死者メーター

物語の中で死んだ人々の数をカウントしていく、ただそれだけのゆるいブログです

機動戦士Zガンダム第2話「旅立ち」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター54)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第2話:旅立ち』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

1話目から読みたい人はコチラ↓

www.death-meter.com

 

目次

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【あらすじ】

グリーン・ノア1に侵入したクワトロ大尉は、ティターンズが開発したガンダムマークⅡの捕獲を試みる。市街地でモビルスーツ戦が勃発。混乱の中、カミーユ・ビダンは基地の格納庫に保管されていたマークⅡ3号機に乗り込んだ──。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

エウーゴの戦艦アーガマの砲撃により、グリーン・ノアの外壁が損傷。そこを突破口とし、エウーゴのクワトロ大尉率いるリック・ディアス隊がグリーン・ノア1へ侵入する。そのとき、クワトロ大尉は、誰かの激しい息遣いを感じ取る。その息遣いは、グリーン・ノアにいるカミーユのものだった。

 

驚いたことに、第1話でティターンズの基地から逃げ出したカミーユは、森の中を走って、再び基地に舞い戻ってきた。基地では、墜落したマークⅡ1号機の回収作業が行なわれていた。どうやらカミーユは、自分に対し暴力的な尋問をしたティターンズの軍人たちがどうしても許すことができず、報復を考えていたらしい。このことから、カミーユは執着心と粘着心が強い性格(すなわち、めんどうくさい奴)であることがわかる。

 

クワトロ大尉率いるリック・ディアス隊がグリーン・ノアに侵入、基地に警戒サイレンが鳴り響く。墜落したマークⅡ1号機から降りたジェリド中尉は、同僚のエマ中尉から叱責を喰らう。そこへブライト・ノア中佐が現れ、警戒に当たれと2人に命令を下す。

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コロニー内を飛行するクワトロ隊を迎撃するため、4機のジムⅡが発進した。マークⅡの所在を確認する前に自分たちが発見されてしまったことに、クワトロ大尉は歯ぎしりをする。そして、コロニー内にもかかわらずモビルスーツ戦が勃発する。

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クワトロ大尉は、あっという間に2機のジムⅡを撃破。もう1機のジムⅡを、ロベルト中尉のリック・ディアスが撃墜最後のジムⅡも、クワトロ隊の誰かに屠られた。クワトロ隊強し。しかし、基地から追撃のジムⅡが発進する。交戦したクワトロ大尉は、再びジムⅡ1機を撃墜した。クワトロ大尉の赤いリック・ディアスのすさまじいスピードは、伝説の英雄「赤い彗星のシャア」を彷彿とさせ、交戦したジムⅡ部隊を震え上がらせる。

 

その後、アポリーかロベルトのリック・ディアスがジムⅡ1機を撃破する。もう1機のジムⅡは、地面に激突して大破した。その爆発による振動は、カミーユがいる基地にまで伝わった。さらにもう1機のジムⅡが、基地近くの市街地に墜落して大破する。

 

モビルスーツ戦は、市街地にも被害を及ぼしていた。自宅に戻ったファは、すぐそばにモビルスーツの残骸が転がっているのを見て驚く。基地の方向を見やると、1機のジムⅡがリック・ディアス隊によって撃墜されていた。ファは自宅から母親を連れ出し、避難を開始する。

 

リック・ディアス隊の前に、マークⅡ2号機(ジェリドが墜落させたやつとは別機体)が姿を現した。クワトロ大尉は、捕獲に乗り出す。

 

基地の格納庫では、ブライト中佐がマークⅡ3号機を発進させるよう指示を出していた。整備兵がブライトの命令に反発しているところが描写されていることから、どうやらブライトは左遷というか、閑職に追いやられて、軽々しく扱われているようだ。もっとも、ブライト本人はそんなことは露ほども気にかけていない様子である。

 

そこへ、ティターンズのエマ中尉が到着。彼女がマークⅡのパイロットであることを知らなかったブライトは、驚いた。そのとき、一人の少年がブライトの脇を駆け抜け、マークⅡ3号機へ向かった。少年は、カミーユである。カミーユはブライトの制止を振り切り、マークⅡに乗り込んでしまう。どうやらモビルスーツで、何かやりたいことがあるようだ。カミーユの動機はすぐに明らかとなり、自分を無碍に扱ったMPに報復するためである。

 

んなアホな! かなり強引にカミーユモビルスーツに乗り込ませようとしている印象を受けた。「少年をモビルスーツに乗せて、戦いの中での成長を描く」という現実ではありえないストーリー展開は、こうした力業でも使わないかぎりスタートできないのだろう。

 

カミーユは、マークⅡ3号機を起動し立たせることに成功。その才能は、ファーストガンダムの主人公・アムロの再来を思わせた。

 

そこへ、マークⅡの捕獲を目論むクワトロ大尉らのリック・ディアスが到着。カミーユは、自分を尋問したMPを発見し、マークⅡの巨躯を駆使してMPを脅す。その様子を見ていたクワトロ大尉は、マークⅡ3号機のパイロットがティターンズでないことを覚り、アポリーに攻撃中止を命令する。カミーユはクワトロ大尉らに加勢し、マークⅡ2号機のパイロットを降伏させることに成功した。

 

カミーユの自宅へ様子を見に行ったファは、ロベルトのリック・ディアスティターンズのジムⅡとのモビルスーツ戦に巻き込まれる。そこへクワトロ大尉が到着、砲撃でジムⅡ1機を行動不能にした。

 

カミーユの協力を得たクワトロ大尉は、マークⅡ2号機を捕獲。ティターンズを毛嫌いするカミーユは、グリーン・ノア1から撤退するクワトロ大尉たちに従い、マークⅡ3号機で生まれ故郷を後にする。

 

マークⅡが捕獲された後、ブライト中佐は、ティターンズの中心人物であるバスク・オム大佐のもとを訪れ、市街地に被害が出る可能性を考慮せずに、マークⅡの訓練をグリーン・ノア1で実施したことについて抗議する。反感を買ったブライト中佐はバスク・オム大佐に殴られ、さらに、下級士官らから殴る蹴るの暴行を受けた。同じ地球連邦軍といえども、ティターンズはエリート意識が強く、ブライトのような「非ティターンズ」を軽視しているようである。

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一方、クワトロ大尉らとカミーユは、グリーン・ノア1を脱出し、カミーユはマークⅡでコロニー外の宇宙へ出た。クワトロ大尉らを追って、ティターンズモビルスーツ3機を発進させる。いずれも量産型ザクを改良したハイザックだ。そのうちの1機には、ジェリド・メサ中尉が搭乗していた。

 

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戦闘はすぐに終結する。アーガマから発射された援護のメガ粒子砲でハイザック1機が撃墜され、ジェリド・メサ中尉らは撤退した。

 

クワトロ大尉の案内でアーガマへ向かったカミーユは、目の前に広がる宇宙を見て、懐かしさを感じていた。

 

というところで、第2話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナリック・ディアスのバルカン

ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナリック・ディアスのビーム・ピストル

ジムⅡ搭乗員1名──ロベルト/リック・ディアスのクレイ・バズーカ

ジムⅡ搭乗員1名──不明/不明

ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナリック・ディアスのビーム・ピストル

ジムⅡ搭乗員1名──不明/リック・ディアスのビーム・ピストル

ジムⅡ搭乗員1名──なし/地面に激突して大破

ジムⅡ搭乗員1名──なし/基地に激突して大破

ジムⅡ搭乗員1名──不明/リック・ディアスの砲撃

ハイザック搭乗員1名──不明/アーガマのメガ粒子砲

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【計10名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

 

機動戦士Zガンダム第1話「黒いガンダム」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター53)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第1話:黒いガンダム』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

目次

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【あらすじ】

前作『機動戦士ガンダム』で描かれた「1年戦争」集結から7年後、地球連邦軍内部では、スペースノイド中心の「エウーゴ」と、アースノイド中心の「ティターンズ」の2派閥による対立が激化しようとしていた。ティターンズが極秘にモビルスーツを開発しているとの情報に接した、エウーゴクワトロ・バジーナ大尉は、ティターンズの秘密施設があると目されるコロニー『グリーン・ノア』に侵入。そこで、テスト飛行中と思しき黒いモビルスーツを目撃する──。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

スペースノイドを中心に結成された地球連邦軍内の一派閥「エウーゴ」。反連邦組織であるそのエウーゴに参加していたクワトロ・バジーナ大尉(実はシャア・アズナブル)は、モビルスーツリック・ディアス」を駆り、アポリー・ベイ中尉、ロベルト中尉の2名を引き連れて、スペースコロニー『グリーン・ノア1(旧サイド7)』の偵察に向かっていた。

目的は、対立する連邦軍内の派閥で、アースノイド中心に結成された「ティターンズ」が、新型モビルスーツガンダムMk-Ⅱ」を開発したとの情報を得たからだ。ティターンズは、地球連邦軍を半ば私物化しており、コロニー「グリーン・ノア2(別名グリプス)」の軍事基地化を進めていた。

 

物語の主人公は、クワトロ大尉が偵察に向かったグリーン・ノア1に居住する少年カミーユ・ビダンである。空手部の活動を仮病で休んだカミーユは、友人女性のファ・ユイリィとともに、グリーン・ノアの宇宙港を目指して駆け出す。2人が並んで駆けていくこのシーンがやけに長く、違和感を覚えたことを言及しておく。1話目の制作がひととおり終わったところで、尺が少しだけ足りないことに気づき、走るシーンを無理やり引き延ばしたような印象を受けた。

カミーユ・ビダン×ぴあ (ぴあMOOK)

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カミーユとファは、宇宙港行きのシャトルに乗る。たった30秒のフライトだが、シャトルはコロニー外、すなわち宇宙空間を飛行する。窓の外をなんとはなしに眺めていたカミーユは突如、窓外の宇宙空間に何者かの気配を感じ取り、冷や汗を流す。気配がした方向に目を向けたカミーユは、3つの機影を目撃した。

 

カミーユが目にしたその機影こそ、クワトロ大尉が率いるエウーゴモビルスーツ隊だった。クワトロ大尉も、グリーン・ノア1に「何者か」の存在を感じ取り、彼はその気配が、かつてのライバルであり、ニュータイプの先駆者として知られるアムロ・レイと同質のものであることに驚いた。

 

カミーユとファは、宇宙港に到着した。カミーユが宇宙港を訪れた目的は、ブライト・ノアという人物に会いたかったからだ。ブライト・ノアとは、先の1年戦争(機動戦士ガンダムで描かれた物語)の英雄で、ホワイトベース艦長だった人物。彼がキャプテンを務める旅客用シャトル『テンプテーション』が、グリーン・ノアの宇宙港に入港していたのである。

