐに降下、地表に通商連合の船団が集結している光景を見て訝る。

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オビ=ワンは周囲を探索、地下に通商連合の主力部隊であるバトル・ドロイドの大規模工場があることを発見する。さらに、かつてジェダイの騎士だったドゥークー伯爵が、銀河系内の各星系の代表や銀行家などの実力者たちを、分離主義者一派に仲間入りさせようと画策している現場を目撃する。オビ=ワンはただちにジェダイ評議会に連絡を試みるが、通信の最中にドゥークー伯爵の手下に捕らえられ、囚われの身となってしまう。

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タスケン・レイダーを皆殺しにしたアナキンは、シミ・スカイウォーカーの遺体とともにラーズ宅に帰還した。意気消沈するアナキンを、アミダラが優しく慰める。アナキンは、C-3POの修理で気を紛らわせようとする。しかし母の死を受け入れられないアナキンは、怒りの矛先を師匠であるオビ=ワンに向け、いつか絶大な力を手に入れて、死者をも蘇らせることを可能する技の習得を決意するのだった。

 

シミ・スカイウォーカーの遺体を埋葬した直後、ジオノーシスにいるオビ=ワンから通信が入る。コルサントジェダイ評議会へ向け、メッセージの転送を依頼する内容だった。ヨーダジェダイ評議会の面々とともに、アナキンはオビ=ワンからの通信を見守る。オビ=ワンは、アミダラ暗殺未遂の背後に通商連合のヌート・ガンレイ総督がいること、通商連合や企業同盟が軍をドゥークー伯爵に提供したことなどを伝える。その直後、オビ=ワンはドロイデカに襲われ、メッセージは途絶えた。

ジェダイ評議会はアナキンに対し、タトゥイーンに留まってアミダラを護衛せよと命じる。師匠であるオビ=ワンの救出に向かいたいアナキンは苦しさから呻くが、察したアミダラが「私が救出に向かう。命令は私を護ることだから、護衛であるあなたは行動をともにする義務がある」といたずらっぽく笑い、2人はジオノーシスへ向け出発した。

 

【ストーリーの流れ⑥(ネタバレ注意)】・・・クローン軍の創設

パルパティーン最高議長のオフィスでは、共和国の重鎮たちの間で激論が交わされていた。ある者は、分離主義者たちが結束したことを受け、クローン軍を創設してこの脅威に対抗すべきと主張し、別の者は、先制攻撃は議会が許さないと釘を刺す。

 

議論は平行線をたどるが、最高議長に非常時大権を与えればクローン軍の使用は可能とのアイデアが官僚から出される。問題は、その議題を誰が議会に持ち出すかだったが、たまたまその場に居合わせた(アミダラ議員の代理の)ジャー・ジャー・ビンクスがその重責を引き受け、議会でスピーチをすることになった。議題は満場の拍手をもって迎えられ、最高特権を与えられたパルパティーンは、共和国に強力な正規軍を設立し分離主義者たちに対抗すると宣言する。

 

最高議長に特権が与えられたのを確認すると、メイス・ウィンドゥはオビ=ワン救出のためジェダイを引き連れてジオノーシスへ発ち、一方のヨーダは、共和国のために造られたクローン軍を視察するためカミーノへ旅立った。

 

惑星ジオノーシスでは、拘束されたオビ=ワンのもとをドゥークー伯爵が訪ねた。ドゥークー伯爵はオビ=ワンを尋問、このときの会話で、ドゥークー伯爵はオビ=ワンの師匠であるクワイ=ガン・ジンの師匠だったことが判明する。ドゥークー伯爵は「銀河共和国はすでにシスの暗黒卿の手に落ちている」と話し、オビ=ワンを驚かせる。さらに、膨大な数の議員がダース・シディアスの手先と成り下がった旨をオビ=ワンに伝え、「ともに戦おう。仲間になれば解放する」と誘うが、オビ=ワンは耳を貸さなかった。

 

【ストーリーの流れ⑦(ネタバレ注意)】・・・ジオノーシスの戦い

惑星ジオノーシスへ降り立ったアナキンとアミダラ(とC-3POR2-D2)は、排気口から地下のバトル・ドロイド工場へ侵入する。しかし2人はすぐにジオノーシス原住種族で昆虫然とした肢体のジオノージアンに襲われる。このときアナキンは、ジオノージアン15名を殺害した。しかし奮戦のかいなく、アミダラとアナキンは囚われの身となる。ドゥーク伯爵は、捕えたオビ=ワン、アナキン、アミダラの処刑を決定し、3名を処刑場へ連れ出した。

 

ドゥークー伯爵、通商連合のヌート・ガンレイ総督、ジャンゴ・フェット、ボバ・フェット、無数のジオノージアンらが見守る中、オビ=ワン、アナキン、アミダラの公開処刑が始まる。その直前、アミダラはアナキンに「愛している」と想いを打ち明けた。

 

処刑場の中央に立つ石柱に鎖でつながれた3名目がけて、巨大かつ狂暴な獣3頭が放たれた。1頭はサイに似た巨大四足クリーチャー「リーク」、もう1頭は鋭い鉤爪を持った「ネクスー」、最後がカマキリに似た獰猛な6足クリーチャー「アクレイ」である。いずれも処刑執行用の獣としてジオノージアンに飼育されているものと思われる。ネクスー登場時、飼育係のジオノージアン1名が噛み殺されている

オビ=ワンらは、獣たちの最初の攻撃をどうにかかわす。鎖を外すことに成功したオビ=ワンは飼育係のジオノージアン1名を投げ飛ばし、倒れた飼育係がアクレイによって殺害される。一方、アナキンはリークを手なずけることに成功し、その背にまたがる。そして、リークを突進させてその角でネクスーを殺害する。アナキンが操るリークにオビ=ワン、アミダラが飛び乗り、その場から逃走しようとした刹那、彼らは7体のドロイデカに囲まれ逃げ場を失う。絶体絶命と思われた瞬間、メイス・ウィンドゥ率いる200名のジェダイの騎士が処刑場のそこかしこに姿を現した。そして、アリーナになだれ込んできた通商連合らのバトル・ドロイド軍団と激突。「ジオノーシスの戦い」と呼ばれる激しい戦いの火蓋が切って落とされる。

ジェダイの騎士らはバトル・ドロイドをばったばったとなぎ倒していく。いったい何体のバトル・ドロイドが破壊されたのか、もはやカウントは不可能だ。

 

一方、ジオノージアンが「LR1Kソニック砲」を放ち、名すらわからないジェダイの騎士5名が吹き飛ばされ、(たぶんだが)絶命している。また、手錠から解放され自由の身となったアミダラがブラスターを連射し、ジオノージアン1名を殺害した。

 

バルコニーのような場所で戦いの趨勢を見守っていたドゥークー伯爵に、ジェダイの騎士コールマン・トレバーが肉薄するも、そばに控えていたジャンゴ・フェットに、いとも簡単に射殺されてしまうジェダイのくせして弱すぎだし、一方のジャンゴ・フェットは強すぎだ)。切り替わった場面(メイス・ウィンドゥとオビ=ワンが背中を合わせて共闘しているシーン)で、地面に3名のジェダイが斃れているのが映っている。先に殺された5名とは別人のようなので、彼ら3名も死者としてカウントしておく。

 

メイス・ウィンドゥはリークに襲われ、その衝撃でライトセーバーを落としてしまう。それを好機と見たジャンゴ・フェットがアリーナに降り立ち、メイス・ウィンドゥに襲いかかる。しかしメイス・ウィンドゥはすぐにライトセーバーを手元に手繰り寄せる。ジャンゴ・フェットはリークに急襲され身体ごと吹っ飛ばされるが、ブラスターでリークを返り討ちにする。そこへメイス・ウィンドゥが肉薄。ジャンゴ・フェットはブラスターを連射して対抗するが、メイス・ウィンドゥいとも簡単に攻撃を撥ね退け、ジャンゴ・フェットの首を刎ねた

 

ジェダイの騎士らは奮闘するが、多勢に無勢。投入されたドロイドの大部隊の攻勢に追い詰められ、四方を囲まれる。このとき画面に映っているジェダイの騎士は、総勢16名(オビ=ワンやアナキン、ウィンドウも含まれる)。すなわち救援に駆け付けた200名のジェダイの騎士のうち、生き残ったのはたった16名ということになる。オビ=ワンとアナキンを除外すると、生き残りは14名だ。つまり計186名のジェダイが戦死したことになる。コールマン・トレバーら先に記述した9名の戦死者を除いた177名のジェダイの騎士を、死者としてカウントしておく

 

ドゥークー伯爵は降伏を勧めるが、メイス・ウィンドゥはそれを断固拒否。絶体絶命と思われた刹那、クローン工場がある惑星カミーノへ向かっていたヨーダが、強力なクローン軍を率い低空強襲トランスポートで処刑場に降り立った。形勢は、一気に逆転した。ヨーダ率いるクローン兵はアリーナからジェダイの騎士らを救出し、その場から飛び去る。このときクローン兵1名が犠牲となっている

 

ドゥークー伯爵と分離主義者の一行は逃亡を開始する。それを追う共和国軍。ジオノーシスの戦いの場は、大平原へと移った。最初に、共和国軍の低空強襲トランスポートが撃墜される。調べたところ、この船の乗員は34名だ。乗船していたクローン兵34名を死者としてカウントする。 

 

その後、ヨーダジェダイの騎士らを乗せた低空強襲トランスポートは平原に着陸、メイス・ウィンドゥら主だった騎士たちが平原で白兵戦を繰り広げる。このときクローン兵1名が撃ち殺されるヨーダはそのまま飛び去り、ドゥークー伯爵を追った。

 

戦いは激しさを増し、通商連合のコア・シップが撃墜される(乗員数は不明のためカウントしない)。一方で、共和国軍のAT-TEも(全地形対応戦術攻撃兵器)も破壊され、乗員7名が戦死する。よく見ると、そばにいたクローン兵2名が激しく吹き飛ばされているので、彼らも戦死したものとする。その後の戦いでは、兵力に勝る共和国軍が通商連合軍を圧倒、ドゥークー伯爵はフリットノット・スピーダーバイクに跨ると戦地を離脱した。ドゥークーが乗るスピーダーを発見したオビ=ワンとアナキンは、低空強襲トランスポートで追跡を開始する。同乗していたアミダラ議員は「応援を呼んだほうがいい」と提案するも、2人は「時間がない」と拒絶した。

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追跡をかわすため、ドゥークー伯爵は、護衛機である2機のナンテックス級領域防衛スターファイターに指令を出し、オビ=ワンらが乗る低空強襲トランスポートを攻撃、アミダラ議員(とクローン兵1名)はその衝撃で船外へ放り出され、砂漠に落下する。アナキンは救出に向かおうとするが、オビ=ワンに「任務を優先しろ」「義務を果たせ」と諭され、渋々ながら従う。

 

ドゥークー伯爵を乗せたフリットノット・スピーダーは岩場にある秘密の格納庫に到着。オビ=ワンとアナキンがそこへ到着し降り立った直後、2人が乗ってきた低空強襲トランスポートは撃墜され、乗員33名が死亡する。

 

オビ=ワンとアナキンは、格納庫でドゥークー伯爵と対峙する。血気にはやるアナキンは、無謀にも単騎でドゥークー伯爵目がけて突進するが、伯爵の手から放たれた電撃を喰らって気を失ってしまう。残されたオビ=ワンがライトセーバーで戦いを挑むも、暗黒面の力を手にしているドゥークー伯爵に全く歯が立たない。息を吹き返したアナキンが再び挑むが跳ね返され、アナキンは右腕を斬り落とされてしまう。

 

オビ=ワンとアナキンという、将来を嘱望されていた若きジェダイをいとも簡単に下した恐るべきドゥークー伯爵の前に、マスター・ヨーダが現れる。ここで、ドゥークー伯爵はかつてヨーダの弟子であったことが明かされる。ヨーダライトセーバーを手に取ると、ドゥークー伯爵に襲いかかった。

 

ヨーダはすさまじい敏捷性の高さと剣技の冴えを見せ、ドゥークー伯爵を追い詰めるも倒すまでには至らず、伯爵の逃走を許してしまう。ドゥークー伯爵はプンウォーカ116級抗生間スループ(ソーラー・セーラー)に乗り込み、ジオノーシスを後にした。ドゥークーはコルサントへ向かい、主人であるダース・シディアスと落ち合い、「デス・スター」の設計図が収められたメディアを手渡した。そしてダース・シディアスに「(私たちの思惑どおり)戦争が始まる」と伝える。

ジェダイ評議会に戻ったマスター・ヨーダも「クローン戦争が始まった」と、ジェダイの騎士たちに宣言。言葉どおり、コルサントには無数のクローン兵が集結し、出撃の命令が下るのを待っていた。その頃、ナブーに戻ったアナキンとアミダラは、お互いの想いを確認し合い、密かに結婚式を挙げていた。アナキンは「誰かに愛情を抱いたり結婚して家族を持ったりすることを禁ず」というジェダイの掟に背くことになった──。

 

というところで、エンドクレジット。この作品における死者は以下だ。見方は、死者──殺人者/死因 である。

 

【確定死者数】

ナブー人8名──クローダイト人ザム・ウェセル/爆破

クローダイト人ザム・ウェセル──ジャンゴ・フェット/毒矢(カミーノ・セーダーバート)

シミ・スカイウォーカー──タスケン・レイダー/拷問による衰弱死

タスケン・レイダー8名──アナキン・スカイウォーカーライトセーバー

ジオノージアン15名──アナキン・スカイウォーカー/主にライトセーバー

ジオノージアン1名──ネクスー/嚙み殺される

ジオノージアン1名──アクレイ/刺殺

ジェダイの騎士5名──ジオノージアン/LR1Kソニック

ジオノージアン1名──パドメ・アミダラ/レーザーブラスター

コールマン・トレバー──ジャンゴ・フェット/レーザーブラスター

ジェダイの騎士3名──不明(おそらくバトル・ドロイド)/不明(おそらくレーザーブラスター)