ガンダムカードビルダー CE-0006 ブライト・ノア
 

その宇宙港で、カミーユは騒動を起こす。仲間たちと談笑していたティターンズジェリド・メサ中尉に、『カミーユ』という名をバカにされたことに激昂し、中尉を殴ったのだ。どうやら『カミーユ』というのは女性につけられることが多い名らしいが、日本人にはピンと来ない。『ヴィヴィアン』とかなら、女性っぽい名前な気がするけれども。カミーユは取り押さえられ、ジェリド中尉らから報復の制裁を受けるとともに、ティターンズに逮捕される。

 

その頃、クワトロ大尉はグリーン・ノアへの侵入を試みていた。巨大なエアロックのハッチを開けて内部に侵入したものの、宇宙服姿の作業員らしき男性2人に目撃されてしまう。クワトロ大尉はリック・ディアスの指から「トリモチ」のようなネバネバを発射して男性2人を拘束し、その場に置き去りにする。助けが来なければ、この作業員たちは宇宙服の酸素枯渇によって確実に窒息死する。救出された描写はないため、この2名は死んだものとしてカウントしたい

 

クワトロ大尉はエアロック内にリック・ディアスを駐機し、ジェットパックを身に着けてノーマルスーツでコロニー内部へ。ジェットパックでコロニー内を飛び回りながら、偵察を行なう。そのとき、1機の真っ黒いモビルスーツと接近遭遇し、クワトロ大尉は風圧で弾き飛ばされた。そのモビルスーツこそ、ティターンズが極秘に開発を進めていた「ガンダムMk-Ⅱ」だった。

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クワトロ大尉(というか侵入者、すなわちスパイ)に機体を目撃されたことを覚ったパイロットは、バルカン砲を発射してクワトロ大尉の殺害を試みるが、失敗した。追っ手を振り切り、クワトロ大尉は再び機上の人となる。

 

コロニーから脱出するため、クワトロ大尉がリック・ディアスのエンジンを噴射した際に、ティターンズの兵士と思われる2名の追っ手が爆風で吹き飛ばされる。確実に死んだと言い切れる描写はないが、死者としてカウントしておくことにする。なぜなら、わざわざ吹き飛ばされるシーンが描かれているからだ。必要もないのに描いているということは、この吹き飛ぶシーンには、物語の創造主の意図が潜んでいると考えるべきだ。この場合は、「死」である。

 

一方、逮捕されたカミーユは、ティターンズの息がかかったMP(ミリタリーポリス)から高圧的な尋問を受けていた。ここで、「ジュニアモビルスーツ大会」なる競技会で優勝したというカミーユの経歴が明らかとなる。高校生とはいえあまりにも優秀なカミーユを、MPは、対立するエウーゴの分子ではないかと疑って尋問を続けるが、カミーユは沈黙を貫く。ニュータイプとして優れた資質を持ち合わせているらしいカミーユは、尋問室の床に宇宙を、そして、その宇宙に煌めく光芒を視る。

 

突如現れた弁護士のような男に、カミーユは釈放を告げられる。その男が言及したところによれば、裏でカミーユの母親の働きかけがあったようだ。この一件から、カミーユの母親は地球連邦軍内で大きな力を持つ人物であることが推察された。

 

せっかく釈放が決まったにもかかわらず、カミーユはMPの挑発にまんまと乗ってしまい、再び激昂してMPに殴りかかってしまう。すわ再逮捕か、と思われた矢先、基地が大地震のような強い揺れに襲われる。1機のモビルスーツが基地の真上に墜落したことが原因だった。

 

負傷者多数により、基地内は大混乱に陥る。担架で誰かが運ばれている描写があるが、死者は出ていない模様だ。その墜落事故の混乱に乗じて、カミーユは基地から脱出する。その際、カミーユの母と思われる女性がカミーユの姿を認めて追いかけるも、カミーユは気づかない。カミーユは、基地のジープを盗んで逃走したが、自分がしでかしたことの重大性に気づき、恐怖で震える。

 

基地に墜落したモビルスーツはテスト飛行中のガンダムマークⅡで、パイロットはジェリド・メサ中尉だった。操縦ミスを犯したジェリドは、ばつの悪い思いでコクピットから退出する。

 

一方、ティターンズが独自にモビルスーツ(マークⅡ)を開発していたことを知ったクワトロ大尉は、機体の奪取を目論む。彼が乗船しているらしい「アーガマ」という戦艦に連絡を取ると、アーガマからメガ粒子砲がグリーン・ノア目がけて発射され、コロニーの外壁に着弾する。そこを侵入口とするマークⅡ奪取作戦の幕が切って落とされようとしていた。

というところで、第1話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

グリーン・ノア(ティターンズ?)の作業員2名──クワトロ・バジーナ/酸素欠乏による窒息死

ティターンズの兵士2名──クワトロ・バジーナリック・ディアスのエンジンに吹き飛ばされる

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【計4名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。

映画「天空の城ラピュタ」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター52)

 

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、スタジオジブリの名作『天空の城ラピュタ』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。さっそく見ていきたいが、この作品で(正式に)死の描写が出てくるのは、物語の中盤以降である(死んでもおかしくない出来事は序盤から無数に発生するけどね)。

 

目次

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【あらすじ】

ある夜、炭鉱で働く少年パズーは、淡い光に包まれて上空から舞い降りてくる少女シータと出会った。シータが祖母から受け継いだ『飛行石』と呼ばれる青い石は、持ち主を宙に浮かべる不思議な力を持っていたのだ。その石を手に入れるべく、政府の特務機関と海賊が暗躍する。騒動に巻き込まれたパズーは、シータが、天空に浮かぶ城塞ラピュタでかつて全地上を支配したラピュタ帝国の王族の末裔であることを知る。ラピュタをめぐる大冒険の幕が切って落とされた──。

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【ストーリーの流れ①(ネタバレ注意)】──舞い降りた少女

少女シータは、ムスカ大佐率いる特務機関の男たちに身柄を拘束され、巨大飛行客船で移送されていた。彼らは、シータが祖母から受け継いだ「飛行石」と呼ばれる謎の青い石が秘める巨大な力に興味を持っていた。ところが飛行石を狙っていたのは、ムスカだけではなかった。

飛行石を奪うため、海賊として世界にその名を轟かせていたドーラ一家が飛行客船を急襲、ムスカらと戦闘を繰り広げる。シータは、隙を見て窓から船外へ出て、飛行船の外壁伝いに隣の部屋へ移動を試みるも、足を滑らせて飛行船から落下。夜の闇に消えていった。

りからいず 天空の城ラピュタ シータ

りからいず 天空の城ラピュタ シータ

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鉱山で働く機械工の少年パズーは、久々の残業に精を出していた。夕食の買い出しを終え、鉱山に戻る道すがら、上空から光り輝く何かが舞い降りてくるのに気づく。よく見れば、それは少女だった。走り出すパズー。驚いたことに、少女は不思議な光に包まれ、ゆっくりと下降してくる。パズーは両腕を伸ばして少女を受け止める。彼女を助けたのは、青い石(飛行石)が持つ不思議な力だった。少女は気を失っていた。その夜、パズーは少女を自宅に泊めた。

翌日の早朝、シータは、トランペットの音で目覚める。ベッドから起き出し、梯子を上って屋根に出ると、パズーが鳩に餌を与えていた。お互いに名乗り合うパズーとシータ。パズーは、「ラピュタ」と呼ばれる、空に浮かぶ伝説の城を発見したいと願っており、その探索に使用するために自作している製作中の飛行機をシータに紹介する。

 

ここで、描写そのものはないが、人が死ぬ。パズーの話の中で、かつてラピュタ探索に出かけ、雲の隙間からその威容の撮影に成功した父親が、帰還後に世間から詐欺師扱いされた挙句、死んだことが伝えられる。加えて、部屋の壁にパズーの母親の遺影が掲げられている。両名を死者としてカウントしたい。

                                                                                      

なぜこの2名が死んだことにされたか(特に母親)と言えば、もし両親が健在だとしたら、パズーはその後の大冒険に出かけることができなくなってしまうからだ(当然、親は反対する)。そこまで考慮したうえでの、母親の遺影登場と思われる。

 

さて、パズーとシータが話をしていると、家の前に1台のオートモービルが停まった。オートモービルから顔を出したのは、飛行船を襲ったドーラ一家の長・ドーラだった。シータは、ドーラ一家が自分を狙っているとパズーに告げる。パズーはシータを男子姿に変装させ、勢いよく家を飛び出す。玄関の前でドーラの手下に尋問されるが、うまく切り抜ける。パズーは、職場の上司である親方ダッフィーの助力を請うため、町へ向かって走り出した。

 

ドーラの手下はパズーの家に勝手に上がり込み、中を捜索。そこで、先ほどまでシータが着ていた女の子の服を見つける。一杯食わされたことを覚った手下はすぐにドーラの息子ルイに連絡、ドーラの息子たちはパズーとシータを追って走り出した。

 

【ストーリーの流れ②(ネタバレ注意)】──逃避行

親方ダッフィーの家には、ドーラの長男シャルルらが聞き込みに来ていた。ちょうどそこへパズーとシータが到着。そのときシータが被っていた帽子が脱げてしまい、隠していたおさげ髪が露わになる。シャルルは、目の前にいる女の子こそが、自分たちが探していた人物だと知って、捕えようとした。

 

立ちはだかったのは、親方ダッフィーだ。ダッフィーを筆頭とする街の人々とドーラ一家の間で激しい乱闘が行なわれている隙に、パズーとシータはダッフィー宅の裏口から逃げることに成功する。しかしその行動は、すべてドーラに読まれていた。

 

ドーラは、ケンカに没頭する息子たちと合流するため、オートモービルで街中へ。シャルルらを拾うと、すぐに発進する。ここで、死人が出ても不思議ではない出来事が起こる。町中の人々がドーラ一家を追いかけ始めるが、ドーラが彼らに向かって手りゅう弾を投げつけるのだ。人々は慌てふためいて後退、手りゅう弾は爆発したが、幸いにして犠牲者は出なかったようである。加えて、民家の2階から投げつけられた植木鉢がシャルルの頭を直撃。現実世界なら死んでもおかしくないというか確実に死ぬが、シャルルは無事生き残っている。

ダッフィー宅の裏から逃げたパズーとシータは汽車道に向かい、ちょうど走ってきたトロッコ機関車に乗り込む。ドーラ一家の追跡から逃れたと安心したのも束の間、ドーラはオートモービルで汽車道へ。線路の上をオートモービルで追いかけてきた。

 

ドーラに追いつかれ、シャルルとルイの兄弟がトロッコに乗り込みパズーらの間近まで迫ってきたが、シータがスコップを投げつけて撃退する(顔面を直撃したため、2人は死んでもおかしくなかったが)。最終的に、パズーがトロッコ車両をの機関部を切り離したうえでその車輪をロックしたことにより、トロッコ車両がオートモービルを通せんぼする形となり、パズーらは逃げ切りに成功した(かと思われた)。

 

ところが、パズーらの前に軍用列車が立ちはだかる。軍用列車から降りてきた黒服の男を見るや否や、シータは駆け出し、汽車道の支線を走って逃げ始めた。追いかけるパズー。そこへ、ドーラらのオートモービルが迫ってきた。

 

軍用列車は、ドーラら目がけて大砲を放つ。砲弾が線路を直撃し、その爆風でドーラ一行は死んでもおかしくなかったが、無事に生き残っている。線路を破壊しながら走り、前を行くパズーとシータのすぐ後ろに迫るオートモービル。あわや、というところで、パズーはシータの身体を抱えて脇に飛び降り、片手で木組みの汽車道につかまる。2人分の体重を片腕で支え続けることは難しく、パズーはすぐに力尽き、シータとともに廃坑に落下してしまうが、「飛行石」が再び不思議な力を発現させ、ドーラ一家および軍人らが見守る中、2人はゆっくりとしたスピードで、フワフワと廃坑の底へ降りていった。

 

2人が降り立ったのは、はるか昔に放棄された古い坑道だった。ランプの灯を頼りに出口を探すパズーとシータは、坑道で暮らす風変りな老人「ポム爺さん」に出会う。ポム爺さんは、パズーとシータに対し、シータが持っている飛行石は、空に浮かぶ天空の城にかつて住んでいた「ラピュタ人」によって作り出された結晶であることを伝える。ラピュタ人は、巨大な飛行石の結晶を作り、その力で城を空に浮かべたという。

 

ポム爺さんの話を聞き、パズーは目を輝かせた。亡くなった父が語っていた話はウソではなく、ラピュタが本当に存在するとわかったからだ。あらためてパズーは、ラピュタ探索への意欲を燃やすことになる。ポム爺さんは、パズーとシータを坑道の出口まで案内した。

 

【ストーリーの流れ③(ネタバレ注意)】──囚われの身

坑道の外に出て空を見上げると、大きな雲が空全体を覆っていた。その雲を見て、パズーは「この空のどこかにラピュタがある」と、心をときめかせる。そんなパズーを見て、シータは一つの告白をする。シータの生家には、代々受け継がれてきた不思議な名前があるという。飛行石を受け継いだとき、シータもその名前を一緒に受け継いだという。シータは自分の本当の名の一部に「ラピュタ」が含まれているといい、パズーを驚愕させた。

 

パズーとシータの行動を読んでいたかのように、ムスカ率いる軍隊と特務機関が2人を急襲、パズーは後頭部を殴られて気絶し、シータともども囚われの身となる。2人は軍の要塞に連行された。

目覚めたパズーは、自分が石牢に閉じ込められていることを知る。脱出を試みるパズー。ここでもまた、死者が出ても不思議ではない描写が。パズーは石造りの垂直内壁を登り始め、おそらく10mくらい登ったところで滑り落ちて後頭部を激しく強打、並の人間なら即死していてもおかしくないというか即死しているはずだが、生き残っている。

 

一方、シータも囚われの身となっていた。ゲストとしてそれなりに厚遇されていたが、軟禁状態に置かれていた。ムスカは、シータを要塞の地下に連れ出す。シータが地下室で目にしたのは、横たわる巨大な1体のロボットだった。ムスカによれば、このロボットはラピュタから落下してきた戦闘用ロボットで、どのような材質で作られているのか、それすらも自分たちの科学力では判定できないという。

シータは、ムスカからラピュタについて説明を受ける。ラピュタは大昔に滅びた国家で、人々の記憶からその存在は忘れ去られているが、存在当時は、高度な科学力によって天空から全土を支配した強力無比な帝国だったという。恐ろしいことに、そのラピュタは今も空のどこかに浮かんでいるとのことだった。

 

ムスカは、さらに話を続ける。飛行石はラピュタを支配していた王族の末裔が、いつかラピュタへ帰還するために必要な道具で、一族によって代々受け継がれてきたものだった。つまり、シータはラピュタ王の末裔だったのである。ムスカはあくまでも紳士的な態度を崩さず、子どもをあやすように、「ラピュタが隣国の手に渡れば、世界の安全保障上の一大事になる」とのもっともらしい理屈を披露し、パズーの身の安全と引き換えに、飛行石を働かせる方法を教える、あるいは思い出すよう要求した。パズーを守りたい一心のシータは、ムスカの圧力に屈する。

 

パズーは牢屋から解放され、シータとの再会を果たす。ところがシータはムスカの思惑どおり、ラピュタの探索を断念するようパズーを促し、パズーの前から立ち去る。ムスカは、「シータさんは軍に協力してくれることになった」と告げ、パズーに金貨を数枚手渡し、「ラピュタ探索をあきらめるよう」暗に促す。シータに裏切られたと思い込んだパズーは意気消沈し、失意とともに要塞を去る。その後ろ姿を、シータは涙ながらに見送った。

 

【ストーリーの流れ④(ネタバレ注意)】──ロボット兵の脅威

パズーが去った夜、シータは祖父から教わった『困った時のおまじない』を何とはなしに呟く。実はそのおまじないこそ、ラピュタの封印を解く呪文だった。シータの呪文に反応し、要塞の地下に横たわっていたロボットが再起動、呪文の暗唱者であるラピュタの王族を探し出して護衛するため、動き始める。

 

要塞に駐留していた軍隊は慌てふためいて攻撃を試みるが、ロボットの身体は攻撃を寄せ付けなかった。騒ぎを聞きつけたムスカは、ロボットの姿を確認し、ラピュタへの封印が解けたと暗い笑みを浮かべる。ムスカのそばにいたシータを視認したロボットは、ジェットを噴射して飛び上がりシータに肉薄。恐怖を感じたシータはその場から逃げ出し、小さな塔の屋上まで駆け上がった。外に出た瞬間、シータが身に着けていた飛行石は眩い光線を発し、空の一点を指し示した。

 

一方、要塞から帰宅したパズーは、勝手に自宅に上がり込んでいたドーラ一家に捕らえられてしまう。シータに裏切られたと思い込んでいたパズーは、ドーラの指摘により、シータの行動はすべて自分(パズー)を守るためのものだったと気づき、飛行石を奪うために要塞へ向かおうとしていたドーラに帯同を願い出る。ドーラは同行を許し、フラップターでパズー宅を出立した。

要塞敷地内の小さな塔に駆け上がったものの、シータは行き場を失い、追い詰められてしまう。そこへロボットが登場、シータに対して臣下の礼をとると、シータが身に着けていたペンダントから光が放たれ、ロボット胸部のエンブレムを照射。指令を受け取ったロボットは、王族の末裔であるシータを護ろうとするかのように手を伸ばすが、その刹那、要塞内の大砲が火を噴き、信管が抜かれた砲弾がロボットの胸を直撃し、ロボットは機能を停止した。その爆風でシータは壁に吹き飛ばされて気絶、飛行石も飛ばされてシータの身体から離れ、塔外へ落下した。

 

ロボットを撃破したと思い込んだ要塞の兵士たちは、歓声を上げながら塔にのぼり、気絶しているシータを起こそうと、そのおさげ髪を引っ張る。シータが小さく呻くと、突如としてロボットが起動し、頭部のビームを撃ちまくる。慌てて逃げ出す兵士たち。

 

気絶したシータを腕に抱いたロボットは、持ち得る武器をすべて使用して、周囲の破壊に乗り出す。頭部のビーム砲で要塞の砲門をすべて破壊しつくすなどして要塞を無力化、ひたすら暴れまわる。その破壊力はすさまじく、要塞内の兵士が全滅してもおかしくないような暴れっぷりだったが、幸いにも死者の描写はない。

 

フラップターを飛ばして要塞近くにたどり着いたドーラ一家は、要塞全体が激しく燃え上がっている光景を目撃。上空で待機していた巨大戦艦ゴリアテの大砲が真下の要塞に向けられるのを見てとったドーラは危険を感じて引き返そうとするが、フラップターに相乗りしていた視力抜群のパズーが、小さな塔の上にシータの姿を見い出した。それを聞き、ドーラは、燃え盛る要塞の中にフラップターで突っ込んでいった。

ゴリアテの砲弾が直撃し、瀕死の状態に陥りながらも、それでもまだロボットは、王族であるシータに臣下の礼をとろうとしていた。その姿に、シータは心を打たれる。上空のゴリアテからの砲弾が複数着弾し、要塞内は大混乱に陥る、その間隙を縫うように、ドーラとパズーはシータの救出に成功し、要塞を後にした。シャルルら息子たちが煙幕を張って軍の追跡を阻害し、ドーラ一家はまんまと逃げおおせることに成功した。ロボットは完全に破壊され、沈黙する。

 

騒ぎが収まった後、塔の下に落下したシータの飛行石をムスカが拾い上げると、飛行石から薄い光線が放たれ、空の一点を指し示した。ムスカはその光線がラピュタの位置を示していると確信し、予定どおりラピュタに向けて出発すると、モウロ将軍に伝えた。

 

【ストーリーの流れ⑤(ネタバレ注意)】──タイガーモス号

飛行石をムスカに奪われたパズーとシータは、ドーラに頼み込んで、海賊の仲間入りをさせてもらう。目的は、もちろん飛行石の奪還とラピュタ探索だ。ラピュタに向けて戦艦ゴリアテで先に出発したムスカを、ドーラ一家は持ち船のタイガーモス号で追跡する。シータは、飛行石が指し示した方角をしっかり記憶しており、話を聞いたドーラはその方角へ船首を向けた。

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海賊の仲間入りを果たしたパズーとシータは、それぞれ仕事が与えられる。もともと機械工の見習いだったパズーは、その知識と経験を生かして、タイガーモス号のエンジン整備や船体補修を、シータは食事担当としてキッチンを任される。

 

慌ただしい1日が過ぎたその日の夜、パズーは交代要員として、船体上部の見張り台に立つ。しばし周囲を警戒していると、驚いたことに、こっそり起き出したシータが、船体外部に取り付けられた足場を登って、見張り台にやって来た。

 

上空何mを飛んでいるか不明だが、気温は相当に低いはずだし、おまけに猛スピードで飛んでいるわけだから、すさまじい風速にさらされているはずで、見張り台に立つ人間の体感温度は氷点下と思われる。そんな極寒の場所へ、シータは半そで姿でやって来た。しばし会話を愉しむ2人。考えてみれば、パズー宅で会話して以来、2人にゆっくりとした時間を過ごす余裕はなかった。

 

シータは、祖母から多くのおまじないを教わったといい、その中には、絶対に使ってはいけない『滅びの言葉』なるおまじないも含まれていたと打ち明ける。2人のほほえましい会話は、伝声管を通じて、ドーラらには筒抜けだった。

 

そのときだった。パズーは、タイガーモス号の真下の雲に、巨大な船影が浮かび上がってくるのを見い出した──。

 

【ストーリーの流れ⑥(ネタバレ注意)】──嵐の中へ

パズーの絶叫を耳にし、ベッドから飛び起きたドーラは、眼下にゴリアテの船影を認め、操舵室に退避を指示。雲から姿を現したゴリアテもタイガーモス号を発見し、激しい砲撃を加えてきた。タイガーモス号は、雲の中にその身を隠した。

 