ジャンゴ・フェット──メイス・ウィンドゥ/ライトセーバーで斬首

ジェダイの騎士177名──不明(バトル・ドロイドと推察される)/不明(ブラスターで射殺されたと思われる)

クローン兵1名──不明/レーザーブラスター

クローン兵34名──不明/乗船していた低空強襲トランスポートが撃墜される

クローン兵1名──不明/レーザーブラスター

クローン兵7名──不明/乗っていたAT-TEが撃墜される

クローン兵2名──不明/爆風で吹き飛ばされる

クローン兵33名──不明/ナンテックス級領域防衛スターファイターの攻撃で撃墜死

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【計301名】+コウハン2体+ネクスー+リーク+アクレイ+無数のバトル・ドロイド

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

 

機動戦士Zガンダム第6話「地球圏へ」における死者数をカウントしてみた(死者メーター60)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第6話:地球圏へ』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

1話目から読みたい人はコチラ↓

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目次

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【あらすじ】

 アーガマでは、レコア・ロンド少尉を地球圏は降ろす準備が着々と進められていた。大気圏突入カプセル「ホウセンカ」に乗り込むレコア少尉。そこをライラ・ミラ・ライラ率いるモビルスーツ隊が急襲、レコア少尉を護るため、カミーユは、解体中だったマークⅡに乗り込んで出撃した。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

ティターンズ(と地球連邦軍)にとって、組織の内情や目的が不明なエウーゴ。実態を探るべく、アレキサンドリアエウーゴの旗艦アーガマを追跡していた。そのアレキサンドリアを、作戦会議に参加するために連邦軍所属のライラ・ミラ・ライラの隊が訪れていた。

いち早くブリーフィングルームに到着し、待機するライラ隊。遅れてジェリド・メサ中尉が入室し、無言で着席する。連邦軍の兵士らは、尊大ぶるティターンズをふだんから毛嫌いしているようで、ジェリド中尉に絡み始める。ジェリドは立ち上がって抗議しようとするが、そこへジャマイカン少佐が入室。渋々着席する。

アーガマの整備室では、カミーユがコンソールの前で何か作業をしている。そこへアストナージ曹長が現れ、カミーユからコンソールを奪う。その後の2人の会話から、カミーユモビルスーツのアイデアをまとめていたことがわかる。カミーユはそのモビルスーツに「Zガンダム」という名前をつけていた。アイデアを観たアストナージは、称賛を口にする。

 

カミーユはアイデアをディスクに落とした後、整備室を後にする。途中の廊下で、クワトロ大尉とレコア・ロンド少尉が仲良さげに話をしている光景を見て、カミーユは踵を返す。そのはずみでディスクを手放してしまい、ディスクは空中を漂って、レコア少尉のもとへ届いた。レコア少尉は立ち去るカミーユの姿を認め、後を追う。

カミーユが向かった先は、エマ中尉の部屋だった。カミーユの突然の訪問を不審がるエマだったが、カミーユの挙動から、ショックを受けた出来事に対する慰めを求めてやってきたのだろうと察する。そこへ、カミーユの後を追ってきたレコア少尉が現れるが、拗ね気味のカミーユは、顔を背けるようにしてその場から離れた。カミーユは、レコア少尉のような大人びた女性に「恋心」に近い憧れを抱いており、そのレコア少尉が自分以外の人間と親しくしていることに苛立ちを覚えて拗ねているようだ。

 

カミーユが去った後、レコア少尉とエマ中尉が会話する。保護観察中のエマ中尉の自室には監視カメラが取り付けられており、カメラを通じて、ブレックス准将とヘンケン艦長が2人の会話を盗み聞きしていた。敵対するティターンズから寝返った女性とはいえ、「いくらなんでもそこまでやるか」という印象を受けた。プライバシーの侵害だし、セクハラにも該当するんじゃないのかな。

 

エマ中尉は、「エウーゴは好戦的。このままだとティターンズと全面戦争になる」と、自身の危惧を伝えた。それに対し、レコア少尉は「3Dバンチ事件」という聞き慣れないワードを口にした。

 

聞けば、30バンチとはサイド1の「30バンチコロニー」のことだという。バンチは、日本語の「番地」に該当するようだ。このコロニーの住民らが地球連邦に対してデモを起こし、その鎮圧のために、ティターンズがコロニー内に毒ガスを注入、密閉されたコロニー内に逃げ場はなく、数千万人が命を落としたのだという。メディアによる大々的な報道が行なわれて然るべき大事件だが、どうやらティターンズが報道管制を敷いて、事件を闇に葬ったらしい。

 

話を聞いたエマ中尉はショックを受けるが、にわかには信じようとしない。そりゃそうだ。ついこの間まで自分が所属していた組織なのだから。会話を盗聴していたブレックス准将とヘンケン艦長は、エマ中尉を完全に転向させるために、30バンチを実際に見せることが必要だという認識で一致した。

 

一方、アレキサンドリアのブリーフィングルームでは、ジャマイカン少佐が、ライラ隊のメンバーをティターンズに勧誘していた。ティターンズに参加することにより、様々な特権が与えられるという。そのブリーフィングで、ジェリドが戦闘隊長に任命される。「自分のほうが腕も経験も上」とライラは不服を述べるが、「ティターンズは特別扱いだ」という旨のジャマイカン少佐の言葉に沈黙する。

 

ジェリドの隊長起用に不満を隠さない態度でライラは部屋を出るが、すぐにジェリドが後を追う。プライドだけは高いジェリドは先ほどのライラの態度が気に入らず殴り掛かるが、無重力下での行動に不慣れなためか、ライラに簡単にかわされ、逆襲を喰らう。

 

「宇宙には宇宙のやり方がある。環境が変わったなら、それに合わせろ」と、まるで新入社員をたしなめるかのような口調で、ライラはジェリドを諭す。好戦的だが根が素直なジェリドはライラに頭を下げ、教えを乞う。メンツを捨ててでも向上したいとするジェリドの意欲と態度に好感を持ったライラは了承する。

 

アーガマにいるカミーユは、クワトロ大尉から、レコア少尉が地球に降りることを聞く(何のために降りるのかは、この時点では不明)。別れを告げるべく、カミーユは走り出す。レコア少尉は地球に降下するための準備を着々と進めており、大気圏降下用シャトルホウセンカ」に乗り込んだ。そこへカミーユが現れるも、レコア少尉を心配する素振りを見せる。テクノロジーが今よりはるかに進んでいると思われるZガンダムの時代においてさえ、大気圏突入は緊張感を伴う危険な行動らしい。しかしレコア少尉は、カミーユを冷たく突き放す。その態度に何かを感じ取ったらしいカミーユは、すぐに引き下がった。

 

クワトロ大尉とアポリー少尉がそれぞれマークⅡ、リック・ディアスで出撃する。目的は、地球軌道上にある太陽電池発電設備とその防衛衛星施設を破壊することにあるらしい。なぜ破壊の必要があるのかわからなかったが、おそらくは、地球連邦の許可なしにレコア少尉を降下させようとしているため、障害となる可能性があるものをあらかじめ排除しておこうという意図なのだろう。

一方、ボスニアからライラ率いるモビルスーツ部隊が出撃した。ライラはガリバルディ、ジェリドはハイザックに搭乗している。

HGUC 1/144 RMS-106 ハイザック (機動戦士Zガンダム)
 

クワトロ大尉は、太陽電池防衛施設の破壊に成功。ブレックス准将はレコア搭乗のホウセンカをカタパルトデッキに上げるよう指示、レコア少尉に「ちゃんとジャブローに降ろしてやるから」と声をかける。ここに来て、レコアの目的地が南米のジャブローだと判明する。敵機の襲来を知ったカミーユは、レコア少尉を援護すべくもう一機のマークⅡで出撃した。このマークⅡは隻腕状態である。

 

ライラ隊は、アーガマモンブランを発見。襲い掛かる。迎撃のため出撃したジムⅡらとの間に、モビルスーツ戦が展開される。

 

すぐにライラはジムⅡ1機を撃破し、その高い戦闘能力でジェリドを驚かせる。対して、アーガマに肉薄したハイザック1機が艦砲によって沈められているアーガマの危機を知ったクワトロ大尉とアポリー中尉は、援護のために引き返す。

HGUC 1/144 RMS-179 ジムII (機動戦士Zガンダム)

HGUC 1/144 RMS-179 ジムII (機動戦士Zガンダム)

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クワトロ大尉は、アーガマの僚艦モンブランが沈められる光景を目撃し、絶句する。このモンブランサラミス級軽巡洋艦である。本ブログでは、同級軽巡洋艦の乗員を200名としていることから、死者200名をカウントする。

 

炎上しながら大気圏に落下していくモンブランの姿は、「光」として地球上から観測された。プールサイドのデッキチェアに腰掛けながら、その光を訝しむ一人の男がいた。その人物は1年戦争(機動戦士ガンダムで描かれた物語)の英雄、アムロ・レイだった。

 

アーガマの周囲では、モビルスーツ戦が続く。戻ってきたクワトロ隊、遅れて出撃したカミーユが参戦し、戦いは激しさを増す。ホウセンカ内でひたすら射出を待っているレコア少尉も、緊張度を増していった。

 

カミーユは、敵モビルスーツアーガマから引き離すため奮闘。ここでジムⅡ1機が何者かに殲滅させられているカミーユの活躍もあり、ホウセンカは無事にジャブローに向けて射出され、レコア少尉は地球へと降りていった。

 

というところで、第6話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

ジムⅡ搭乗員1名──ライラ・ミラ・ライラガリバルディの砲撃により

ハイザック搭乗員1名──不明/アーガマの砲撃により

サラミス級軽巡洋艦モンブラン乗員200名──不明/ライラ隊の集中砲火により

ジムⅡ搭乗員1名──不明/何者かの砲撃により

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【計203名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

 

機動戦士Zガンダム第5話「父と子と…」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター59)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第5話:父と子と』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

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目次

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【あらすじ】

 エマ中尉とともにアレキサンドリアを脱出し、アーガマへ身を寄せたカミーユの父フランクリン・ビダン大尉は、整備作業中のメカニックマンからレーザートーチを奪った。フランクリン大尉はそれをメカニックマンに突き付けて脅迫し、クワトロ専用リック・ディアスに無理やり乗り込むと、アレキサンドリア目指してアーガマを飛び立った──。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

冒頭、ノーマルスーツを着た人間が宇宙空間を漂っている描写がある。死んでいるように見えるため、死者としてカウントしておく。

 

ティターンズの旗艦アレキサンドリアで、バスク・オム大佐とジャマイカン少佐が作戦会議を開いていた。前話で、ティターンズモビルスーツパイロットたちは、たった1機のリック・ディアス(クワトロ機)に翻弄された。地球育ちの人間だけで構成されるティターンズパイロットでは、宇宙での経験豊富なエウーゴパイロットに歯が立たないのだ。そのことをジャマイカン少佐が指摘、エリート意識が強いバスク・オム大佐も、渋々ながら認めざるを得なかった。

 

両名は今後の方針を決定。旗艦アレキサンドリアサラミス改級巡洋艦ボスニア、同じくサラミス改級巡洋艦サチワヌでアーガマを追撃し、バスク・オム大佐はサラミス改級巡洋艦ブルネイに移動してグリプスに戻り、ジャマイカン少佐はエウーゴの本拠地を突き止めることになった。バスク・オム大佐は、エウーゴの中枢と秘密基地の在りかを探るための手段について「遠慮する必要はない」と告げる。

 

同じ連邦軍でありながら、バスク・オム大佐ですら「エウーゴ」という組織については未知の部分が多いようだ。確かに、本編でもティターンズについては多くの描写があるが、エウーゴについては説明が省略されている。

 

ティターンズからエウーゴへ寝返ったエマ・シーン中尉とともに戦艦アーガマへ移ってきたフランクリン・ビダン大尉は、アストナージ・メドッソ曹長アーガマの整備クルーたちに、マークⅡの整備についてあれこれと口出しし、アストナージらを閉口させていた。

 

フランクリンは、整備クルーからレーザートーチを奪い、それをアストナージに突き付けて、「リック・ディアスのところに案内しろ」と脅す。銃代わりというわけだ。フランクリンは、エウーゴモビルスーツリック・ディアス」を奪い、それを手土産にアレキサンドリアへ戻ることを企図していたのだ。敵モビルスースを奪還した英雄として帰還すれば、ティターンズ内での影響力が向上すると考えたのだろう。

 

クワトロ専用リック・ディアスコクピットに乗り込んだフランクリンは、アストナージを宇宙空間に向けて押し出した(アストナージはすぐに救出された模様)。

アーガマを離れるフランクリン大尉。すぐにロベルトとアポリーがリック・ディアスで出撃し、フランクリン大尉を追う。クワトロ大尉がデッキへ急行すると、マークⅡの前で、カミーユとレコア少尉が揉めていた。カミーユは父の行動を謝罪したうえで、「自分が出撃する」と言って聞かない。

 

クワトロ大尉が、カミーユが乗り込もうとしていたマークⅡ(エウーゴカラーにチェンジ済み)で出撃した。アーガマのブリッジでは、ブレックス准将とヘンケン艦長が旧ジオン軍の「赤い彗星」について話していた。ア・バオア・クー戦に参戦経験があるヘンケン艦長は、クワトロ大尉に「赤い彗星」と同じ匂いを感じるといい、ブレックス准将も同意する。第5話という序盤エピソードで、クワトロ大尉の正体が早くも(半ば)明かされることになるとは予想していなかった。レコア少尉に連れ戻されようとしていたカミーユは隙を見て反転し、再びデッキへ向かう。

 