ドーラは、ゴリアテと遭遇したことにより、タイガーモスの飛行コースが想定から大きく外れていたことを知る。タイガーモス号より足が速いゴリアテに振り切られる可能性に焦ったドーラは伝声管でパズーに連絡をとり、見張り台を切り離して凧(グライダー)にし、母船のはるか上空から、ゴリアテの飛行ルートを偵察するよう指示を出した。

 

準備を済ませ、パズーが見張り台を切り離すと、パズーとシータを乗せた見張り台は勢いよく上昇し、雲の上へ出た。タイガーモス号とグライダーは、1本の伝声管を通してつながっているのみである。その伝声管から、ドーラがしきりに連絡を寄越す。

 

夜が明け始めた。シータは、太陽が東手から昇ろうとしていることに気づき、「おかしい」とパズーに伝える。タイガーモス号は、東へ向かって進んでいるはずだったのだ(本当なら、真正面から太陽が昇るはず)。風に流されて進路が狂ったことを知ったドーラは、態勢の立て直しを図ろうとする。

 

そのとき、シータは見た。とてつもなく巨大な入道雲がタイガーモス号に近づいてくるのを。いや、タイガーモス号が巨大な入道雲に引き寄せられていたのだ。操舵室から上空を見上げたドーラは、その雲が船乗りから『竜の巣』と呼ばれ畏れられている巨大低気圧だと知り、退避を命じた。しかし、タイガーモス号は操舵不能に陥り、どんどん竜の巣に近づいていく。

 

巨大な入道雲が『竜の巣』であることを知ったパズーは、亡くなった父が語っていた話を思い出す。父は、偶然入り込んだ『竜の巣』の中でラピュタを見たのだ。父が語っていたように、『竜の巣』は通常の低気圧とは風向きが逆になっていた。そのため侵入を試みる者は、立ちはだかる風の壁に跳ね返されるか粉砕されてしまうのだ。おそらくは、ラピュタ人以外の人間がラピュタに近づくことを拒むために人工的に作られた(発生させられた)低気圧だと考えられる。

 

パズーはその話をドーラに伝え、「『竜の巣』へ行こう」と促す。そのとき、ゴリアテがタイガーモス号のそばまで迫っていた。ゴリアテは激しい砲撃を開始し、その衝撃で、タイガーモス号とグライダーは切り離されてしまう。砲弾を数発喰らったタイガーモス号は半壊し、『竜の巣』にのみ込まれてしまう。パズーはグライダーを『竜の巣』に向け、その内部へ。ムスカやモウロ将軍らを乗せたゴリアテも、ラピュタが潜んでいると思われる『竜の巣』の中心部を目指した。

 

【ストーリーの流れ⑦(ネタバレ注意)】──天空の城

パズーとシータを乗せたグライダーは、雷光の中を彷徨う。そのときパズーは、父が操舵する飛行船の幻影を視る。父は、まるでパズーをどこかへ案内しようとしている様子だった。父の飛行船に導かれるようにグライダーを進めていたパズーは、いつの間にか気を失ってしまう。

 

2人を乗せたグライダーは雲を突き抜けると、低気圧の中心にたどり着く。そして、ふわりと地面に降り立った。そこは、パズーが憧れ続けたラピュタだった。

目を覚ましたパズーとシータは、自分たちがラピュタにたどり着いたことを知り、抱き合って大喜びする。そこは、争いとは無縁の、緑豊かで静謐な空間だった。やって来た園丁ロボットに城内を案内されたパズーとシータは、穏やかな庭園や水底に沈んだ街の風景などを目にし、ムスカが『全地上を支配した恐怖の帝国』と表現したラピュタの別の顔を垣間見ることになった。

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話は逸れるが、そもそもラピュタは海抜何mくらいの高度に浮かんでいるのだろうか。映像で見るかぎり、かなりの高所と思われる。したがってパズーとシータは低酸素による高山病、あるいは低体温症で死亡しても全く不思議ではないことに言及しておいて、話を先に進めたいと思う。

 

園丁ロボットは、まるでパズーとシータを案内でもするかのように墓所へ。巨大な墓の傍らには、はるか昔に壊れたロボットが墓を守るように立っていた。

 

【ストーリーの流れ⑧(ネタバレ注意)】──ラピュタの『雷』

巨大な爆発音を耳にしたパズーとシータは、音がした方向へ走り出す。眼下を見下ろすと、ラピュタの下層部にゴリアテが到着しており、上陸した兵隊らが街の中で略奪の限りを尽くしていた。

 

その光景を目撃したパズーの脳裏に、ひとつの疑問がよぎる。なぜ、彼らは上陸できたのかと。周囲を見渡すと『竜の巣』は消滅し、ラピュタは全貌を露わにしていた。雲が晴れたからこそゴリアテは上陸できたに違いないと考えたパズーは、シータが唱えた呪文によってラピュタはすでに眠りから覚めており、石を持つ王の帰りを待っているのではないかという仮説を立てた。パズーとシータは、ムスカラピュタ王として君臨する前に、飛行石を取り戻そうと決意する。

 

ゴリアテのそばに、壊れたタイガーモス号と、捕まって縛り上げられたドーラ一家の姿を発見したパズーとシータは、彼らの救出に向かう。パズーは下から回り込んで外壁をよじ登りドーラを縛り上げていた縄を切ることに成功するが、その代償として、ムスカら特務機関の男たちにシータが捕えられてしまう。パズーの目の前で、シータはムスカらとともにラピュタ下部の黒い半球体の中に消えた。

ムスカはシータを連れて、ラピュタの中枢部に向かう。途中、『この先は王族しか入れない』と伝え、特務機関の2人の男性を半球体内部に置き去りにすると、ムスカとシータはさらに奥へと入っていった。ちなみに、この特務機関の男性2人がこの場所から脱出できた描写はないため(死亡した描写もないが、死んでいるに決まっている)、死者としてカウントしておきたい

 

ムスカとシータは、ラピュタの深層部にたどり着くが、入り込んでいた木の根が2人の前進を阻むかのように、あちこちに絡み付いていた。ラピュタの最奥部にある部屋に辿り着いたムスカとシータは、宙に浮いた光輝く巨大な飛行石を目にした。

 

すぐ近くに石造の文字盤が建てられており、メモを片手に解読を試みたムスカは、「読める」と興奮する。その異様な様子を訝るシータに対し、ムスカは自らもラピュタ王家の末裔だと告げ、本当の名を名乗った。ここに来て、ムスカの狙いが明らかになる。ムスカは、ラピュタの力を手に入れて世界を支配することを企図していたのだ。

 

その頃、ゴリアテでは騒ぎが起こっていた。本国にラピュタ発見の報を入れられると後々やっかいになるとの考えから、ムスカは特務機関の部下に命じ、ゴリアテの無線機をすべて破壊させていた。それに気づいたモウロ将軍は、ムスカらを反逆者と断定し、兵を集結させて捜索に乗り出す。

 

目撃報告から、ムスカラピュタ下部の黒い半球体にいると踏んだモウロ将軍は、爆薬を仕掛けて突破口を開こうとするも、黒い半球体はびくともしなかった。そのとき、辺り一帯にムスカの声が響き渡る。ムスカは、石板を操作して、モウロ将軍のために入り口を出現させ、内部へ誘う。

 

ためらいつつも、勢いで中に踏み込むモウロ将軍と配下の兵たち。通されたのは、半球体の最下部にあるガラス張りの展望室のような部屋だった。そこへ、ホログラムのムスカとシータが現れる。そのころパズーも、どうにかして半球体の中に入り込もうと奮闘していた。木の根を伝って半球体の外壁沿いに入り口を探していたところ、突じょ最下部に展望台のような部屋が現れ、そこに兵たちが流れ込むとともに、ムスカとシータが姿を現したことに、パズーは驚いた。

 

ムスカは自らをラピュタ王と名乗り、ラピュタの恐るべき科学力をモウロ将軍らに披露する。石板に触れ、文字をなぞると、球体の底部から7基の柱が現れ、そこから巨大な光弾が発射された。直下の海を直撃した光弾は、すさまじい大爆発を引き起こした。その圧倒的な科学力と攻撃力に、モウロ将軍は蒼白となる。

 

再びムスカが石板をなぞると、モウロ将軍らが立つ部屋の床面が開き、モウロ将軍と兵士たちは、数千メートル下(と思われる)海面に放り出された。もちろん、全員死亡である。さて、いったい何人が死んだのか。

 

カウントを試みたところ、海面に落下した兵士は60名程度と思われる。もしかすると、もっと多いかもしれないし少ないかもしれないが、大きな差はないはずだ。明確でなくてもうしわけないが、ここでは60名を死者としてカウントしておく。

 

【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】──滅びの言葉

その後もムスカは、ラピュタの科学力を存分に見せつける。ラピュタ内で眠っていた戦闘用ロボットを再起動し、ゴリアテに総攻撃をかける。ロボットの攻撃力は圧倒的で、またたくまにゴリアテを撃破、ゴリアテは海面に落下する。乗組員は全員死亡だ。

 

公式設定によると、ゴリアテの乗員数は360名らしい。モウロ将軍を含め、先に60名が死亡していることから、ここでは残る300名を死者としてカウントしておきたい。

 

ゴリアテから人が落下していく様を目撃したシータは、これ以上の惨劇を食い止めるため、ムスカから飛行石を奪還し、その場から逃走を図る。飛行石を失ったムスカラピュタをコントロールする力を失う。ムスカは、冷笑を浮かべながらシータを追いかける。

 

その頃、パズーは、ラピュタ下部の黒い半球体の内部に入り込むことに成功していた。ムスカから逃げるシータの耳に、パズーの声が届く。木の隙間の向こう側にパズーの姿を見い出したシータは、手を思いっきり伸ばして木の向こう側にいるパズーに飛行石を渡す。シータは、「海に捨てて」と懇願した。そこへムスカが追いつき、木の隙間からパズー目がけて拳銃を発射。幸いにも、弾丸はゴーグルを破壊しただけで、パズーにケガはなかった。

 

シータは再び駆け出す。ムスカはパズーに「娘の命と引き換えだ。石を大事に持っておけ」と言い放ち、シータを追う。そして、シータを玉座の間に追い詰めた。そこへ、大砲を構えたパズーが到着し、「石は隠した。シータと2人で話をさせろ」とムスカに要求する。ムスカは、「3分間だけだ」と言って、2人から距離を取る。

 

シータのそばに駆け寄ったパズーは、シータの耳元で、ドーラらの縄を切って自由にしたことを伝え、『滅びの言葉』を教えてくれと頼んだ。パズーの手には、「隠した」はずの飛行石が握られていた。ムスカが「3分経った」と伝えると、パズーは大砲を投げ捨てる。訝るムスカが見つめる中で、パズーは飛行石を握った手をシータの手と重ね合わせて前に突き出すと、2人同時に『バルス!』と叫んだ。

 

初見時、『滅びの言葉』がたった一言であることに驚いた記憶がある。万一、寝言などで無意識的に呟いてしまったら、取り返しのつかない大惨事になるのに、と心配になったのだ──。もしかすると、ラピュタを蘇らせた後でないと、『滅びの言葉』は効力を発揮しないのかもしれないなーと、自分で自分を納得させたことを覚えている。

 

【ストーリーの流れ⑩(ネタバレ注意)】──大崩壊

閑話休題

『滅びの言葉』を唱えると、パズーとシータが手にした飛行石から、凄まじい衝撃と青白い閃光が放たれ、パズーとシータは後方の木の根に向かって弾き飛ばされる。閃光を直視してしまったムスカは失明状態に陥り、辺りをフラフラと彷徨う。

 

ラピュタ中枢部で浮いていた巨大飛行石は上昇を始め、半球体内部のコンピュータ回路を自壊させる。ラピュタは中枢部が完全に崩壊し、ムスカが再起動させた戦闘用ロボットも機能を停止。ムスカは、無数の戦闘用ロボットと、ラピュタ半球体の瓦礫とともに落下し、海の藻屑となる

 

ラピュタは科学の粋を集めた中枢部を失うものの、巨木に支えられた上層部の宮殿は健在で、巨大飛行石の力で力強く浮遊していた。しかし半球体を失って重量が軽くなったことで、少しずつ少しずつ上昇していった。

 

その様子を、大混乱の中を脱出に成功し、フラップターに乗って宙を漂っていたドーラ一家が見上げていた。絡まり合った木の根の隙間に巨大飛行石の青い煌めきを確認したドーラは、飛行石を手に入れるべくフラップターで上昇を試みるが、タイガーモス号の全乗組員が乗っていたことによる重量過多で、フラップターは上昇力を得られず、その場に停滞する。

 

一方、吹き飛ばされたパズーとシータの身体は、木の根に支えられており、大崩壊による海面落下(=死)を免れていた。意識を取り戻した2人は木の根を伝い、同じように木の根に捉えられていたグライダーを発見、軽く補修を施し、空に向かって飛び出した。

 

2人を乗せたグライダーは、スピードを上げながらラピュタをどんどん離れていく。上層部の宮殿で、歩行する園丁ロボットの姿を認める2人。二度と目にすることがないであろうラピュタの威容をその目にしっかりと焼き付けておくため、2人は上昇を続けるラピュタをいつまでもいつまでも、そしていつまでも見つめていた。

 

飛行石を諦めきれないドーラたちがなんとかして上昇しようともがいていたところ、上空から下降してくるグライダーを目にする。そこにはパズーとシータが乗っていた。奇跡的な再会に、誰彼構わず大はしゃぎする。

 

ドーラはシータをきつく抱きしめると、シータの顔に硬いものが当たった。それは、脱出のどさくさにまぎれてラピュタから盗んできた宝石だった。胸から取り出した宝石を手に、ドーラは「たったこれだけさ」と豪快に笑う。ドーラの息子たちも、盗んできた宝石を派手に見せびらかす。大声で笑い合うパズーとシータ、そしてドーラ率いる海賊たち。

 

別れのときがやって来た。パズーとシータは、グライダーでドーラのもとから離れて帰途につく。いつしか固い友情で結ばれていたパズーたちとドーラ一家は、別れを惜しんで、お互いにいつまでも手を振り続けるのだった。

 

そして、エンドクレジット。余韻がいつまでもいつまでも残る(初見から数十年が経った今でもまだ残っている)秀逸なエンディングだ。

 

 

この作品の死者数をまとめると以下になる。

見方は、死者──殺人者/死因 である。

 

【確定死者数】

パズーの父──世間の人々/詐欺師扱いされて

パズーの母(遺影で登場)──不明/不明

特務機関員2名──ムスカラピュタ下部の黒い半球体内に取り残される

モウロ将軍──ムスカ/墜落死

ラピュタ下部の半球体に足を踏み入れた兵士60名(推定)──ムスカ/海に墜落死

戦艦ゴリアテ乗組員300名──ムスカ/ロボット兵の攻撃を受け、海に墜落死

ムスカ・パロ・ウル・ラピュタムスカ)──パズーとシータ/黒い構造体に挟まれたか、あるいは、海に墜落死

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【計366名】

 

この記念碑的名作を成立させるために、今日も多くの人が殺された。

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機動戦士ガンダム全43話において、最も多く人を殺したのは誰か検証してみた(死者メーター51)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、機動戦士ガンダム全43話において、最も多く人間を殺害した登場人物がいったい誰なのかを明らかにする。アムロならアムロ、シャアならシャアというふうに、それぞれのキャラクターが殺害した人数をエピソードごとに抽出し、合計してみた。

 

1話目から読みたい人はこちら ↓

www.death-meter.com

 

計算の結果、上位15傑が判明した。

さっそく15位から紹介していこう。 

 

目次

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15位(1名殺害、以下同)

同数で4人がランクインした。殺害人数はそれぞれ1名である。

最初に紹介するのは、オムル・ハングだ。

ガンダムカードビルダー CE-0016 オムル・ハング
 

「え? 誰?」と 思ったかもしれないが、れっきとしたホワイトベースの乗組員である。ホワイトベースではいろいろな仕事を担当させられていたが、モビルスーツの整備が主な役割らしい。

 

劇中では活躍らしい活躍が描かれていないが、彼にとって最大の見せ場が17話に訪れる。このときオムル・ハングは人を殺害している。いったい誰を殺したのか、彼の雄姿は下記から確認してほしい。

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2人目は、ホワイトベースのおふくろさんことミライ・ヤシマである。

ガンダムカードビルダー CE-0008 ミライ・ヤシマ
 

「え? ミライさんって、人を殺してんの?」と驚いた人が少なくないと思うが、第19話で手を下している。といっても、ホワイトベースのエンジンを全開噴射した際に、ザク1機を沈めただけである。拳銃をぶっ放して敵のどてっ腹に穴を開けるなどという物騒なことはもちろんしておらず、「人殺し? なんのこと?」とでも言わんばかりに、何事もなかったかのようにスマートに殺すのがミライ流だ。詳しくは、下記参照のこと。

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3人目は、頼れる男・ブライト・ノアである。あらためて説明するまでもなく、ホワイトベースの艦長だ。

ガンダムカードビルダー CE-0006 ブライト・ノア
 

ホワイトベースのブリッジで指揮を執っている姿しか印象に残っていないが、彼も白兵戦において直接人を殺害している。下記参照のこと。

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4人目は、ジオン軍の少将たるキシリア・ザビだ。

彼女は、第42話で自ら手を下している。殺害した相手は、実兄でありジオン軍の総大将でもあるギレン・ザビだ。ギレンの死によってジオン軍は弱体化し、ジオン公国は降伏を余儀なくされている。その意味では、地球連邦軍勝利の立役者といっても過言ではないかもしれない。彼女の雄姿(ではなく、女性だから雌姿になるのか?)は、下記で確認できる。

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14位(3名)

ククルス・ドアンである。殺害人数は3名だ。

ガンダムカードビルダー CZ-0036 ククルス・ドアン
 

彼は第15話にしか登場しておらず、それもストーリーの本筋とは無関係な、外伝的なエピソードでの登場だったにも関わらず、視聴者に強烈な印象を残している。下記を参照のこと。

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12位(4名)

同数でスレッガー・ロウとイワノフが並んでいる。殺害人数は4名だ。

まずはお馴染みのスレッガー・ロウ。 

ガンダムカードビルダー CE-0009 スレッガー・ロウ
 

言わずもがな、ホワイトベースのクルーであり、凄腕のパイロットでもある。スレッガーは強烈な個性の持ち主で、観るものに強い印象を残すため、もっとたくさんの人を殺しているようなイメージがあるが、実際にはわずか4名であった。彼は、第36話で華々しく戦死を遂げている。下記参照のこと。

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もう一人の「イワノフ」なる人物は、第30話に登場したジオン軍モビルスーツパイロットである。愛機は、アッガイだ。

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イワノフのその第30話においてアムロガンダムと交戦し、いとも簡単に沈められている。下記参照のこと。

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11位(10名)

ホワイトベース乗組員で、ガンタンクのメインパイロットを務めたハヤト・コバヤシである。殺害人数は10名にのぼる。

 

地味なタイプで、華々しい活躍を演じたイメージはないが、ホワイトベースの戦力として、着実に成果を上げていたようである。いかにも「やられ役」って感じの雰囲気だったが、最後まで生き残った。見事というほかない。

ガンダムカードビルダー CE-0005 ハヤト・コバヤシ
 

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10位(22名)

リュウ・ホセイである。殺害人数は22名にのぼる。

ガンダムカードビルダー CE-0004 リュウ・ホセイ
 

リュウは、アムロら少年兵の「教育係」の印象が強いため、正直、戦闘でこれほどの戦果を上げているとは予想していなかった。考えてみれば、ホワイトベースのクルーの中では、唯一、正規のパイロット訓練を受けていた人物なのだから、当然といえば当然か。

そんなリュウも、第21話で物語から強制的に退場させられている(第30話で、名前だけ出るけどね)。下記参照のこと。

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 9位(27名)

ホワイトベースきってのいい女、セイラ・マスが9位にランクイン、殺害人数は27人に及ぶ。劇中ではさまざまな場面で活躍を見せていたし、故ジオン・ダイクンの娘(=シャアの妹)という出自の華やかさもあって(しかも凄腕のパイロットでもある)、相当に目立っていただけに、もっと戦果をあげているのかと思いきや、そうでもなかった。

 

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8位(217名)

カイ・シデンである。殺害人数は217名だ。

なんとなんと、物語の冒頭でセイラ・マスから「軟弱者!」と罵倒されたカイ・シデンが、セイラ・マスを圧倒する成績を残していた。殺害人数は3桁に達し、セイラに大差をつけている。物語を通じて軟弱者を脱し、立派な戦士に成長したようだ。

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7位(301名)

マゼランの艦長を務めていた、地球連邦軍ワッケイン司令である。殺害人数は、301名だ。といっても、彼が自ら殺人に手を染めたわけではない。彼は士官、すなわち部下に命令を下す立場の人間であるため、部下への命令を通じて人を殺している。

 

直接手を下しているわけではないが、このブログでは、命令者の命令により人が死んだことが明白に描写されている場合は、その命令者が人を殺したことにするというスタンスを取っている。どうしたって指揮官は殺害人数は増えがちになる。登場回数が少ないにもかかわらず、彼が7位にランクインしている理由はそのためである。

 

機動戦士ガンダムのすごいところは、アムロやカイなど主役級の登場人物だけでなく、ワッケイン司令のような脇役の成長もさりげなく描かれているところだ。彼は最初はルール一点張りの官僚的な人物だったが、経験を積んでいく過程で、臨機応変な対応を身につけ、ブライトら配下のよき理解者となっていった。

 

そんな彼も、第38話で戦死を遂げている。下記参照のこと。

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6位( 903名)