アレキサンドリアは、数機の正体不明機の接近をキャッチ。ジャマイカン少佐はハイザック隊を出撃させるとともに、正体不明機に向けて砲艦射撃を指示した。出撃したハイザックの1機には、ジェリド中尉が搭乗する。

技術者であるフランクリン大尉はモビルスーツを熟知しその操縦にも長けていたが、さすがに本職のパイロットには叶わない。あっという間にアーガマ隊に追いつかれ、クワトロ搭乗のマークⅡに羽交い絞めにされる。

 

そのときジェリド中尉らのハイザックが急接近、アレキサンドリアからの砲艦射撃により、マークⅡは右足を失う。フランクリン搭乗のリック・ディアスは自由となった。アーガマは、アレキサンドリアに向けて一斉砲撃、アレキサンドリアも反撃する。このとき、箱型の格納庫のようなものでサラミス改級巡洋艦ブルネイに向けて移動中だったバスク・オム大佐らを、軽い衝撃波が襲う。それにより、箱の外に張り付いていたティターンズ兵と思われる1名が振り放され、宇宙を漂い始めてしまった。戦闘中ということもあり、この人物の回収はおそらく不可能と思われる。死者としてカウントする。

 

アーガマのデッキに向かったカミーユは、いつの間にか宇宙から回収されて生還し、再びマークⅡの整備を行なっていたアストナージを騙して、カラーチェンジが終わっていないうえバラシ作業中だったマークⅡに乗り込む。レコア中尉は渋々ながら出撃を許可、ヘンケン艦長は止めるよう指示するが、ブレックス准将は、カミーユの適性をテストするいい機会になると、出撃を許可する。カミーユは、左腕が取り外されたままのマークⅡ1号機でアーガマを発した。

 

カミーユは、すぐにフランクリン搭乗のリック・ディアスと遭遇、ビームライフルで狙いをつける。フランクリンは「親を撃つのか」と叱責、カミーユは発砲を躊躇う。隙を見逃さず、フランクリン中尉がカミーユを銃撃。それを合図に、カミーユとフランクリン親子がモビルスーツ戦を展開した。

 

そのとき、砲艦射撃の流れ弾がリック・ディアスの腹部を貫通した。コクピットは頭部近くにあったらしく、フランクリンはすぐに脱出するが、リック・ディアスの爆発に巻き込まれて死亡した。母ヒルダに続き、カミーユは父までをも目の前で失ったことになる。カミーユは両拳をコンソールに激しく叩きつけた。

 

ハイザックで出撃したジェリド中尉だったが、敵機を見失うという失態を演じる。信号弾の合図を機に、ハイザック隊は戦場から撤退した。

 

無事にブルネイに移動したバスク・オム大佐は、アーガマの追撃をジャマイカン少佐に指示、一方のアーガマでは、ヘンケン艦長が地球へコースをとるよう指示した。

 

アーガマの休憩室では、クワトロ大尉とレコア少尉が、両親を失ったカミーユを慰めていた。そこへ、エマ中尉が入室。ティターンズから寝返ったエマ中尉は保護観察中の身らしく、監視役が付き添っていた。

 

クワトロ大尉は、エマ中尉のことをまだスパイだと疑っていた。聞けば、エマ中尉の両親は地球に居住しているという。エマの両親はいつティターンズに人質に取られてもおかしくない状態であり、クワトロ大尉が疑いを抱くのも当然と言えば当然だ。実際、カミーユの両親は交渉の道具として人質に取られており、最終的に殺されている。

 

エマ中尉も加わり、大人3人でカミーユをなだめにかかるが、カミーユは冷静さを取り戻さない。愛人に走った父、仕事に満足して愛人の存在を許容していた母を、カミーユは心底から軽蔑していた。「そんな親でも自分の親だ」という屈折した思いを抱え、それがストレスになっているようだ。未熟なカミーユは、それをうまく内部でコントロールする術を知らず、外に向かって感情を爆発させてしまう。

 

クワトロ大尉は、「親の不幸を背負った」という意味で境遇が似ているシャア・アズナブル(クワトロ大尉自身のことだけどね)の例を持ち出し、「次の世代の子どもたちのための世界を作ればいい」と説得するが、カミーユは納得せず、休憩室を飛び出す。自室に戻ったカミーユは、激しく泣き崩れるのだった。

 

というところで、第5話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

宇宙を漂う身元不明者1名──不明/不明

ティターンズ兵士1名──不明/酸欠?

フランクリン・ビダン大尉──不明/砲艦射撃が直撃し、モビルスーツが爆発

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【計3名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

 

 

映画「もののけ姫」における死者数をカウントしてみた(死者メーター58)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、スタジオジブリの名作『もののけ姫』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。本作は、ジブリ作品の中で最も暴力描写が多いとされる作品だ。いったい何人が犠牲になっているのだろうか。さっそく確認していこう。

 

目次

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【あらすじ】

エミシの村を、荒ぶる神「タタリ神」が襲った。村を護るため、少年アシタカはそのタタリ神を討つが、代償として呪いを身に受けてしまう。呪いを解く手がかりを求め、アシタカはタタリ神が来たとされる西の地へ旅立った──。

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【ストーリーの流れ①(ネタバレ注意)】──タタリ神

中世期の日本。山に住まう獣は、すべて身体が大きく人語を解した。人々は、その存在を「神」「もののけ」として畏れていた。

 

人里から遠く離れた山奥にある「エミシ(蝦夷)」という村に住む青年アシタカは、村のはずれにある見張り台までヤックルを駆けさせていた。途中で出会った村の少女たちによると、見張り役が「森の様子がおかしい」と話していたという。

見張り台の櫓から森を見やったアシタカは、異様な気配がこちらに迫りつつあるのを感じ取る。気配の持ち主は、「タタリ神」だった。

 

タタリ神とは、強い恨みや未練を抱いた神が醜悪な怪物に変貌を遂げたもので、全身をどす黒い不気味な触手で覆われており、身体に触れたものをたちどころに腐敗させてしまうという凄まじい怨念を持つ。アシタカは、村の少女を襲おうとしたタタリ神と対峙し、これを討った

 

その代償としてアシタカは手傷を負い、タタリ神の呪いを受ける。右腕に大きな痣として残った呪いは、いつか全身に拡がって持ち主に死をもたらすという恐るべきものだった。

その日の夜、村の主だった者たちが会合を開き、今後の方策について話し合った。村の長老であり巫女でもあるヒイ様が占ったところ、村を襲ったタタリ神ははるか西方の地から訪れたものだという。さらに呪いの原因は、何者かに「鉄の礫(つぶて)」を体内に撃ち込まれた巨大な猪が死を恐れるようになり、その原因を作った人間に恨みと憎しみを抱いてタタリ神へと変貌し、その憎しみと苦しみがアシタカに乗り移ったものと喝破した。

 

ヒイ様は、西方に赴けばもしかすると呪いを解く道が見つかるかもしれないとアシタカに告げる。アシタカは呪いを解くため村を出る決心をし、タタリ神がやって来た西へと向かった。

 

【ストーリーの流れ②(ネタバレ注意)】──西へ

通りかかった小さな集落で、戦(いくさ)が行なわれていた。このとき、村人1名が野武士らしき男に槍で殺害されている。野武士の集団はアシタカの姿を見い出すと、矢を放ってきた。「トラブルに巻き込まれるのはごめんだ」とばかりにアシタカはその場から立ち去ろうとするが、前方の小道で、今まさに刀で斬り捨てられようとしている女性を発見、アシタカはその女性の命を救うべく、野武士めがけて矢を放とうとした。その瞬間、右腕の痣が暴れ出した。呪いを受けたアシタカの右腕は、 怒りや恐怖を感じると激しく反応し、制御が効かないほど暴力的に振る舞うよう変貌を遂げていたのだ。

 

その腕から放たれた矢はすさまじいスピードと力を秘めており、野武士の両腕を吹き飛ばした。この野武士は、出血多量で死亡したはずである。アシタカはさらに、馬で追ってきたもう1名の野武士の首を矢で吹き飛ばしている。アシタカは集落からの脱出に成功、その怪物的な力を目撃した野武士は、「鬼だ」と呟き畏怖する。

 

さらに西へ向かったアシタカは、町に到着した。見慣れぬ衣装をまとっていたアシタカは人々の目を引き、アシタカのまわりに人だかりができる。通貨を所有していないアシタカは、米の代金を砂金で支払おうとしたが、売り子は受け取りを拒否。困っていたアシタカを、「ジコ坊」と名乗る不思議な僧が助けた。

縁ができたアシタカとジコ坊は、その日の夜、野営をともにする。ジコ坊はアシタカに危ないところを助けられたと話し、聞けば、野武士が襲撃していた集落に滞在していたのだという。ジコ坊からアシタカは、はるか西の人を寄せ付けぬ地に「シシ神」という神が住まう森があるという話を聞く。呪いを解く手がかりを求めて、翌日の早朝、アシタカはシシ神が住まう森を目指して出発した。

 

【ストーリーの流れ③(ネタバレ注意)】──謎の少女

米俵など大量の物資を運んで険しい峠を越えようとしていた「エボシ御前」の一行を、2頭の山犬とその背に乗った小柄な人間が襲う。エボシは襲撃を予想しており、準備を万端整えていた。迫りくる山犬たちに対し、護衛の者らがいっせいに「石火矢(銃のようなもの)」を放つ。2頭の山犬は退散したが、彼らは、エボシたちの注意を一点に引き付けておくための囮に過ぎなかった。

別の方角から、巨大な山犬が隊列を目がけて突っ込んできた。その巨大な山犬は、2頭の山犬の母親で、「モロ」と呼ばれていた。モロは数人(目視確認で4人)の牛飼いと数頭の牛を谷底に突き飛ばし、エボシのもとに殺到する。待ち構えていたエボシが狙いを定めて石火矢を放つと、弾丸がモロの首筋に命中、モロは谷底に転落していった。

その頃、アシタカは現場付近の川のほとりを歩いていた。アシタカは、谷底に転落し流されたと思われる牛飼いの男性2名を救助、その近くで巨大な山犬の姿を目撃する。それはエボシに撃たれて転落したモロだった。モロに谷底へ突き落とされた牛飼いは計4名で、アシタカが救助したのは2名である。よって、2名の牛飼いを死者としてカウントしておく。

 

岩陰に身を潜め様子をうかがうと、谷底に転落した山犬モロと2頭の山犬、謎の少女の姿があった。アシタカは岩陰から姿を現し、「シシ神の森に住む神か?」と尋ねたが、少女らは返事をせず、ただ「ここから去れ」とアシタカに促し森の奥深くに消えた。

 

アシタカは、救助した2人の男性のうち、一人をヤックルの背に乗せ、もう一人を自らおぶって森のさらに奥へ向かう。森は、「コダマ(木霊)」と呼ばれる精霊で満ち溢れていた。助けた男性によると、このコダマが「シシ神」を呼ぶという。途中の池で一休みしたアシタカは、強烈な存在感を放つ何者かの気配を感じ取った。気配がした方向に目を向けると、巨大な鹿(シシ神)がアシタカを見ていた。そのときアシタカの右腕が激しく暴れ出す。

(ジブリ/もののけ姫) 大きな貯金箱 (コダマ)

(ジブリ/もののけ姫) 大きな貯金箱 (コダマ)

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シシ神が姿を消した後、アシタカは再び歩き出す。どういうわけか身体が軽くなっていることに、アシタカは驚く。ヤックルの背に乗る男は腕を骨折していたが、シシ神との遭遇後、いつの間にか治癒していた。アシタカ一行は、森を抜けることに成功する。

 

【ストーリーの流れ④(ネタバレ注意)】──タタラ場

アシタカらが森を抜けると目の前に湖が広がっており、対岸に城塞都市然とした村が見えた。そこは、アシタカが助けた牛飼いたちが暮らす「タタラ場」という村だった。渡し舟でタタラ場に到着したアシタカを、タタラ場の人々は物珍しそうに眺める。「ゴンザ」という名の豪傑は、今まで誰も通り抜けたことがないとされるシシ神の森から、重傷を負った大の男2人を連れてやって来たアシタカを「もののけの類」ではないかと疑ってかかった。

 

タタラ場を治めていたのは、エボシ御前だった。そのため、村は「エボシタタラ」と呼ばれていた。そのエボシの計らいにより、アシタカは歓待される。夕食に招かれたアシタカは、牛飼いたちからエボシタタラの成り立ちや概要を聞いた。

 

タタラ場では、砂鉄から鉄を生成していた。現代でいうところの、製鉄所である。鉄作りは女性たちの仕事であり、生産した鉄を売って、生活に必要な物資を購入していた。牛飼いらは、荷を運搬する役割を担っているという。

 

鉄作りに必要な砂鉄を採取するためには、森を切り開く必要がある。タタラ場周辺の山は「ナゴの守」と呼ばれる巨大な猪が主(ぬし)として君臨しており、それまで人間を寄せ付けなかった。そこへエボシが(砲術のプロフェッショナルたる)石火矢衆を引き連れて現れ、ナゴの守を追い払ったという。

 

そのときエボシが放った弾丸はナゴの守を直撃。アシタカに呪いをかけたタタリ神は、そのナゴの守の変わり果てた姿だったという事実をアシタカは知る。山を追われたナゴの守は恨みと憎しみの塊となって走り出し、エミシの村までやって来たのだ。

 

エボシタタラは鉄を売るだけでなく、作った鉄を使って石火矢を自力で製造していた。理由は、土地を取り戻すために辺りをうろついているもののけたちや、鉄をつけ狙う地侍からエボシタタラを護るためだという。

鉄炮と石火矢 日本の美術 (No.390)

鉄炮と石火矢 日本の美術 (No.390)

 

エボシと話したアシタカは、憎しみを広げるなと説くが、鉄を作り続けなければ、エボシタタラで暮らす人々の生活が成り立たなくなる。エボシは、売られた娘や不治の伝染病に侵され追放された人々をタタラ場に引き取り、仕事を与えていた。森を壊せばもののけたちが棲処を追われ、鉄を作れなければ村人たちは生きていく術を失う。アシタカは困惑する。