地球連邦軍ティアンム中将である。殺害人数は903名だ。

言わずもがな、地球連邦軍の幹部である。7位のワッケイン司令と同様、指揮官であることから、殺害人数が膨れ上がった。

ガンダムカードビルダー CE-0026 ティアンム

ガンダムカードビルダー CE-0026 ティアンム

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ティアンム中将は、ジオン軍の宇宙要塞「ソロモン」に対して使用した要塞兵器『ソーラー・システム』によって、多くのジオン兵を殺害している。劇中で2度にわたって使用されたソーラー・システムの初出は第35話である。以下を参照のこと。

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5位(1312名)

機動戦士ガンダムの主人公のひとりであり、アムロの永遠のライバルでもあるシャア・アズナブルである。殺害人数は1312名に及ぶ。

 

彼についてはもはや説明は要るまい。ジオン軍が誇る天才パイロットであり、そして優れた指揮官でもある。当然、殺害人数は膨れ上がる。しかし登場回数では(主人公の)アムロに劣るため、実績ではアムロの後塵を拝することになった。

 

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4位(1493名)

物語の主人公であるアムロ・レイが4位にランクイン。殺害人数は1493名と、ライバルのシャア・アズナブルを上回った。

 

1話目から最終話まで出ずっぱりなうえ、初めて操縦したモビルスーツを乗りこなして敵モビルスーツを撃破するという離れ業を演じ、途中でニュータイプとしてすさまじい覚醒を見せるなど八面六臂の活躍を見せたこともあり、劇中では最も多くの人を殺害した印象があるが、実際には違った。

 

アムロが操るガンダム大量破壊兵器ではなく、あくまで近接戦闘目的のモビルスーツであるため、戦果には自ずと限界が出てくるので、それもやむなしか。

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3位(1517名)

ジオン軍ドズル・ザビ中将である。殺害人数は1517名におよぶ。

機動戦士ガンダムきっての強烈な個性の持ち主で、死に際も派手であった。彼は、すべての死者を巨大モビルアーマービグ・ザム」で屠っている。戦艦をも一撃で仕留めることが可能な超強力メガ粒子砲で何隻もの戦艦を沈めたことから、殺害人数が膨れ上がった。

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ドズル・ザビが多くの戦艦を沈め、自らも戦死を遂げたのは第36話である。以下を参照のこと。

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2位(1704名)

ニュータイプの少女で、ジオン軍少尉のララァ・スンである。殺害人数は、1704名に達する。

彼女は物語後半のほんの数話しか登場していないが、その強烈な存在感で、視聴者だけでなく、アムロやシャアをも魅了している。

 

愛機エルメスサイコミュ攻撃で、何隻もの地球連邦軍戦艦を(遠距離から)仕留めていることから、アムロやシャアを上回る人数を殺害した。その様は人間大量破壊兵器とでもいおうか、とにかく鬼気迫るものがあった。

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1位──?

そして注目の1位は・・・

ジオン軍総大将のギレン・ザビである。殺害人数は、なんと2万2605名だ。

絵に描いたような(というか、絵として描かれているからこの表現おかしいな)悪役面の持ち主で、視聴者のみならず、作中の登場人物(身内も含め)すべてに不快感を与えるキャラクターである。

 

彼が5桁におよぶ人間を殺害できたのは、「ソーラ・レイ」と呼ばれる直径数キロに達する超巨大コロニーレーザーの賜物である。ソーラ・レイの照射命令を下したにより、地球連邦軍の主力艦隊の大半を撃滅したうえ、自身の父親であるデギン公まで(意図的に)殺害することに成功し、ジオン公国の権力のすべてを手中に収めた。

 

そのギレンが2万名以上の人々を虐殺し、自身も身内に殺される様子が第42話に描かれている。下記参照のこと。

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以上、機動戦士ガンダムにおける殺人者15傑でした。 

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機動戦士ガンダム全43話の総死者数をカウントしてみた(死者メーター50)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は、機動戦士ガンダム全43話において、トータルでいったい何人の人間が死んだのか、総死者数をカウントしてみた。

 

1話目から読みたい人はこちら ↓

死者メーター1:機動戦士ガンダム第1話『ガンダム、大地に立つ』 - 死者メーター

 

さて、1話目からの死者数を順に列記していくと、以下のようになる。

 

第1話「ガンダム、大地に立つ!」────────32名

第2話「ガンダム破壊命令」────────────3名

第3話「敵の補給艦を叩け!」──────────4名

第4話「ルナツー脱出作戦」────────────7名

第5話「大気圏突入」────────────────3名

第6話「ガルマ出撃す」───────────────21名

第7話「コアファイター脱出せよ」────────5名

第8話「戦場は荒野」────────────────24名

第9話「翔べ! ガンダム─────────────8名

第10話「ガルマ散る」────────────────41名

第11話「イセリナ、恋のあと」──────────105名

第12話「ジオンの脅威」───────────────なし

第13話「再会、母よ」────────────────13名

第14話「時間よ、止まれ」─────────────3名

第15話「ククルス・ドアンの島」─────────4名

第16話「セイラ出撃」────────────────2名

第17話「アムロ脱走」────────────────3名

第18話「灼熱のアッザム・リーダー」───────15名

第19話「ランバ・ラル特攻!」───────────1名

第20話「死闘! ホワイトベース────────14名

第21話「激闘は憎しみ深く」─────────────18名

第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」─────────15名

第23話「マチルダ救出作戦」────────────16名

第24話「迫撃! トリプル・ドム」─────────7名

第25話「オデッサの激戦」──────────────42名

第26話「復活のシャア」────────────────11名

第27話「女スパイ潜入!」───────────────15名

第28話「大西洋、血に染めて」───────────1622名

第29話「ジャブローに散る!」───────────18名

第30話「小さな防衛線」────────────────11名

第31話「ザンジバル、追撃!」─────────────2名

第32話「強行突破作戦」─────────────────606名

第33話「コンスコン強襲」──────────────213名

第34話「宿命の出会い」───────────────509名

第35話「ソロモン攻略戦」──────────────1714名

第36話「恐怖!機動ビグ・ザム─────────2331名

第37話「テキサスの攻防」────────────208名

第38話「再会、シャアとセイラ」─────────1304名

第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」────906名 

第40話「エルメスララァ───────1501名

第41話「光る宇宙」────────────────1607名

第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー──────2万9739

第43話「脱出」─────────────────318名

 

第1話から第43話までの死者数を合計すると、、、

4万3041名!!!!

 となる。

 

この総数を43(話)で割り、1話あたりの平均死者数を算出すると、1000.1名だ。つまり機動戦士ガンダムでは毎話、1000名が殺害されてきたことになる。

 

見ればわかるように、

死者が急激に増え始めたのは、第32話「強行突破作戦」からだ。32話~43話の死者数は計4万956名にのぼり、この12話分の死者数だけで全死者数の95%を占めている。

 

6話目以降、しばらくは地球上でストーリーが展開されていたが、第31話から話の舞台が宇宙へ移ったことが死者数増大の要因のひとつになっているようだ。もちろん、最終盤に入って総力戦の様相を呈してきたことが最大の要因ではあるけどね(将棋を見てもわかるが、戦争ってのはそういうもんだ。序盤は犠牲者がほぼ出ない)。

 

そもそも宇宙は生命が存在しない世界で、しかも信じ難いほどに広大だ。宇宙を相手にすると、人間の命はあまりにもちっぽけな存在となる。生命の存在感が希薄化したことが影響して命が軽々しく扱われるようになり、以降の死者数の急拡大をもたらしたと考えられる。

 

機動戦士ガンダム全43話では、4万3041名もの人々が殺された。

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機動戦士ガンダム第43話「脱出」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター49)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士ガンダム第43話:脱出』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

第1話はこちら ↓

死者メーター1:機動戦士ガンダム第1話『ガンダム、大地に立つ』 - 死者メーター

 

目次                                           

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【あらすじ】

ジオン軍の最終防衛拠点ア・バオア・クーでは、アムロガンダム)とシャア(ジオング)が、地球連邦軍ジオン軍が、決着をつけるために死に物狂いで戦っていた。お互いに傷つき、戦いの場をア・バオア・クーに、戦いの手段を肉体に移したアムロとシャア。アムロは問いかける。なぜララァを戦いに巻き込んだのかと──。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

最終話となる第43話は、ガンダムアムロ)とジオング(シャア)の戦いで幕を開ける。ニュータイプ能力で上回るアムロが、戦いを優勢に進めていく。

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ア・バオア・クーでも、敵味方入り乱れての大激戦が展開されていた。ここで、セイラが駆るGファイターがガトル戦闘爆撃機1機を撃墜する。カイのガンキャノン、ハヤトのガンタンクア・バオア・クーに取りつき、カイがビームキャノンを連射して突破口を開くが、一番乗りをジムやボールに奪われてしまい、悔しさでカイは歯ぎしりする。しかし、先行してカイの一番乗りを横取りしたかっこうとなったジム2機、ボール1機は即座に返り討ちに遭ってしまう

 

ア・バオア・クー攻防戦にまるで関心がないかのように、ガンダムジオングは一騎打ちを続けていた。アムロは「なぜララァを戦いに巻き込んだのだ」とシャアを責め、ジオングを追い詰めてく。双方とも被弾し、ジオンは両腕(メガ粒子砲)を失い、ガンダムもシールドごと左腕を吹き飛ばされた。勝ち目がないと悟ったジオングは逃走を図り、ガンダムがそれを追う。

 

ア・バオア・クーへは、ジムやボールなどのモビルスーツだけでなく戦艦も取りつくようになり、ノーマルスーツを着用した連邦軍兵士らがア・バオア・クー内部に踏み入れる。その背後で、ジム1機が流れ弾に当たって破壊された

 

ア・バオア・クーに肉薄したホワイトベースの左エンジンを、ア・バオア・クーから放たれたメガ粒子砲と思われるビームが貫き、ブライトはエンジンの急速閉鎖と切り離しを指示、コントロール不能となったホワイトベースは、ア・バオア・クー内に不時着した。ブライトは、クルーに対し白兵戦への備えを命じた。

 

身動きが取れなくなったホワイトベースの右エンジンに対し、リックドムが至近距離からバズーカを命中させる。これにより、ホワイトベースは航行不能となった。ホワイトベースの窮地を見かねたカイとハヤトが駆け付け、援護に回る。

 

一方、逃げられないと観念したのか、シャアは再びガンダムを攻撃。しかしアムロは攻撃をすべてかわし、シャアの視界から消える。ガンダムを見失ったシャアは焦り、周囲に目を凝らしたその瞬間、真正面にガンダムが現れ、ビームライフルで胴体の中央部を貫かれる。アムロは、その位置にコクピットがあると予想していたものの、命中させた瞬間、鋭い洞察力でコクピットが別の場所にあることを悟った。

 

実際、ジオングコクピットは頭部にあり、シャアは頭部を胴体から切り離してその場から脱出。ジオングの胴体は大破。しかし頭部だけになったジオングの攻撃で、ガンダムは頭部を吹き飛ばされる。ボディを失い識別信号の発信が不可能になったジオングは、ア・バオア・クーの指令室から「撃墜された」と認識され、キシリアは激しく失望する。

 

戦況の悪化を受け、キシリアは、トワニング准将に命じて、ひそかに脱出の手はずを整えさせていた。トワニングに対し、「私の脱出後、降伏しろ」と命じる。トワニングは「脱出するには、時すでに遅い」と難色を示すが、キシリアは「私が生き残らなければ、ジオンが終わってしまう。何としても生き延びねば」と、トワニングを強引に説き伏せる。

 

「船長は船と運命をともにするものだ」という典型的な武人気質を持っていた弟のドズル・ザビとは対照的に、キシリアはわが身が可愛いようだ。「ジオンの血が絶える」云々の正当化をしているが、ミネバ・ザビが生き残っている以上、主張に説得力がない。こんなことを言うと世の女性たちから猛反発を受けそうだが、確かに女性には、キシリアのような「自分さえ安泰なら、他はどうなってもいい」と考えるタイプの人が多い気がする。もちろん、男性にもいるけどね。

 

さて、不時着を余儀なくされたホワイトベースは、奮戦を続けていた。怒涛のように押し寄せる敵に対し、総員で対処にあたり、機銃でリックドム1機を撃墜する。ブライトも機銃を手にして、白兵戦に臨む。

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頭部と左腕を失ったガンダム、頭部のみになったジオングは、戦いの場をア・バオア・クー内に移していた。ジオングを追って、ア・バオア・クーの奥深くに向かって歩き出すガンダム。その先で、ジオングが待ち構えていることを予想したアムロは、ガンダムを自動操縦に切り替え、自らはコクピットから離脱し身を潜める。

 

実際、ジオングは罠を張っていた。自動操縦のガンダムが通路から出て、姿を露わにした瞬間、上方で待ち構えていたジオングガンダム目がけてメガ粒子砲で砲撃、(なぜそんなことができるのかわからないが)ガンダムも仁王立ち状態でビームライフルを上方に向けて撃つ。ガンダムは右半分を溶かされてその場に倒れこみ、(事実上)沈む。ジオングも被弾するが、撃破には至らなかった。

 

アムロは、ジオングが放ったメガ粒子砲の爆風で、上方に吹き飛ばされる。通路に降り立ったアムロは、「今の自分なら、ザビ家のボスが誰だかわかる。倒せるかも」とつぶやくと、(いつジオング頭部から抜け出したのか不明だが)シャアが背後から、「お前のその力は、もしかするとララァが与えてくれたのかもしれないぞ」と声をかける。振り向き、銃を向けるアムロ

 

しばし、アムロとシャアのニュータイプ問答が繰り広げられる。ここの問答は大変面白いので、一見の価値あり。お互いに譲れない2人は、銃による肉弾戦を繰り広げる。アムロが先制し、手傷を負ったシャアは、その場から逃走を図る。

 

ホワイトベースの乗組員らは、死に物狂いの戦いを続けていた。ハヤトのガンタンクは、ザク1機を撃滅。しかしガンタンクも被弾して激しく損傷、ハヤトはコクピットを脱出した。事実上、ガンタンクは討ち取られたことになる。

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ガンタンクの戦線離脱により、カイのガンキャノンがただ1機で、ホワイトベースを援護することになる。ガンキャノンは迫るリックドム1機を仕留めるものの、反撃に遭って右足を吹き飛ばされ、その場にへたり込む。そこへたまたま真正面からザク1機が現れ、カイはキャノン砲を放ってこれを撃滅する。すべての弾を撃ち尽くしたのか、カイはライフルを手にして、ガンキャノンを離脱する。

ホワイトベースのそばへ、傷ついたセイラのGファイターが不時着。セイラもコクピットから抜け出す。最終回となり、ストーリー上不要となったガンダムガンキャノンガンタンクGファイターはすべて離脱したことになる、というか、離脱させられた(厳密にいえば、ガンダムはこの後も少しだけ活躍する)。

 

仲間を気遣い、ホワイトベースへ向かうセイラ。ホワイトベースは、集中砲火を浴びていた。ニュータイプ能力が開花したのか、セイラは近くにシャアの存在を感じ取り、方向転換して、シャアがいると思しき場所を目指す。このとき通路内に、死んだ(と思われる)ジオン兵2名がプカプカ浮いている。死者としてカウントしておこう。

 

何かに導かれるようにア・バオア・クー内を進むセイラ。アムロとシャアが肉弾戦を繰り広げている部屋の近くに差し掛かったとき、前方で爆発が起こり、ジオン兵1名が吹き飛ばされるキシリアは脱出用のザンジバルに乗り込み、「他の兵に気づかれるなよ」と部下に釘を刺す。

 

肖像画が掛けられた客室と思われる部屋に近づいたセイラは、剣撃と男2人が言い争う声を耳にする。そこでは、アムロとシャアがフェンシング剣で斬り合っていた。無重力環境にも関わらず、2人は身体を自在に動かしており、そんなことが可能なのかよと疑問に思ってしまったが、大目に見ることにしよう。ついでにいうと、着用したジェットパックを使って室内をそれこそ上下左右のあちこちの方向へ自在に飛び回っているのだが、そんなことできるのだろうか。

 

セイラは「戦争だからって、2人が戦う必要はない」と止めに入るが、アムロとシャアは聞こえないのか、戦いを続ける。アムロのフェンシング剣がヘルメット越しにシャアの額に傷をつけ、シャアのフェンシング剣はアムロの右腕を貫いた。もつれ合った2人は、思念を交錯させ、お互いの脳裏にララァのイメージが浮かぶ。

 

再び言い争いを始めた2人をセイラが止めに入ろうとした瞬間、セイラの背後で爆発が起こり、3人は吹き飛ばされる。傷ついてグッタリするアムロを殺害するため近づいたシャアを、セイラが静止。シャアは「この男は危険すぎる。助かりたいなら、同志になれ」といった趣旨のことをセイラに言う。このときのやり取りで、シャアの目的が「人類をニュータイプへの進化させること」にあり、ザビ家打倒は「ついでのことに過ぎない」ことが明らかとなる。

 

近傍でまた爆発が起こり、アムロは室外へ飛ばされ、燃え盛る炎の方向に飛ばされたセイラを、シャアがすんでのところで救出する。シャアとセイラ兄妹から離れたアムロは、貫かれた右腕の患部を救急セットで応急処置した。

 

どこへ向かっていたのかしらないが、シャアとセイラは、瀕死の重傷を負って通路に横たわっていたジオン将兵のそばへ駆け寄る。その将兵は、キシリア脱出の手はずを整えた直後、何らかの理由で重症を負った模様。将兵は「キシリア様を頼む」と声を絞り出し、息絶えた将兵の弁で、シャアはキシリアが脱出を目論んでいたことを知る。

 

将兵を看取ったシャアは、セイラに「脱出しろ」と伝えると、漂っていたバズーカを手にし、「ザビ家の人間は許せない」とキシリア暗殺に向かう。今まさに出航(脱出)しようとしていたザンジバルのドックに到着したシャアは、ブリッジのガラス越しにキシリアの姿を確認。軽く敬礼した後、至近距離からバズーカを構え、キシリアに照準を合わせた。キシリアはすべてを察し、息をのんだ直後にバズーカで頭部を吹き飛ばされる

ガンダムカードビルダー CZ-0005 キシリア・ザビ
 

主(キシリア)の死を知る由もないザンジバルア・バオア・クーからの脱出を試みるが、四方から集中砲火を浴びて沈んだザンジバルは大爆発、シャアの生死は不明である。

 

指揮官(キシリア)を失ったア・バオア・クージオン軍)は、事実上、陥落(敗北)した。ザンジバル大爆発の余波がア・バオア・クー内に広がり、アムロとセイラの脱出を困難にする。アムロの右手で爆発が起こり、ジオン兵1名が吹き飛ばされてアムロの身体に激突した。

 

吹き飛ばされたアムロア・バオア・クーの深部へ追いやられ、「ここまでか」と観念する。ところが前方に、放棄したガンダムの姿を発見し、(ガンダムを構成するパーツのひとつである)コアファイターによる脱出に一縷の望みを託す。助かる可能性を見い出したアムロは、ホワイトベースの仲間たちの身を案じる心の余裕を取り戻した。

 

ララァの思念と交感したアムロの脳裏に、必死で戦う仲間たちの姿が浮かぶ。ブライトやミライ、フラウ・ボゥらの戦う光景の後、カイがジオン兵1名を射殺している姿を透視した。絶望的な状況に置かれた仲間たちを助けるべく、アムロは思念を使って語りかけ、各人の脱出を誘導する。

 

アムロの指示どおりに動き始めたセイラは、途中で遭遇したジオン兵1名を射殺。ブライトは、アムロから乗組員全員に対し「退艦命令」を出すよう促され、ミライは、脱出用スペースランチの準備を提案される。

 

フラウ・ボゥとカツ、レツ、キッカに対し、「銃撃が止んだら、スペースランチへ向かえ」と伝え、指示どおりにフラウ・ボゥが走り出したとき、通路内に横たわる連邦軍兵士の姿が描写されている。死者としてカウントしておこう。この後、この物語において、死者は発生しない。つまり、機動戦士ガンダム43話における最後の死者が、この名もなき連邦軍兵士なのだ。謹んで、哀悼の意をささげたい

 

アムロが誘導したとおりの道順で通路を進んでいたセイラは、前方にホワイトベースの姿を確認。その直後、近傍で爆発が起こり、セイラの身体は虚空に向かって飛ばされるが、ホワイトベースの仲間が乗り込んでいたスペースランチに回収され、難を逃れる。

ガンダムカードビルダー ME-0074 スペース・ランチ
 

 

セイラの救出を確認したブライトは、スペースランチ2艇の発進(すなわち脱出)を命じた。その直後、サイド7以来、幾多の困難をともにしてきたホワイトベースは沈み、乗組員は絶句。ブライトは、大爆発するホワイトベースに向かって敬礼した。ブライトは、脱出を呼び掛けてくれたアムロに礼を言った。

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当のアムロは脱出できておらず、スペースランチに乗っていなかった。その事実を知ったセイラは、ショックでへたり込む。ブライトは、「セイラは我々よりもニュータイプの素養を持っているはず。力を使って、アムロを探してくれ」と懇願するが、セイラにはアムロの姿が見えない(居場所がわからない)。セイラは「人間がそんな簡単に便利になれるはずがない」と絶望する。

 

ところが、アムロの存在(位置)を正確に知覚している人物がいた。これまで「脇役」として物語を盛り上げてくれたかつ、レツ、キッカの3人である。ニュータイプ能力に目覚めたカツ、レツ、キッカは迷子状態に陥っていたアムロを誘導、3人の思念による案内にしたがってコアファイターを飛ばしたアムロは、間一髪のところでア・バオア・クーの脱出に成功した。アムロ生存を確認したホワイトベースのクルーたちは、歓声を上げる。

 

虚空を漂うコアファイターから、スペースランチとそこに乗り組む仲間たちの姿を確認したアムロは、「還る場所がある。これほど素晴らしいことはない」と涙を流し、ララァに別れを告げた後、コアファイターの操縦席から、仲間が待つスペースランチに向かって、その身を投げ出した──。

 

というところで、第43話が終了。

いやー、面白かった。さすが名作アニメと謳われるだけのことはある。制作されたのは40年以上も前だけど、いま見ても全く色褪せていないね。

 

ストーリーの解析や背景分析はその他大勢に任せておいて、個人的には、1話1話の内容が濃密なことに感心した。正味20分くらいの各エピソードに、よくぞまあ、あれだけの内容を盛り込めたものだ。作者の「省略」能力の高さに、驚かされた。

次は、Zガンダムの死者数カウントに挑みます!