 

夜更け、エボシがタタラ場の外に向けて石火矢を放つと、木を植えに来ていた猩々(しょうじょう=猿神)たちが、クモの子を散らすように逃げ去った。エボシは、もののけたちに力を与えているシシ神を倒せば、もののけはただの獣に成り下がり、相対的に人間の力が増すためこの地に豊かな国を築くことが可能になると言い、山犬に心を奪われた「もののけ姫」も人間に戻るだろうと続けた。そのもののけ姫に、エボシは「一族(もののけ)の仇」として命を狙われ続けているという。

 

【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】──山犬の姫

その頃、もののけ姫は2頭の山犬を引き連れてタタラ場に向かっていた。目的は、エボシを殺害するためである。エボシタタラを見下ろす高台に到着したもののけ姫らは、一気に駆け下る。タタラ場で働く女性陣と話をしていたアシタカは、もののけ姫らが放つ野性の殺気を敏感に感じ取った。

 

もののけ姫は、エボシタタラへの侵入に成功。石火矢衆1名を、曲輪から突き落としている。頭から落ちているので、おそらく死んでいるだろう。死者1名をカウントする。もののけ姫は人間とは思えぬすばしこさでタタラ場内を走り回るが、石火矢衆や住人らの反撃に遭って追い詰められ、高さ数十メートルはあろうかという高殿の大屋根の上に身を潜めた。

 

もののけ姫来襲の報を受けたエボシは、2名の女性をしたがえて、高殿の前に姿を晒した。女性2人は、石火矢を携えている。エボシによれば、2人の女性は夫を山犬に食い殺されており、復讐の機会を待っていたのだという。というわけで、女性たちの亡き夫2名を死者としてカウントする。エボシが「決着をつけよう」と促すと、潜んでいたもののけ姫がすっくと立ちあがり、その姿を現した。

 

もののけ姫は、小刀を構えると、眼下のエボシ目がけて駆け出した。アシタカは止めに入ろうとしたものの、石火矢衆が放った石火矢に阻まれる。石火矢は大屋根に着弾し、その衝撃と風圧でもののけ姫は意識を失い、屋根の上をコロコロと石のように転がり始める。そして地面に落下。ヨロヨロと立ち上がったもののけ姫目がけて、石火矢を構えていた女性が発砲した。つぶてはもののけ姫の顔面に命中、もののけ姫がつけていた仮面を粉々に砕き、もののけ姫は意識を失って倒れこんだ。

タタラ場の住人がいっせいにもののけ姫にとどめを刺そうと殺到するが、アシタカが間に割って入った。アシタカがもののけ姫の身体を揺さぶると、もののけ姫はすぐに意識を取り戻し、アシタカに斬りかかる。

 

アシタカをやり過ごしたもののけ姫はエボシに向かって突進、タタラ場の住人が取り囲む中、2人は剣を交える。誰も戦いを止めようとしないことに怒りを感じたアシタカの右腕(の痣)から、無数の触手が姿を現す。エボシともののけ姫に手刀を浴びせて気を失わせたアシタカは、もののけ姫の身柄を預かると宣言した。

 

もののけ姫を抱えてその場を離れようとしたアシタカに向けて、未亡人が誤って石火矢を発砲してしまい、弾丸がアシタカの腹部を貫通する。大量出血にもかかわらず、アシタカは何事もなかったかのようにタタラ場を後にした。

 

【ストーリーの流れ⑥(ネタバレ注意)】──シシ神の森

タタラ場を出たアシタカは、ヤックルに跨ると、もののけ姫を迎えに来た2頭の山犬とともに森へ向かった。しかし途中で意識を失い、ヤックルの背から転げ落ちる。それを見た山犬がアシタカに襲い掛かるが、ちょうど意識を取り戻したもののけ姫が制止した。

 

死に瀕したアシタカの喉元に刃を突き付けたもののけ姫は、「なぜ自分を助けたのか」と尋ねる。アシタカの「君は美しい」という答えにもののけ姫は動揺し、アシタカにとどめを刺すことを躊躇する。

 

そこへ猩々たちが現れ、「アシタカの身体を寄越せ」と要求する。狙いは、アシタカの身体を食すことで、人間のパワーを手に入れることにあるという。もののけ姫は、人間を食べてしまったら猩々ではなくなってしまう、と諫める。けっきょくもののけ姫は、アシタカの身柄をシシ神に委ねることにした。

 

瀕死の重傷を負ったアシタカを、もののけ姫はシシ神の棲処へ連れていく。シシ神とは不老不死の神の長で、姿形は大きなカモシカに似ていた。昼間はカモシカの姿として現れ、夜になると、唐草紋の文様をまとった青白い半透明の巨人「デイダラボッチ」に変貌する。現れたシシ神(昼の姿)は、アシタカの身体をたちどころに癒した。シシ神がアシタカを助けたことから、もののけ姫もアシタカを助ける決心をした。

 

一方、ジコ坊は狩人を引き連れて、シシ神の森に潜入していた。ジコ坊は天朝(朝廷)の命を受けて、シシ神退治を企図していたのである。彼はただの僧ではなく、密命を帯びて各地で暗躍する忍者のような存在らしい。彼らはシシ神の棲処を確認した後、その場を去るが、翌日、無数の猪が森の中に集結している光景を目撃する。猪たちを率いているのは、鎮西(九州)を治めていた500歳の巨大猪神「乙事主(おっことぬし)」だった。乙事主は、シシ神の森から人間を追い払うため、はるばる海を越えてやって来たのである。

乙事主らの一団は、シシ神の棲処とされる泉にやってきた。 そこにもののけ姫、そしてアシタカという2人の人間の姿を見て、猪は驚愕する。出迎えたモロに、猪たちは「なぜ人間が」と怒り交じりに尋ねる。もののけ姫が事の経緯を説明したところ、猪たちは「なぜシシ神はナゴの守を助けず、人間を助けたのだ」とさらに激昂する。

 

そこへリーダーの乙事主が現れる。乙事主の目は白内障に侵され、視力が著しく低下していた。アシタカは、乙事主にナゴの守の最期の様子を伝えた。乙事主は話の分かる猪らしく、もののけ姫の存在を知っていて許し、かつ、アシタカの話を素直に聞き入れ、一族からタタリ神が出たことを悲しむとともに、ナゴの守の死を受け入れた。

乙事主は、人間たちに対し「猪突猛進」をしかけて最後の抵抗を試みるといい、一族がことごとく滅んでも誇りを見せると続けた。モロは自重を促したが、乙事主はすでに覚悟を固めており、耳を貸そうとしなかった。

 

【ストーリーの流れ⑦(ネタバレ注意)】──もののけ姫の謎

その頃、エボシは石火矢衆を引き連れて、地侍たちと戦っていた。その地侍たちは、アサノ公方という豪族がけしかけたものらしい。アサノ公方は、エボシタタラが生産する鉄をかねてから虎視眈々と狙っていたのだ。

 

エボシ率いる石火矢衆が放った攻撃により、地侍の(少なくとも)7名が戦死している。うち2名は、エボシが自ら首級を上げている。戦場を俯瞰でとらえたシーンでは、無数の人影らしきものが地面に伏している描写があるが、生死の区別がつかないため無視することとする。

 

その後のエボシとジコ坊との会話により、エボシらが戦っていたのは、アサノ公方に唆された地侍たちであること、アサノ公方は鉄を半分よこせと要求してきていることが判明する。そして、エボシが朝廷からシシ神退治を請け負っていること(それと引き換えに、エボシタタラの経営権というか自治権のようなものを認められているようだ)、石火矢衆を借り受けていることなどが示唆されている。

 

ジコ坊は朝廷直属の「師匠連」と呼ばれる組織に属しているようで、配下に「唐笠連」「石火矢衆」などの部隊を抱えている模様。このときジコ坊は、配下組織の「唐笠連」に加え、「ジバシリ」と呼ばれる謎の狩人の一団を帯同しており、エボシの許可を得てエボシタタラに入場させた。

 

ジコ坊から朝廷の書き付け(内容は不明だが、シシ神退治の許可証か命令書のようなものだろう)を提示されたエボシは、シシ神退治の準備を進める。ジコ坊によれば、シシ神の首には不老不死の力が宿っており、天皇がそれを欲しているという。エボシはシシ神の首に興味はない様子だったが、退治することにより森をさらに切り開くことが可能になるため、退治に賛同していた。目的は別だったが、利害が一致していたのである。

 

エボシは、タタラ場の女性たちに守りを固めさせ、自らジコ坊や唐笠連、ジバシリ、タタラ場の男たちを引き連れてシシ神の森へ向かう。エボシは女性たちに「もののけよりも、人間のほうが怖いから気をつけなさい」と注意を促し出発した。

 

一方、何日も眠り続けていたアシタカは夜中に意識を取り戻す。そこは洞窟のような場所だった。隣にはもののけ姫が寝ており、どうやら彼女のねぐらのようだ。傷ついたアシタカを、もののけ姫が介抱してくれていたものらしい。外に出てみると、眼下に豊かな森が広がっていた。そこでモロと話したアシタカは、もののけ姫(サンという名らしい)の真実を知る。

サンは赤ん坊のころに、モロら獣神を恐れた人間たちによって、生贄のために差し出された存在なのだという。モロはサンを哀れに思い、実の娘のように育てててきたのだ。そうした経緯もあり、モロは人間を憎んでおり、なかでも、自分たちの棲処やシシ神を狙うエボシを仇として狙い続けていた。

アシタカは、サンを解放しろと迫るが、モロは一蹴する。モロは人間(エボシやジコ坊ら)がシシ神を殺すために集結していることを掴んでおり、じきに決着がつく(=山犬の一族が滅ぶ)ことを予期していた。アシタカは洞穴に戻ると、サンが起きていた。アシタカを介抱していくうちに、サンは少しずつ人間性を取り戻していく。

 

翌朝、目を覚ますと隣からサンの姿が消えていた。傍らに、アシタカの装備一式と食料のようなものが置かれていた。サンが用意してくれたものらしい。洞穴を出ると、ヤックルが待っていた。

 

ヤックルに跨ったアシタカは、モロの子の案内で森の中を歩いていく。途中、森が静かさに包まれていることをアシタカは訝った。沢に到着すると、風に交じってタタラ場の匂いが漂ってきた。アシタカは、案内役の山犬に礼を言うと、自ら身につけていたお守りの小刀を外し、サンに届けてほしいと託した。

 

その頃、武装したサンはもう1頭のモロの子に跨り、偵察に出かけた。モロと合流し高台から下方を見下ろすと、黒煙が森を覆っていた。人間たちがあえて煙を焚いて悪臭を漂わせることで、森に潜んでいる猪神の大群をおびき出そうと考えているらしかった。

それを見たモロは「何か大きな仕掛けがある」と看破する。サンは乙事主たちとともに戦うことを決意、母であるモロに別れを告げる。モロは「お前にはアシタカと生きる道も残っているが」と選択肢を提示したが、サンは受け付けなかった。そこへ、アシタカをふもとまで案内した山犬が合流、アシタカから預かった小刀をサンに手渡す。サンはそれを身につけた。

もののけ姫 ミニ置時計 サンのお面の上で

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【ストーリーの流れ⑧(ネタバレ注意)】──戦い

モロの2頭の子とともに、サンは猪一族に合流。サンは、乙事主の姿を探し求める。森は風雲急を告げていた。

 

アシタカがシシ神の森を抜け、タタラ場そばの湖まで戻ってくると、対岸のタタラ場で戦いが行なわれていた。シシ神退治に出かけたエボシの不在を狙って、アサノ公方が軍を送り込んできたのだ。急ぎタタラ場へ向かおうとするアシタカを侍が阻もうとするが、アシタカはうまくそれをやり過ごす。アシタカがヤックルとともに湖を泳いで渡る途中、タタラ場の住民と思われる死体が湖を漂ってくる

 

タタラ場の曲輪の下にたどり着いたアシタカは、タタラ場のトキや甲六らから、エボシがシシ神退治に出かけていることを聞く。しばらく攻撃を凌いでくれと伝えたアシタカは、エボシを呼び戻すためにその場を離れる。ヤックルに跨ったアシタカに、アサノ公方軍が4騎の追っ手を放った。

 

シシ神の森方面に向かったアシタカは、焼け野原と化した野山を目撃する。そこから生き物が焼ける匂いが漂い、アシタカは顔をしかめる。次の瞬間、後方から飛んできた矢がヤックルの臀部を直撃。アシタカとヤックルは斜面から転がり落ちる。そこを騎馬侍2人が襲うが、アシタカは返り討ちにして屠る。残る2騎も迫ってくるが、1騎を弓矢で仕留めると、もう1騎は恐れをなしたのかその場から立ち去った。

 

エボシ軍ともののけ軍の戦場となったと思われる焼け野原に到着すると、15人の男性(タタラ場の住人)と猪神8体の遺体が横たわっていた。男たちの話によれば、「まだ何人も土の中に埋まっている」という。唐笠連は、タタラ場の住人を囮にして猪神をおびき寄せ、地面ごと爆薬で吹き飛ばしたものらしかった。アシタカがタタラ場が襲われている旨を伝えると、男たちは驚いた。

 

この後、男性の回想をもとに、猪たちとエボシ軍の激突の様子が描写されている。およそ100頭の猪が爆薬で吹き飛ばされ崖の上にいたタタラ場の住人(石火矢衆の可能性もあるが)と思われる男性2名が、猪に崖から突き落とされている

 

アシタカは、近くから何かが動く気配を感じ取り、気配がする方向へ向かった。そこに、猪の死体の下敷きになっていたモロの子が、脱出しようともがいている姿があった。アシタカはモロの子を助けるため奮闘するが、いかんせん猪の体が重すぎてどうにもならない。山犬を助けようとするアシタカを「もののけの類」と怪しんだ唐笠連のメンバーが、吹き矢でアシタカを射殺そうとする。しかしタタラ場の男性たちが蜂起し、唐笠連の面々は袋叩きに遭って昏倒する。

 

タタラ場の住人達が協力して猪の死体を持ち上げ、モロの子を自由にする。住人たちにヤックルを預けると、アシタカはモロの子とともにサンのもとへ向かった。

【ストーリーの流れ⑨(ネタバレ注意)】──生と死

戦いで深手を負った乙事主は、シシ神に助けを請うため、サンとともにシシ神の森の奥深くを目指していた。乙事主がシシ神のもとへ向かうだろうと予想したジバシリたちが、その後を密かに尾行していた。ジバシリは尾行を察知されぬよう、猪の戦士たちの遺体から生皮を剥ぎ、それを身に着け猪に偽装していた。しかしその異様な雰囲気は隠しようがなく、サンとモロの子は、何者かが背後からひたひたと迫ってくる気配を敏感に感じ取っていた。

 

サンが後ろを振り返ると、偽装した猪が姿を現した。サンはその正体にすぐ気づいたが、重傷を負って余裕がなくなっている乙事主は偽物と気づかず、黄泉の国から戦士たちが復活したと勘違いし、勇んで走り出してしまう。しかし途中で力尽き、倒れ伏す。その乙事主を、猪に偽装したジバシリが取り囲んだ。乙事主を護るため、槍を構えたサンが立ちはだかる。

 

そのとき、どこからか山犬の遠吠えが聞こえてきた。遠吠えの主はアシタカと行動をともにしていたモロの子で、サンに呼び掛けてきたのだ。サンは、アシタカが自分を探していることを知った。

 

ジバシリが乙事主に近づくと、乙事主は自分を取り囲む猪の戦士の正体に気づく。怒りと悲しみ、孤独感に苛まれた乙事主は、タタリ神へ変貌を遂げてしまう。サンはそれを防ごうとするが、ジバシリの投石で気を失い、タタリ神化した乙事主に取り込まれてしまう。怨念のパワーを手に入れた乙事主は立ち上がり、シシ神がいる泉を目指して力強く歩き出した。

サンの危機を知ったアシタカとモロの子は、全速力で走り出す。途中、シシ神退治に向かっていたエボシ一行と出会う。アシタカは、タタラ場が侍に襲われていることを伝え、すぐ引き返すようエボシを説くが、エボシは聞く耳を持たなかった。

 

一足早く、アシタカがシシ神の泉に到着した。泉には、モロが横たわっていた。生死は不明である。アシタカは、大声でサンの名を呼ぶ。タタリ神化した乙事主に取り込まれたサンの耳に、アシタカの声が届いた。サンは声を振りしぼって、アシタカに助けを求める。声がしたほうへアシタカが走り出すと、闇の奥から赤い触手に包まれた乙事主、そして猪に偽装したジバシリたちが現れた。

 

アシタカは、乙事主の前に立ちはだかる。我を忘れている乙事主は、暴れ出そうとした。乙事主に取り込まれたサンの姿を確認したアシタカは、救出のため乙事主の身体に飛び乗り触手を掻き分ける。それを止めようとジバシリらがアシタカを攻撃するが、モロの子2頭が現れて、アシタカを援護する。乙事主が暴れ、アシタカはその身体から振り落とされ、泉に落ちてしまう。

 

それまで横たわったまま顛末を見守っていたモロが、その巨体を持ち上げる。どうやらモロは、死んだふりをしてエボシを待ち構えていた様子である。死期が近いのか、モロの外見は精彩を欠いていた。

 

モロは乙事主に噛み付き、取り込まれていたサンを咥える。もののけたちのその様子を、到着したエボシやジコ坊らが陰から窺っていた。そのときだった。泉中央の小島に、シシ神が姿を現した。畏怖を覚えたのか、ジコ坊の全身から汗が噴き出す。

 

シシ神は水面を歩き、乙事主とモロのもとへ向かう。湖底に沈んでいたアシタカが意識を取り戻して水面に浮上すると、前方からシシ神が歩いてきた。次の瞬間、エボシの石火矢が火を噴き、シシ神の顔を貫通する。しかしシシ神はすぐに復活し、再び歩き出した。アシタカは絶叫し、エボシにシシ神退治を思いとどまらせようとする。

 

モロは、サンの身体をアシタカに預けた。アシタカは、触手の残骸で汚れたサンの身体を泉に沈め、身を清めようとする。シシ神に息を吹きかけられた乙事主は息絶え、そばにいたモロも力尽きて倒れ伏した

 

月の光を浴びたシシ神は、夜の姿であるデイダラボッチに変身しようとする。デイダラボッチになられると歯が立たなくなるため、ジコ坊は焦る。そのときエボシが走り出し、シシ神めがけて石火矢を放った。石火矢は巨大化しようとしていたシシ神の首の付け根のような部分に命中、シシ神の首と胴体が離れる。その瞬間を目撃したサンは、悲鳴を上げた。

 

【ストーリーの流れ⑩(ネタバレ注意)】──デイダラボッチ

首を取られたシシ神の胴体から、ドロドロとした黒い液体ようなものが溢れ出し、周囲に四散した。この液体には命を奪う作用があると見られ、液体に触れたタタラ場住人5名と唐笠連のメンバー3名を即死させている。周囲に飛び散った液体はぶくぶくと膨れだし、再び集まろうとそれぞれが蠢き出した。

 

エボシは、地面に落ちていたシシ神の首を拾い上げ、ジコ坊に呼かける。ジコ坊が鉄製の首桶の担ぎ手とともにエボシのもとにかけつけると、液体に触れたタタラ場住人1名と唐笠連のメンバー1名が即死した。エボシがシシ神の首をジコ坊に預けた次の瞬間、黒い液体に首と胴体を寸断されたモロが覚醒し、最後の力を振り絞って頭部だけでエボシのもとへ殺到、噛み付いて右腕をむしり取る。黒い液体に飛び込んだモロは絶命した。ゴンザが駆け寄り、エボシの身体を支える。

 

黒い液体に囲まれたエボシとゴンザを、アシタカが救う。アシタカは2人を連れて池底を移動、対岸にたどり着く。そこでは、サンとモロの子2頭がアシタカの帰りを待っていた。エボシの姿を見て、サンは敵意を剥き出しにする。激昂したサンは、持っていた小刀で誤ってアシタカを刺してしまう。アシタカはよけずにそれを受け止めた。

 

アシタカは、エボシを止められなかったことを謝罪したうえで、サンに助力を請うた。サンはすでに絶望していたが、アシタカの言うことに従う。振り返ると、黒い液体は集合し、「首なし」のデイダラボッチとして巨大化しようとしていた。

 

デイダラボッチは、奪われた首を探し求めて、森中に手を伸ばす。デイダラボッチが触れた樹々は、次々に枯れていった。シシ神の首を入れた桶を担いで、ジコ坊らは一目散に逃げ出す。蓋をした桶の中で、シシ神の首が動き出そうとしていた。首はデイダラボッチを呼び寄せようとしていたのだ。

 

その頃、タタラ場では戦いが一段落し、膠着状態が訪れていた。このとき、曲輪の下に12名の侍が横たわっている描写がある。戦死したものとしてカウントしておく。アサノ公方軍の再襲来に備えていたタタラ場の女性たちは森が騒々しいことに気づき、寝ていた者すらその不気味な気配を察して起き出した。森のほうを見やると、黒い液体が津波のように押し寄せてきており、その後ろから、立ち上がった首なしデイダラボッチの巨体がまっしぐらにタタラ場を目指して歩いてくる姿が見えた。

 

デイダラボッチの登場に、アサノ公方軍は尻尾を巻いて逃げ出すが、トキらはタタラ場で踏ん張ろうとする。そこへ山犬に乗ったアシタカが現れ、トキらに対し、湖の上への避難を呼び掛ける。アシタカはジコ坊からシシ神の首を取り戻すため、すぐにその場を離れる。アシタカは、デイダラボッチに首を返すことを考えていたのだ。

 

タタラ場の女性たちは、トキの指示にしたがって、すぐに避難を開始する。黒い液体は、すさまじいスピードでタタラ場をのみ込んでゆく。死んだ描写はないが、左手に籠のようなものを持った太めの女性は、確実に逃げ遅れたと断言できるため、死者としてカウントしておく。次に、トキの指示どおりに避難しなかったタタラ場の女性11名が黒い液体に殺されている。黒い液体に覆われたエボシタタラは、完全に瓦解した。

 

アシタカとサン、モロの子2頭は、シシ神の首を求めてジコ坊のもとへ急ぐ。丘の斜面を登っていたジコ坊らを発見したアシタカとサンは、彼らの前に立ち塞がった。ジコ坊はアシタカに掴みかかり、もう一人の唐笠連のメンバーがサンに襲いかかる。その隙に、2名の担ぎ手がシシ神の首をどこかへ運ぼうとする。しかし、デイダラボッチが手を伸ばし、2名の行く手を塞ぐ。観念した2人は首桶を放棄して、一目散に逃げ出した。

 

持ち主を失った首桶は斜面を転がり出す。それをジコ坊が身体で受け止めるが、勢いを止められず、一緒に転がり落ちていってしまう。アシタカとサン、そして唐笠連のメンバー1名(サンを攻撃した人物)がその後を追う、というか、実態としては、迫りくる黒い液体から逃げようとする。

 

ジコ坊(と首桶)は、突き出た岩の上に乗り上げて停止した。デイダラボッチは朝日を浴びると消滅するため、ジコ坊はその岩の上で日の出の到来を祈る。そこへアシタカらが到着。アシタカは、首を返上するようジコ坊を説得した。折れたジコ坊が首桶の蓋を開けると、シシ神の首は黄金色の液体で満たされていた。

 

首を取り出したアシタカとサンは、頭上高くそれを掲げた。首から垂れる黄金色の液体に触れたアシタカとサンの身体は、痣に包まれていく。デイダラボッチは身を乗り出し、アシタカとサンが掲げた首と一体化。デイダラボッチは完全体として復活を遂げる。

 

湖上に避難していたトキらが、動かなくなったデイダラボッチの様子を不審がる。そこへ、重傷を負ったエボシらが戻ってきて合流した。

 

そのとき日の出が訪れた。陽の光に触れたデイダラボッチは倒れて消滅、すさまじい衝撃波と暴風が発生し、周囲のものをすべて吹き飛ばしていった。

 

風をやり過ごしたタタラ場の住人が辺りを見回すと、黒い液体によって枯れ果てたはずの野山が、再び豊かな緑で覆われていた。タタラ場の高殿すらも緑に包まれていた。

 

意識を失っていたアシタカとサンが目を覚ますと、草むらの中にいた。サンは「緑がもどっても、以前と同じシシ神の森ではない」と嘆くが、アシタカは「シシ神は生命そのものだから、死ぬことはない」と慰める。見れば、アシタカの痣が消えようとしていた。アシタカによれば、シシ神に生きろと言われたのだという。

 

アシタカは、森と人間が共存できる道を探るため、タタラ場に残って力を尽くすことを決意。山犬に乗って森の奥へ戻るサンに「会いに行く」と伝えると、サンは嬉しそうに笑い、モロの子らとともにその場から走り去った。

 

タタラ場では、住人たちがエボシを取り囲む。それまで敵対視していた山犬に助けられたエボシは自嘲気味に笑い、以前よりも良い村を新たに作ろうと皆に呼び掛けた。

 

そしてエンドクレジット。

たった2時間程度の映画なのに、盛り込まれている情報量が膨大で驚かされた。さすがスタジオジブリというか宮崎駿氏。唸らされた。

 

この作品の死者数をまとめると以下になる。

見方は、死者──殺人者/死因 である。

 

【確定死者数】

(参考)ナゴの守──アシタカ/弓矢

村人1名──野武士?/槍

野武士1名──アシタカ/弓矢で両腕をもぎ取られる

野武士1名──アシタカ/弓矢で首を吹き飛ばされる

牛飼い2名──山犬モロ/谷底に突き飛ばされる

石火矢衆1名──もののけ姫サン/曲輪から突き落とされる

タタラ場女性の亡き夫2名──山犬/食い殺される

地侍5名──石火矢衆/石火矢

地侍2名──エボシ御前/石火矢

タタラ場の男性──不明/不明

アサノ公方軍の侍1名──アシタカ/剣で腕を斬り落とされる

アサノ公方軍の侍1名──アシタカ/弓矢

アサノ公方軍の侍1名──アシタカ/弓矢で首を吹き飛ばされる

タタラ場の住人男性15名──唐笠連/爆薬

タタラ場の住人男性2名──猪/崖から突き落とされる

(参考)乙事主──シシ神/命を吸い取られる

石火矢衆5名──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

唐笠連のメンバー3名──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

石火矢衆1名──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

唐笠連のメンバー1名──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

(参考)モロ──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

アサノ公方軍の侍12名──不明/不明

左手に籠を持った女性──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

タタラ場の女性11名──デイダラボッチ/黒いドロドロに触れる

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【計70名】 +ナゴの守+猪神108頭+乙事主+モロ

 

この物語を成立させるために、今日も多くの人が殺された。

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機動戦士Zガンダム第4話「エマの脱走」における死者数をカウントしてみた(死者メーター57)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第4話:エマの脱走』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

1話目から読みたい人はコチラ↓

www.death-meter.com

 

目次

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【あらすじ】

母の死に取り乱しマークⅡ3号機で暴れまわるカミーユを、エマ中尉らが宥める。カミーユはマークⅡ3号機ともども、ティターンズの旗艦アレキサンドリアに収容された。バスク・オム大佐に反感を覚えたエマ中尉は転向を決意、カミーユとその父フランクリンを解放し、ともにアレキサンドリアからの脱出を試みる。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

前話の最終盤において、目の前で母親を殺害されたカミーユは半ば発狂、ろくに操縦経験がないにもかかわらず、マークⅡ3号機で、ジェリド搭乗のハイザックに襲い掛かる。ブレックス准将から下船を許可されたエマ中尉はマークⅡ1号機に乗り込み、カミーユの暴走を止めようとする。

マークⅡ3号機はハイザックに掴みかかる。幸い、ジェリドは弾丸を撃ち尽くしていたため、操縦に不慣れなカミーユが撃墜されることはなかった。ジェリド中尉は、無線を通して聞こえるマークⅡ3号機のパイロットの声から、コクピットの人物が、かつてグリーン・ノア1で自分に殴りかかってきたカミーユという少年であることを知った。戦いに、ライラ大尉率いるガリバルディβ部隊も参戦。リック・ディアスで出撃したクワトロ大尉は、カミーユを宥めつつ、手練れ揃いのガリバルディβ隊に応戦するという離れ業を演じることになる。

 

クワトロ大尉は停戦を知らせる信号弾を発射、マークⅡ3号機を後ろから羽交い絞めにして、カミーユを宥める。それでもカミーユの怒りは収まらない。エマ中尉のマークⅡ1号機も立ちふさがって説得を試みるが、やはりカミーユは言うことを聞かない。正直、カミーユに駄々をこねさせて話を引き延ばそうとしているようにしか感じられず、見ていてイライラさせられた。実際には、ただ単にカミーユの子どもっぽさを強調しようとしているだけなのだろうけど。

 

最終的に、バスク・オム大佐の脅しに屈したアーガマブレックス准将は、マークⅡをティターンズに返却した。暴れまわっていたカミーユも納得したようだ(そのシーンは描かれていないが)。しかしカミーユはマークⅡのコクピットから降りておらず(コクピット内で茫然自失状態にあった)、マークⅡ3号機とともに、ティターンズの旗艦アレキサンドリアに収容された。そのアレキサンドリアで、カミーユは父フランクリン、そしてジェリド中尉と再会する。

 

マークⅡ3号機の帰還により、アレキサンドリアは戦力が増強。バスク・オム大佐は、逆に戦力が大幅に低下したアーガマをいっきに叩くことを考える。バスク大佐はエマ中尉に対し、マークⅡ3機を率いてアーガマの攻撃を命じるが、これまでの一連の経緯から、エマ中尉はティターンズという組織に疑問を抱くようになっており、攻撃命令を機に、ティターンズからの離脱を画策する。

 

エマ中尉は見張りの兵を気絶させ、カミーユ・ビダンとフランクリン・ビダンを監禁室から解放した。さらに、パイロット待機室を急襲し、マークⅡに搭乗予定のパイロット2人を気絶させる。エマ中尉、カミーユ、フランクリンは、それぞれマークⅡ1~3号機に搭乗した。エマ中尉は、ハッチを開くよう要求。したがわなければ、ビームライフルでハッチを吹き飛ばすという。エマ中尉の突然の謀反に、アレキサンドリアは混乱する。

 

開いたハッチからマークⅡ1~3号機が相次いで発進、一路アーガマを目指す。しかし、すぐに追っ手がかかる。ライラ大尉率いるガリバルディβ隊だ。マークⅡ隊とガリバルディβ隊は交戦するが、双方に被害は出ていない。

 

エマ中尉がティターンズから脱走を試みているらしいことは、アーガマにも伝わった。ヘンケン艦長はエマ中尉を援護するため、クワトロ大尉らをリック・ディアスで出撃させる。援護のかいあって、3機のマークⅡは無事にアーガマへ着艦した。

 

エウーゴに投降したエマ中尉に対し、シャアは(おそらく儀礼的なものだと思うが)なぜ心変わりしたのかと尋ね、エマ中尉は、自分の心に正直でありたかったからと答える。生粋のエンジニアであるフランクリン・ビダンは、エウーゴモビルスーツリック・ディアス」を見てはしゃぐ。そんな父の姿を、カミーユは苦々しい思いで見つめるのだった。

 

というところで、第4話が終了。

4話まで進んだものの、率直な印象として、ストーリーがほとんど進展していない印象を受けた。事実上、カミーユがマークⅡを盗んでエウーゴに参戦したこと、ティターンズのエマがエウーゴ側に寝返ったことくらいしか描かれていない。内容が薄いというより、時間をかけてティターンズの異常性を浮き彫りにしたかったのだろうと前向きに考えたい。

 

それはともかく、今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

なし

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【計0名】

 

この物語を成立させるために、今日は人が殺されなかった。

機動戦士Zガンダム第3話「カプセルの中」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター56)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第3話:カプセルの中』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

1話目から読みたい人はコチラ↓

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目次

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【あらすじ】

マークⅡを盗んでグリーン・ノアを飛び立ったカミーユは、クワトロ大尉の案内でエウーゴの戦艦アーガマに到着。ティターンズバスク・オム大佐は、カミーユの両親を人質に取ってマークⅡの返還を要求するという、軍隊にあるまじき暴挙に出る。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

グリプス(グリーン・ノア2)に呼び出されたブライト・ノア中佐は、バスク・オム大佐から親書を預かり、ティターンズ創立者ジャミトフ・ハイマンに直接手渡すよう命じられる。前話でティターンズ軍人から集団暴行に遭ったブライトの顔は、絆創膏だらけ。暴行の片棒を担いだバスク大佐が、何事もなかったかのようにブライトを呼び出して「パシリ」に使っているところに、ティターンズという(エリート意識を持った)集団の異常さがうかがえる、というか、その異常さが描写されている。

 

ガンダムマークⅡを持ち逃げしたカミーユ・ビダンは、エウーゴの戦艦アーガマに到着し、ブレックス・フォーラ准将やヘンケン・ベッケナー艦長、レコア・ロンド少尉らと面会していた。そこへ、敵(ティターンズモビルスーツが接近しているとの報が入る。

アーガマを足止めするために、サラミス級巡洋艦ボスニア」からライラ・ミラ・ライラ大尉がモビルスーツガリバルディβ」で出撃した。ライラは好戦的な人物のようで、出撃時に、「アーガマの臨検が目的だから、撃沈しないように」と上官から釘を刺されている。

 

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それにしても、Zガンダムに登場するモビルスーツはどれも特徴が薄くて、パッと見て判別がつきにくい。前作『機動戦士ガンダム』では、一目見て「ドムだ」「ゲルググだ」とわかったが、Zガンダムではそうはいかず、登場するたびに「これは何の機種だっけ?」といちいち調べる必要がある。かなり面倒だ。

 

バスク・オム大佐の命令で、地球連邦軍技術士官であるカミーユの父フランクリン・ビダン、母ヒルダ・ビダンが呼び出され、バスク大佐が座乗する宇宙巡洋艦アレキサンドリア」に乗船させられた。名目は「敵モビルスーツの目視確認と、手に入った場合の装甲の材質確認」とのことだったが、どうやら狙いは別にあるようだ。

 

ライラ大尉は、アーガマを発見。停船を命じる信号を送る。アーガマブレックス准将らはその要求に従わず、クワトロ大尉らにモビルスーツ発進の準備を進めさせる。アーガマを見い出したライラ大尉が「エウーゴにあんな戦艦があったのか」と驚く描写があるのだが、エウーゴティターンズは友軍である。戦艦を作るには莫大な予算と人員、時間が必要になるため、「対立しているとはいえ、同じ地球連邦軍に所属していて、しかも『大尉』というそこそこの階級が与えられているライラ大尉の耳に、アーガマ建造の噂が入らないはずがないだろう」と、違和感を覚えたことを記しておく。

 

ライラ大尉は、アーガマに対し、所属を明らかにするよう無線で呼び掛ける。そして、場合によっては、撃沈すると脅した。ヘンケン艦長が、「所属はエウーゴ」と表明すると、ライラ大尉は攻撃に踏み切るが、それより先に、控えていたクワトロ大尉のリック・ディアスガリバルディを攻撃、しかしライラ大尉は不意打ちをかわし、その能力の高さにクワトロ大尉は驚く。一方のライラ大尉も、クワトロ大尉が搭乗するリック・ディアスの機体が赤く塗られていることから、「赤い彗星か?」と訝る。

 

ライラ大尉率いるモビルスーツ部隊の実戦慣れした動きに、クワトロ大尉は舌を巻く。それでも、クワトロ大尉はモビルスーツ1機を撃沈した。機種は不明だ。ライラ大尉の母艦ボスニアから撤退命令が出たのを機に、ライラ以下のモビルスーツ隊は後退した。敵モビルスーツの手際よい撤収を見て、ブレックス准将とヘンケン艦長は「何かある」と怪しむ。

 

ブレックス准将とヘンケン艦長の勘は的中する。

アレキサンドリア艦内で、ティターンズが作戦会議を開いていた。作戦内容は、「交渉」によってエウーゴからマークⅡを取り戻すことにあるという。作戦参謀のジャマイカンは、ジェリド中尉に対し、出撃後、後続のカプセルが視界に入ってから命令書(おそらく記録に残したくない命令のため、手書きなのだろう)を開けと指示し、交渉役としてアーガマに赴くエマ中尉に対しては、交渉時間は15分間だけだと指示した。エマ中尉が、カプセルについて「爆弾か何かか」と質問したものの、ジャマイカンは言葉を濁した。何か裏があるようだ。

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そして、アレキサンドリアからエマ中尉、ジェリド中尉らがモビルスーツで発進した。そのモビルスーツ隊をアーガマのレーダーが捕捉。エマ中尉搭乗のマークⅡ3号機は白旗を掲げ、交渉の意思を伝えていた。ヘンケン艦長は怪しむが、先ほどの戦闘でエンジンが損傷しており、時間稼ぎのためにそれを受け入れる。

エマ中尉がマークⅡでアーガマに着艦、たった一人で敵艦に乗り込んでくる。エマ中尉は、バスク・オム大佐からの親書をブレックス准将に手渡し、即答での返事を迫った。親書を一瞥したブレックス准将は怒りに震え、エマ中尉に対し、親書の内容を知っているかと尋ねた。エマ中尉は、把握していないと答える。

 

親書を受け取り、中身を一読したエマ中尉は震え出す。内容は、カミーユ・ビダンの引き渡しと彼が盗んだマークⅡを返却しなければ、カミーユの両親を殺害すると記されていた。つまり、フランクリンとヒルダ夫妻は、人質としてアレキサンドリアに連れて来られたのだ。

 

親書を読んだエマ中尉は、ティターンズという組織の本質を垣間見た。ブレックス准将が指摘するところによれば、ティターンズとは、統率が取れた軍隊ではなくただの私兵、それも地球の引力に魂を引かれた者たちの私兵だという。

 

ブレックス准将らが対策を協議する中、アーガマのレーダーが正体不明のカプセルをキャッチした。一同は、カプセルの中に人影を確認する。エマ中尉はホログラムのはずと主張するが、ヘンケン艦長は、カミーユを呼んで人相を確認させろと命令する。

 

一方、出撃したジェリド中尉はカプセルを確認、命令書を開くと、そこには、エウーゴがカプセルを奪おうとする素振りを見せたら、カプセルを撃てと記されていた。何も聞かされていないジェリドは、そのカプセルに人が乗っているとは想定しておらず、戦艦を沈めるほどの威力を誇る強力な爆弾だと思い込んでいた、いや、思い込まされていた。

 

カミーユは、アーガマ船内で交わされていた会話から、カプセルの人物が両親であると知り、両親を救うため、エマ中尉が乗ってきたマークⅡ3号機に勝手に乗り込んで出撃した。カミーユはカプセル内の人物を確認、それは母ヒルダだった。

 

3号機がアーガマから離れたのを見て、ジェリドはエマ中尉が戻ったと勘違いしたが、合流の合図が出されないことから、コクピットにいるのはアーガマの乗員で、カプセルを奪おうとしていると判断、カプセルの狙撃に向かう。

 

カミーユはカプセルに肉薄、内部のヒルダは恐怖に怯えた表情で、必死に何かを訴えかけようとしていた。その母の姿を見て、なぜかカミーユは苛立つ。仕事一辺倒だった母に対する屈折した思いと、状況の異様さに心をうまくコントロールできない若さが、そうさせたようだ。

 

カプセルに手を伸ばしたマークⅡ3号機を見て、ハイザックジェリド中尉が「沈め」という掛け声とともに砲撃、カプセルは粉々に砕け、ヒルダは生身のまま漆黒の宇宙に放り出される。カプセルが爆発しないことにジェリドは失望したが、すぐに、周辺の宙域にただならぬ雰囲気が漂っていることを感じ取り、異様なまでの不快感を覚える。

 

目の前で母を殺されたカミーユは、呻きとも悲鳴ともつかぬ叫びを上げるのだった──。

 

というところで、第3話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

モビルスーツ搭乗員1名──クワトロ・バジーナリック・ディアスの砲撃により

ヒルダ・ビダン──指示を下したのはバスク・オム大佐、手を下したのはジェリド・メサ中尉/ハイザックの銃撃

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【計2名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

 

映画「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター55)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、人気SF映画シリーズ『スター・ウォーズ エピソード1  ファントム・メナス』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

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目次

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【あらすじ】

辺境の星ナブーと通商連合との間に、貿易紛争が勃発。調停のための特使として、銀河共和国元老院ジェダイの騎士を現地に派遣した。ところが通商連合はジェダイの抹殺を目論み、密かに準備させていた軍隊をナブーに上陸させ、ナブーのアミダラ女王を捕える。裏で糸を引いていたのは、1000年前に滅んだと言われるシスの暗黒卿だった──。

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【ストーリーの流れ①(ネタバレ注意)】──惑星ナブー

銀河系全域を統治していた銀河共和国では、政治腐敗が蔓延していた。ヌート・ガンレイ総督率いる『通商連合』は、辺境部の星系が設定した貿易関税率に不満を抱き、惑星ナブーの封鎖に踏み切った。ナブーと通称連合の対立が激化する中、銀河共和国元老院のヴァローラム最高議長は事態の収拾を図るため、特使として、ジェダイマスターのクワイ=ガン・ジンとその弟子であるオビ=ワン・ケノービをナブーに派遣した。

クワイ=ガンとオビ=ワンは、ヌート・ガンレイが座乗する船に案内される。特使がジェダイの騎士であることを知ったガンレイは恐怖し、シディアスなる人物に助言を求める。シディアスは、フォースの暗黒面を駆使するシスの暗黒卿ダース・シディアスであり、ヌート・ガンレイ総督を陰で操っていた。シディアス卿はナブーにドロイド軍を上陸させ、特使のジェダイを殺害するよう指示した。

 

ガンレイ総督は部下に命じて、クワイ=ガンらが乗ってきた船を急襲して破壊、船長を含む2名が死亡するクワイ=ガンとオビ=ワンはガンレイ総督が差し向けたバトル・ドロイドに襲撃され、最初の戦闘で8体のドロイドを殲滅している。次の戦闘で6体を仕留める。次から次へと現れるバトル・ドロイドに後退を余儀なくされたクワイガンらは、ナブーを侵略するため出撃しようとしていた通商連合の船に潜り込み、旗艦を脱出する。通商連合によるナブー侵略が始まり、無数の上陸艇がナブーの各地へ降下した。

 

通商連合の上陸艇に潜んでナブーに降り立ったクワイ=ガンとオビ=ワンは、森の中で、ナブーの原住民族グンガンのジャー・ジャー・ビンクスと出会う。ジャー・ジャーの案内で、2人はグンガン族が住まう水中都市へ向かった。

パオンガ湖の水底にあるグンガン族の都市オート・グンガに到着したクワイ=ガンらは、族長のボス・ナスと対面する。クワイ=ガンは、ナブーのアミダラ女王のもとに赴き、侵略の危機が迫っていることを一刻も早く知らせるべきとボス・ナスに説くが、グンガンとナブーは軽度の対立関係にあったため、ボス・ナスは要請を拒んだ。協力に消極的ではあったが、ボス・ナスはクワイ=ガンたちに「ボンゴ」という名の乗り物を貸し出した。クワイ=ガンらは、ボンゴでナブーを目指すことに。聞けば、首都シードまでの最短コースは、惑星の核を通るコースだという。その道案内役として、ジャー・ジャーが抜擢される。

ナブーの深海は、弱肉強食の世界だった。ボンゴを襲ったオピー・シー・キラーという体調数十mの生物は、それより巨大なサンド・アクア・モンスターという生物に捕食され、さらに洞窟内に潜んでいたコロ・クロー・フィッシュという巨大生物も、サンド・アクア・モンスターに捕食された。

 

核を通り抜け、ナブーの首都シードに到着したクワイ=ガンとオビ=ワンだったが、ナブーはすでに通商連合に侵略されており、街中をバトル・ドロイドが我が物顔で闊歩していた。アミダラ女王は囚われの身となり、収容所に連行されようとしていた。ナブーに潜入したクワイ=ガンとオビ=ワンは、連行途中のアミダラ女王一行と遭遇、バトル・ドロイド10を倒して、女王以下を自由の身とする。

通商連合によりナブーの通信システムがすべて破壊されたことを知ったクワイ=ガンは、女王をナブーから脱出させ、元老院へ連れていくことにする。メインハンガーへ向かった一行は警備のバトル・ドロイド20体を倒し、ヌビアンで飛び立つ。

 

大気圏を突破して宇宙へ出たヌビアンを、封鎖線を敷いていた通商連合の船が攻撃。ヌビアンは被弾し、シールド発生装置がダメージを受けるが、アストロメク・ドロイド「R2-D2」が緊急補修を行ない、事なきを得る。ヌビアンは封鎖線の突破に成功したが、すぐにパワー不足に陥り、クワイ=ガンは近くにあった辺境の砂漠の星タトゥイーンに立ち寄って燃料の補給と修理を行なうことを決断した。

 

アミダラ女王を取り逃がした旨をガンレイ総督が報告すると、シディアス卿は弟子のシス「ダース・モール」に捜索させると伝える。シス卿が2人いることを知ったガンレイ総督は、恐怖に震えた。

 

 

【ストーリーの流れ②(ネタバレ注意)】──アナキンとの出会い

クワイ=ガン一行を乗せたヌビアンは、タトゥイーンの砂漠に降り立った。街へ偵察に向かうクワイ=ガン、ジャー・ジャー・ビンクスR2-D2に、「パドメ」という名の女王お付きの侍女が同行する。

 

船の中古部品屋を訪れた一行は、そこで働くアナキン・スカイウォーカーという奴隷の少年と出会った。部品屋の店主は、銀河共和国の通貨は受け取れず、クレジットでも売る気はないという。クワイ=ガンは部品屋での部品入手を諦め、ほかの方法を模索する。

 

街に砂嵐が迫っていた。行くあてのないクワイ=ガン一行を、アナキンは自宅に招待する。機械いじりが趣味であるアナキンは、ガラクタを寄せ集めてプロトコル・ドロイド「C-3PO」を自作していた。アナキンは、そのドロイドをパドメに披露する。

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食卓をともにしたクワイ=ガン一行とスカイウォーカー親子。アナキンは、クワイ=ガンがジェダイの騎士であることを見抜いており、クワイ=ガンを驚かせる。アナキンにはウソが通じないと悟ったクワイ=ガンは、重要な使命を帯びてコルサントに向かっているが、船が故障してやむなくタトゥイーンに立ち寄ったこと、修理にはパーツ交換が不可欠だが、購入する資金がないことなど、すべてを打ち明けた。

 

手詰まりに陥ったクワイ=ガン一行に、アナキンの母・シミ・スカイウォーカーからひとつの情報がもたらされる。タトゥイーンでは年に一度、「ブーンタ・イヴ・クラシック」という名のポッドレースが開催されており、大のギャンブル好きである中古部品屋の店主は、そのレースに目がないという。そこに付け込む隙があるのではないかとシミは考えた。しかもレースの賞金は莫大で、優勝賞金は、パーツを買ってもまだお釣りがくるほどの額だという。

 

アナキンはこのレースに出るためのポッドレーサーを自作しており、クワイ=ガン一行を助けるべくシミに出場を懇願するが、シミは「危険すぎるから」と許可しない。レースは時速700㎞を上回るスピードで行なわれるため参加者には強い反射神経が求められ、人間種族には不可能とされていたからだ。クワイ=ガンもシミに同意し、銀河共和国に協力してくれる人物の有無をシミに尋ねたが、彼女は首を横に振った。他にクワイ=ガン一行を助ける手がないことを知ったシミは、アナキンのポッドレース出場を許可した。

 

クワイ=ガン一行がタトゥイーンを脱出できるかどうかは、ポッドレースの結果次第ということになった。出会ったばかりの少年にすべての運命を託すことに、パドメは不満を漏らす。

 

その日の夕方、シミと話したクワイ=ガンは、アナキンにジェダイの素養があると伝える。アナキンのフォースはけた外れで、クワイ=ガンはその強さに驚愕していたのだ。聞けば、シミはひとりでに妊娠し、アナキンを出産したという。

 

夜、ケガをしたアナキンの手当てをしたクワイ=ガンは、アナキンの血液を密かに採取し、ヌビアンにいるオビ=ワンに血液データを送信、ミディ=クロリアン数を調べさせた。この値の大きさに比例して、その人物のフォースも強くなるという。結果は、恐るべきものだった。アナキンのミディ=クロリアンはチャートを大きくはみ出しており、伝説のジェダイマスター「ヨーダ」をも凌ぐ数値だったのだ。

 

【ストーリーの流れ③(ネタバレ注意)】──ポッドレース

その頃、アミダラ女王を捜索していたシスの暗黒卿ダース・モールが、単身タトゥイーンに降り立った。ダース・モールは、3体の探査ドロイドを発進させる。

 

レース当日、中古部品屋の店主は、セブルバという出場者に大金を賭けるとクワイ=ガンに伝える。「なぜだ」とクワイ=ガンが尋ねると、店主は「毎回、セブルバが勝っているからだ」と答える。クワイ=ガンは、店主の賭けを自分が受けると申し出、もし自分(クワイ=ガン)が賭けに勝った場合、アナキンを奴隷の身分から解放する約束を取り付けた。

レース前、アナキンと話したパドメは、アナキンがこれまでにレースで勝ったことがなく、そもそも完走したことさえないと聞き、不安を覚える。パドメの不安をよそに、レースが始まろうとしていた。出走者は、15~16人というところである。グリッドに、ポッドレーサーがずらり勢ぞろいした。人間種族からの参加者は、アナキンのみである。出走直前、密かにセブルバがアナキンのポッドレースに細工を施した。ポッドに乗り込んだアナキンに対し、クワイ=ガンは「考えるな、感じろ」と、ブルース・リーばりのエールを送った。

 

レース主催者であるギャングのジャバ・ザ・ハットの開会宣言後、いよいよレースがスタートする。各ポッドが勢いよく飛び出していく中、セブルバの細工の影響でアナキンのポッドはエンストを余儀なくされる。アナキンはエンジンを再始動してスタートするが、大きく出遅れることになった。

 

レース序盤で、セブルバの体当たりにより1機のポッドが破壊されているが、レーサーが死亡したかどうか不明である。アナキンは、戦闘集団を猛追。洞窟内で、岩に激突して出走者の一人が即死する。

 

レースは2週目に入り、セブルバがトップを快走する。砂漠地帯で、セブルバは後ろを走っていたポッドのエンジンにスパナを投げ込み、大破させる。レーサーは即死したと思われる。また峡谷地帯で、砂漠の強盗と畏れられるタスケン・レイダーの襲撃が発生、1機のポッドが狙撃により破壊され地面に激突して大破、レーサーは死亡したはずだ

レースは、セブルバとアナキンの一騎打ちの様相を呈してきた。ラスト1週に入り、先頭は変わらずセブルバ、そのすぐ後ろにアナキンがつける。セブルバの体当たりで、アナキンのポッドはコースから弾き出されるが、アナキンは驚異的な操縦テクニックでポッドをコースに復帰させると、逆にセブルバの前に出た。

 

しかし、アナキンのポッドにエンジントラブルが発生し、セブルバがトップを奪い返す。アナキンはすぐにトラブルを解決し、セブルバを猛追。アナキンとセブルバのポッドは横並びとなり接触するが、ダメージを負ったのはセブルバのマシンだった。セブルバのポッドは空中分解し、アナキンがトップでゴールへ。アナキンは見事に逆転優勝を飾った。

 

アナキンの活躍で、クワイ=ガン一行はヌビアンのパーツを手に入れることができただけでなく、アナキンを奴隷の身分から解放することに成功した。しかしj自由の身になることができたのはアナキンのみで、シミまで自由にすることはできなかった。クワイ=ガンは、アナキンをジェダイの騎士とするため帯同するとシミに伝える。アナキンは必ずジェダイの騎士となり、いつか助けに来るとシミに約束した。旅支度を整えたアナキンだったが、母親と別れる寂しさから大粒の涙を流す。

 

ヌビアンに戻る途中、クワイ=ガンとアナキンは、ライトセーバーを操る黒ずくめの謎の戦士に襲われる。その戦士こそ、シディアス卿が放った刺客、シスの暗黒卿ダース・モールだった。ライトセーバー戦を繰り広げるクワイ=ガンとダース・モールクワイ=ガンは、オビ=ワンが出航させたヌビアンに飛び乗り、辛くもタトゥイーンを脱出した。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】──惑星コルサント

通商連合の侵略を受け、経済活動がマヒした惑星ナブーでは、国民が飢餓の危機に瀕していた。パドメはヌビアンの通信室をひそかに訪れ、救援を求める知事からのホログラム映像を心配そうな表情で見つめる。

 

クワイ=ガン一行は、銀河共和国の中心地である、全体を都市で覆われた惑星コルサントに到着した。アミダラ女王を、元老院のヴァローラム最高議長、ナブー選出のパルパティーン議員が出迎える。

 

元老院で、祖国の窮状を訴えたアミダラ女王だったが、議会は汚職と腐敗にまみれて機能不全に陥っていた。失望したアミダラ女王は、パルパティーン議員の提案に従い、ヴァローラム最高議長の不信任案を提出し、選挙に望みを託すことにした。議長候補にパルパティーン議員が推されるが、アミダラ女王は選挙の結果を待たずにナブーに戻り、通商連合から母国を取り戻す決意を固める。

 

一方、クワイ=ガンはオビ=ワン伴ってジェダイ評議会を訪れ、タトゥイーンで戦った謎の戦士を「シスの暗黒卿」であると報告。さらにアナキンについて言及し、彼こそ予言に示された「フォースにバランスをもたらす者」だと告げた。クワイ=ガンはオビ=ワンを独り立ちさせてアナキンをパダワン(弟子)に迎えたい意向を示すが、ヨーダをはじめとするジェダイ評議員は、アナキンが齢を取りすぎていることに加え、精神面の脆さを抱えていることを指摘し、ジェダイの騎士になるための訓練を受けさせることに難色を示す。アナキンの処遇は、ペンディングとなった。

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クワイ=ガンとオビ=ワンは、ナブーに戻るアミダラ女王に護衛として付き添うことになった。アナキンやジャー・ジャーも同行、一行は再びヌビアンの人となり、ナブーへ向かった。

 

【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】──ナブーの戦い

ナブーに到着したヌビアンは、郊外の森に着陸した。クワイ=ガンらは、戦っても勝ち目はないと女王を諭すが、アミダラ女王はひとつの策を用意していた。それは、グンガン族に協力を仰ぐことだった。アミダラ女王は、ジャー・ジャーを使いに出すが、グンガンの水中都市はもぬけの殻だった。ジャー・ジャーによれば、トラブルに見舞われたとき、グンガンは「聖なる場所」と呼ばれるところへ避難するという。ジャー・ジャーの案内で、一行は「聖なる場所」へ向かった。

 

「聖なる場所」には、グンガンが集結していた。アミダラ女王が同盟を申し出たとき、後ろに控えていた侍女のパドメが女王の前に出て、話を遮った。パドメこそが本物の女王であり、これまで女王役を務めていた女性は影武者だったという。真相を知ってアナキンは驚き、クワイ=ガンとオビ=ワンは苦笑いを浮かべた。

 

パドメ・アミダラはグンガンのボス・ナスに臣下の礼をとり、協力を依頼した。低姿勢なパドメ・アミダラの態度にボス・ナスは感心し、ともに戦うことを約束した。一方、ナブーを侵略したガンレイ総督らは、アミダラ女王の予想外の行動に戸惑っていた。シディアス卿も不安を感じ、弟子のダース・モールに注意を呼び掛けた。

 

パドメ・アミダラ女王が出した偵察隊の報告によると、国民のほとんどは収容所に収容され、一部の親衛隊が地下に潜って抵抗しているという。パドメ・アミダラ女王は、グンガン軍に囮となるよう要請、グンガン軍が敵の主力を街からおびき出し、その隙に秘密の抜け道から宮殿に侵入してガンレイ総督を逮捕する作戦を立てた。グンガン軍に大量の犠牲が出ることが予想されたが、ボス・ナスは了承した。犠牲を最小限に抑えるため、パイロット隊に軌道上のドロイドコントロール艦を攻撃させ、ドロイドの無力化を図ることとなった。

 

そして、戦いが始まった。

エネルギーシールドなどで武装したグンガン軍は、ナブーの大草原で、通商連合のバトル・ドロイド軍団と相対する。この戦いに、ジャー・ジャーは将軍として参加していた。バトル・ドロイド軍は装甲型強襲用戦車で砲撃を加えるが、グンガン軍のエネルギーシールドに阻まれる。攻撃が通用しないことがわかり、ドロイド軍は大量のバトル・ドロイド歩兵を起動して前進させる。

 

一方、アミダラ女王とクワイ=ガン一行は、手薄になった首都シードに侵入した。最初の砲撃で、バトル・ドロイド4体が吹っ飛ぶ。これを合図に、激しい銃撃戦が開始された。ここで、ナブーの兵士1名が撃たれて死亡しているのが確認できる。さらに、バトル・ドロイド7体が倒される。首都シードで戦いが発生したことに、ガンレイ総督は戸惑いを隠せなかった。

 

アミダラ女王一行はメインハンガーに侵入、このときナブーのパイロット1名とナブー兵2名が犠牲になっている。バトル・ドロイドは計17体が倒されるパイロットたちがスターファイターに乗り込み、続々と出撃していくが、そのとき1機が撃墜され、パイロット1名が戦死している。

大気圏を脱したスターファイターは、ドロイドコントロール艦の攻撃を開始。艦からは迎撃のファイターが出撃、最初の交戦で、(おそらく)2機のスターファイターが失われている

 

大草原では、グンガン軍とバトル・ドロイド歩兵の戦いが始まっていた。最初に7体のバトル・ドロイドが倒され、グンガンにも1人の犠牲が出る。

 

アミダラ女王らはメインハンガーを制圧、そこから玉座の間へ向かう。アナキンはスターファイターコクピットに隠れているようクワイ=ガンから厳命される。玉座の間へ向かおうとした彼らの前に、シスの暗黒卿ダース・モールが立ちはだかる。ダース・モールの相手をクワイ=ガンとオビ=ワンに任せると、アミダラ女王は兵士らを引き連れて、別のルートから玉座の間を目指した。

 

しかし、現れた3体のドロイデカに、アミダラ女王らは行く手を阻まれる。このときの交戦で、兵士2名が斃されている。苦戦するアミダラ女王らを支援すべく、アナキンは乗っていたスターファイターのスイッチを入れ、砲撃。ドロイデカ3体を屠った。アミダラ女王一行は玉座の間へ急行、スターファイターがオートパイロットモードになっていたため、アナキンは出撃して宇宙へ飛び立ってしまう。

 

メインハンガーでは、クワイ=ガン、オビ=ワン、そしてダース・モールの激闘が続いていた。ダース・モールは、ダブル=ブレード・ライトセーバーを駆使して、ジェダイの騎士2人を翻弄する。3人は、戦いの場をエネルギー発生装置施設へと移す。

 

宮殿に侵入したアミダラ女王一行は、待ち構えていたバトル・ドロイドと銃撃戦となる。バトル・ドロイド4体を倒すのと引き換えに、アミダラ女王は兵士2名を失う。大草原では、グンガン、バトル・ドロイド、ドロイデカ入り乱れての大激戦が展開されていた。ここでグンガン4名が倒されているドロイデカ1体、バトル・ドロイドは少なくとも7体(推定)が破壊されているのが確認できる。

 

軌道上では、ドロイドコントロール艦をめぐる攻防が続いていた。ドロイドコントロール艦が張り巡らせたシールドは強力無比で、スターファイターの突破を容易には許さない。そうこうするうちに、スターファイター1機が撃墜される。R2-D2がオートパイロットの解除に成功したため、アナキンのスターファイターも戦いに参加する。

 

宮殿の通路で立ち往生を余儀なくされていたアミダラ女王一行は、そこからの突破を諦め、窓から外壁伝いに玉座の間を目指すことに。このとき、バトル・ドロイド2体を新たに倒している。

 

吹き抜けのエネルギー発生装置施設で戦うジェダイの騎士とシス。戦闘中、オビ=ワンはダース・モールの廻し蹴りを喰らって、2階下の通路に転落する。ダース・モールも、クワイ=ガンの攻撃を受けて1階下へ転落。クワイ=ガンはダース・モールを追って、階下へ飛び降りた。

 

クワイ=ガンはダース・モールと一対一で戦いながら、エネルギー発生室へ移動していく。階下に転落したオビ=ワンは体勢を立て直し、上階にジャンプしてクワイ=ガンのもとへ急いだが、エネルギー発生室と通路を仕切るレーザー隔壁が作動したため、隔壁の向こうで繰り広げられるクワイ=ガンとダース・モールの戦いを傍観することになった。歯ぎしりするオビ=ワン。

 

大草原では、グンガン軍のエネルギーシールド発生装置が破壊されたのを機に、グンガンたちはいっせいに敗走する。このときバトル・ドロイド7体(戦車搭乗ドロイド含む)、グンガン1名が倒されているのが確認できる(ドロイドに関しては、もはや実数は不明だ。倒れ伏しているものは何体も映っている)。そのうちの2体は、ジャー・ジャーが誤って戦場にまき散らしたブーマ・ボールという爆弾で破壊されたものである。

 

しかし押し寄せるバトル・ドロイドの大軍に追い詰められ、包囲されたグンガン軍は降伏、宮殿でも、アミダラ女王以下は無数のバトル・ドロイドおよびドロイデカに囲まれ、降伏を余儀なくされた。また、アナキンのスターファイターは銃撃を受けて一時的にコントロールを失い、偶然にもエネルギーシールドが一時解除されていたドロイドコントロール艦の格納庫に入り込んでしまう。エンストを起こしたアナキンのスターファイター目がけて、無数のバトル・ドロイドが駆け寄ってきた。

 

ナブーのエネルギー発生装置エリアでは、クワイ=ガンがダース・モールに圧倒されていた。そして、弟子のオビ=ワンが見守る前で、クワイ=ガンは隙を突かれてダース・モールに胸をライトセーバーで貫かれる。クワイ=ガンはその場に倒れ伏した。

 

宮殿では、捕えられたアミダラ女王が玉座の間へ連行された。そのとき、別行動をとっていた「偽のアミダラ女王(すなわち影武者)」が突如現れ、2体のバトル・ドロイドを銃撃で倒す。一杯食わされたと勘違いしたガンレイ総督は、影武者を捕えるよう指示。バトル・ドロイドが一斉に影武者に向かって歩き出したが、影武者らの反撃でそのうちの3体が倒される玉座の間が手薄になった隙に乗じて、アミダラ女王はガンレイ総督を護衛していたバトル・ドロイド4体を倒し、玉座の間を制圧。ガンレイ総督を捕えることに成功した。

 

一方、クワイ=ガンを倒されたオビ=ワンは、レーザー隔壁が解除される否や、ダース・モールに怒涛の攻撃を繰り出す。個人的なことを言わせてもらえれば、スター・ウォーズの全ライトセーバー戦の中で、このときのオビ=ワンとダース・モールライトセーバー戦が最も好きである。

 

オビ=ワンはダース・モールライトセーバーを両断することに成功するが、鍔迫り合いの際、ダース・モールが繰り出したフォースパワーにより、背後の溶解炉に転落させられてしまう。オビ=ワンは溶解炉の側壁の突起に捕まり、何とか落下は免れたものの、絶体絶命の危機に陥る。ダース・モールは、そばに落ちていたオビ=ワンのライトセーバーを、数百m下の溶解炉の底へ蹴落とした。

 

軌道上のドロイドコントロール艦の格納庫でスターファイターのエンストに見舞われていたアナキンだったが、エンジンの再始動に成功。ブラスターで2体のバトル・ドロイドを倒した後、エネルギー弾のようなものを発射すると原子炉に命中し、ドロイドコントロール艦はエネルギーシールドを失い、攻撃に対して無防備となる。アナキンがスターファイターで格納庫から脱出する際、6体のバトル・ドロイドが破壊される描写がある。

 

原子炉の破壊が引き起こした誘爆で、ドロイドコントロール艦は木っ端微塵に吹っ飛ぶ。当然、乗艦者は全員死亡である。直前の描写で、指令室のようなところにニモーディアン4名の姿が確認できることから、彼ら4名を死者としてカウントしておく。

 

ドロイドコントロール艦が破壊されたことにより、ナブーの地上に配備されていたドロイドはそのすべてが機能を停止し、戦いは、ナブー・グンガン連合軍の勝利に終わった。

 

一方、オビ=ワンのピンチは続いていた。ダース・モールライトセーバーで溶解炉側壁の縁を斬りつけて火花を発生させ、しがみついているオビ=ワンを脅かす。局面を打開したいオビ=ワンは、倒れたクワイ=ガンの足元に、師匠のライトセーバーが転がっていたことを思い出し、一計を案じる。

 

オビ=ワンはフォースを駆使して飛び上がり、クワイ=ガンのライトセーバーを手元に引き寄せると、油断していたダース・モールを横一文字に切り裂く。真っ二つになったダース・モールは、溶解炉の底へ転落していくのだった。

 

オビ=ワンはすぐにクワイ=ガンのそばに駆け寄るも、すでに手遅れだった。クワイ=ガンは、オビ=ワンにアナキンの訓練を託して息を引き取った

 

通商連合の占領軍はナブーから撤退、ヌート・ガンレイ総督は逮捕され、元老院で事の顛末を説明することになった。アミダラ女王のもとを、元老院最高議長に当選したパルパティーンが訪れ、アミダラ女王とオビ=ワンの活躍を褒めたたえる。そして、アナキンの肩に手を置き、将来を楽しみにしていると語りかけた。

 

ナブーの戦いの後、オビ=ワンは晴れてジェダイの騎士に昇格、クワイ=ガンの遺志を引き継ぎアナキンをパダワン(弟子)にする許可を求めた。ヨーダは渋っていたが、最終的には折れ、ジェダイ評議会のメンバーを説得するとオビ=ワンに約束した。

 

アミダラ女王やボス・ナス、パルパティーン、ジャー・ジャー、ヨーダ、オビ=ワン、そしてアナキンらが見守る中、クワイ=ガンの葬儀が執り行われる。ジェダイ最高の戦士と謳われるメイス・ウィンドゥも参列しており、その場でヨーダとウィンドゥはひとつの懸念を共有した。

 

オビ=ワンが倒した謎の戦士(ダース・モール)はシスの暗黒卿に間違いないが、シスは必ず師匠と弟子が組んで行動する。つまり、シスの暗黒卿はもう一人いるはずだと──。

 

そして、エンドクレジット。

死者数をまとめると以下になる。

見方は、死者・・・殺人者/死因 である。

 

【確定死者数】

宇宙船の船員2名──ヌート・ガンレイ総督/砲撃

ポッドレーサー1名──なし/操縦ミスで岩に激突

ポッドレーサー1名──セブルバ/エンジン大破により、猛スピードで地面に激突

ポッドレーサー1名──タスケン・レイダー/狙撃でエンジン大破、猛スピードで地面に激突

ナブー兵1名──バトル・ドロイド/首都シード攻防戦で銃撃を喰らう

ナブーのパイロット1名──不明/メインハンガーで銃撃を受ける

ナブー兵1名──バトル・ドロイド/メインハンガーで銃撃を喰らう

スターファイター搭乗員1名──不明/出撃時に撃墜される

スターファイター搭乗員2名──不明/通商連合のファイターに撃墜される

グンガン1名──バトル・ドロイド/大草原の戦いにおいて銃殺

ナブー兵2名──ドロイデカ/メインハンガーにおいて銃殺

ナブー兵2名──バトル・ドロイド/宮殿内においてブラスターで撃たれる

グンガン4名──不明/大草原にて、様々な方法で

スターファイター搭乗員1名──不明/ドロイドコントロール艦の砲撃

グンガン1名──不明/戦車の砲撃で吹き飛ぶ

ニモーディアン4名──アナキン・スカイウォーカー/ドロイドコントロール艦の原子炉爆破による誘爆で

クワイ=ガン・ジン──ダース・モールライトセーバーで胸部を貫かれる

ダース・モール──オビ=ワン・ケノービライトセーバーで真っ二つに

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【計28名】+バトル・ドロイド108体+ドロイデカ4体

 

この物語を成立させるために、今日も多くの人が殺された。