 

さて、最終話の死者は以下だ。

見方は、死者──殺害者/殺害方法 である。

 

【確定死者数】

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──セイラ・マスGファイターのビーム

ジム搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの反撃

ジム搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの反撃

ボール搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの反撃

ジム搭乗員1名──不明/流れ弾

リックドム搭乗員1名──不明/ホワイトベースの機銃

ザク搭乗員1名──ハヤト・コバヤシガンタンクのミサイル

リックドム搭乗員1名──カイ・シデンガンキャノンビームライフル

ザク搭乗員1名──カイ・シデン/へたり込んだガンキャノンのキャノン砲

ア・バオア・クー内にプカプカ浮かぶジオン軍兵士2名──不明/不明

アムロvsシャアの肉弾戦が行われている部屋近くの通路でジオン軍兵士1名──不明/爆風で吹き飛ばされる

ジオン軍将兵──不明/不明

キシリア・ザビ──シャア・アズナブル/バズーカ砲で頭部を吹き飛ばされる

ザンジバル乗員300名──不明/連邦軍からの集中砲火

ジオン軍兵士1名──なし/爆発で吹き飛ばされ、アムロに激突

ジオン軍兵士1名──カイ・シデン/射殺

ジオン軍兵士1名──セイラ・マス/脱出時に射殺

通路内に横たわる連邦軍兵士1名──不明/不明

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

【計318名】

 

この物語を成立させるために、今日も多くの人が殺された。 

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機動戦士ガンダム第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター48)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士ガンダム第42話:宇宙要塞ア・バオア・クー』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

第1話はこちら ↓

死者メーター1:機動戦士ガンダム第1話『ガンダム、大地に立つ』 - 死者メーター

 

目次

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

【あらすじ】

超大型コロニーレーザーのソーラ・レイが火を噴き、地球連邦軍は主力艦隊の大部分を失ってしまう。大打撃を被ったものの、ホワイトベースを中心にまとまった連邦軍の残存戦力は当初の予定どおり、ジオン軍の最終防衛拠点である宇宙要塞ア・バオア・クーに攻め入る。雌雄を決する最終決戦の火ぶたがついに切って落とされた──。

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【ストーリーの流れ前半部(ネタバレ注意)】

この回では、とにかく人が死にまくる。ひたすら死にまくる。全編を死が覆っている。

 

「ゲルドルバ照準」で発射されたソーラ・レイが、地球連邦軍レビル将軍率いる主力艦隊を直撃した。最初の描写で、レビル将軍が座乗するマゼラン、ジオンのデギン公王が座乗するグレート・デギン、そして(おそらく)サラミス2隻が沈む

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画面が切り替わった次の描写で、36隻もの戦艦がソーラ・レイの光の帯に包まれて消滅する。これらの戦艦は、すべてサラミスと仮定しておく。つまり死者は7200だ。さらに、ジム1機、ボール1機、兵士1人が吹き飛ばされる描写が続く。

 

続けて、(推定で)65隻のサラミスが光の帯に飲み込まれる。死者は合わせて1万3000だ。もしかすると70隻くらい沈んでいるかもしれないが、もはやどうでもいい。次にサラミスが光の帯の圧力により折れ曲がって大破する。さらに、(おそらく)計7隻のサラミスが溶けていく。ソーラ・レイの強烈な閃光は、離れたところを航行していたホワイトベースからも観測された。

 

ソーラ・レイ使用の急報は、ア・バオア・クーに向かって航行中のキシリアのもとにももたらされた。グワジンのオペレータは、デギン公王が座乗するグレート・デギンの識別信号がゲルドルバで確認されていた旨をキシリアに伝え、キシリアは「なぜグレート・デギンがそこに?」と訝る。

 

一方、ソーラ・レイの直撃を受け、レビル将軍座乗艦をはじめ主だった艦を失った連邦軍は、無傷だったホワイトベースを起点に再集結を試みていた。このとき、半分に欠けたものの自力航行しているサラミスの姿が映っている。定員200名の半分、100名を死者としてカウントしたい。

 

集結した連邦軍艦隊は、激しく傷つき戦力大幅減の憂き目を見ながらも、当初の予定どり、ジオン軍の宇宙要塞ア・バオア・クーへ攻めかかった。アムロ以下、ホワイトベースパイロットたちも順次出撃する。

そしていよいよ、地球連邦軍ジオン軍の最終決戦が始まった。最終決戦に相応しく、双方、ありったけの物量を投入して戦いに臨んでいる様子が描写されている。

 

最初に、ジオン軍のガトル戦闘爆撃機が撃墜されている。さらに、ア・バオア・クーからの砲撃により、連邦軍のミサイル突撃艇3機が殲滅させられている。追加で、連邦軍のミサイル突撃艇2機が撃墜される。

 

ギレン・ザビが指揮を執るア・バオア・クーに、キシリアが座乗するグワジンが到着した。キシリアは、シャアを伴ってすぐにグワジンを下船する。ギレンがいる指令室へ向かう途中、キシリアはシャアに、新型モビルアーマージオング」の存在を告げ、そのジオングで出撃せよと命令する。キシリアによると、ジオングは80%しか完成していないという。

 

再び宙域での戦闘が描写される。ジオン軍のガトル戦闘爆撃機が1機撃墜され、追加で、ガトル戦闘爆撃機がジムのスプレーガンで屠られるア・バオア・クーの宙域は地球連邦軍およびジオン軍の艦艇が繰り出す弾幕で充満しており、集中砲火を浴びて、マゼラン1隻が沈んだ

 

キシリアは、ギレンが指揮を執っている指令室に到着。ギレン打倒を目論んでいるキシリアは、父デギンが座乗していたグレート・デギンが沈んだことを知っていながら、あえてギレンに「父の船はどこに配置されているのか」とギレンに質す。ここで初めてギレンは「沈んだ(父デギンは死んだ)」と打ち明ける。ギレンが故意にグレート・デギンを沈めたことを確認したキシリアは、目の奥に殺意を湛えた。

 

戦場では、戦いが続く。ジオン軍は、空母ドロスを前面に押し立てて連邦軍を迎え撃つ。ドロスから、大量のモビルスーツが発進。連邦軍のボールとジオン軍リックドムが正面衝突し、2機が宇宙の闇に消えた。また、ジム、リックドム、ボール、ザクの順で、撃墜が描写される。

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さらに、ザクがボールを蹴り上げると、吹っ飛んだボールがジムに激突して両機が大破。次に、ガトル戦闘爆撃機が2機、サラミス1隻が沈む。話もここまで至ると、特にストーリー上で何かを起こすことが難しくなるのか、死の描写が続く。ギレンの作成が功を奏し、サラミス1隻、ボール1機、マゼラン1隻、サラミス2隻が次々に沈み、連邦軍の戦力はしだいにすり減っていく。」

 

──ここでようやく前半部が終了。ここまでの死者を合計すると、なんと2万4024名である。前半部だけで、これまでの最多記録を更新してしまった。最終決戦に相応しい大激戦である。

 

【ストーリーの流れ後半部(ネタバレ注意)】

さて、話に戻ろう。

 

新型モビルアーマージオング」に案内されたシャアは、ジオングに足が装着されていないことに気づいた。工兵に尋ねると、「性能は100%出せる。足なんて、ただの飾り。偉い人にはそれがわからない」と、愚痴っぽい答えが返ってきた。シャアは、ジオングに乗り込む。

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再び宙域の描写である。サラミスグワジンが正面衝突して、2隻が沈む。さらに、サラミス、ムサイ、サラミス、ボール1機が宇宙の塵となる。作中のギレンの弁から察するに、ここまではジオン軍が戦いを優勢に進めているようだ。

 

ジオン軍の巨大空母ドロスに接近したサラミス2隻が、相次いで沈む。ドロスの奮戦に、まるで我が子の活躍に目を細める親のような表情を見せるギレン。ギレンが新たな指示を出そうとしたその瞬間、指令室内にいたキシリアが叫び、新たな敵艦隊の出現を伝える。

 

キシリアは、シャアのジオングに第34モビルスーツ隊を率いさせ、ジオン軍が「Sフィールド」と名付けたア・バオア・クーのエリアに向かわせた。連邦軍の戦力が残り少ないことを見て取り、勝利を半ば確信したキシリアは、打倒ギレンの陰謀を果たすべく、行動を起こす決心をする。キシリアは、銃を手にかけた。

 

ジオングは、かつてガンダムに撃破されたモビルアーマーブラウ・ブロ」のように、一部にサイコミュを取り入れたオールレンジ攻撃システムを備えていた。出撃したシャアは、自らに、ジオングを使いこなせるだけのニュータイプの能力があるのか不安を覚える。

 

 

キシリアが伝えた「新たな敵艦隊」とは、ホワイトベースを中心にまとまった艦隊だった。最初の攻防で、サラミス1隻が沈められる。次に、ジオングのメガ粒子砲が火を噴き、マゼラン1隻が沈む。その残骸が衝突するかたちで、サラミス1隻が破壊される。攻撃の戦果にほくそ笑むシャアだったが、ガンダムの姿が見えないことに、一抹の不安を覚えていた。

 

そこへガンダムが登場、ジオングと戦いを繰り広げる。ジオングのオールレンジ攻撃をことごとくかわしたアムロだったが、目前の敵が強敵であり、シャア以上のニュータイプだと推察した。しかしアムロは、「いま倒すべきはシャアではない」とジオングに背を向け、ア・バオア・クーへ向かう。

 

ア・バオア・クーの指令室では、ギレンが、友軍の戦いぶりに目を細めていた。その背後に、銃を手にしたキシリアが忍び寄っていた。「父殺し」という、ギレンを片付ける絶好の口実を手にしたキシリアは、銃でギレンの頭を撃ち抜く。ギレン・ザビ死す。ギレンの亡骸が指令室内を漂い、将兵らに動揺が走るが、「死体を片付けろ。私が指揮を執る」というキシリアの一喝で、指令室は再び冷静さを取り戻す。

 

ギレンの死に呼応するかのように、それまで連邦軍の攻撃を受け止めていた空母ドロスが沈む。ドロスの乗員数は不明だが、全長がムサイの2倍、全幅が同3,5倍あることから、2+3,5、すなわちムサイの5,5倍の乗員数としたい。1100名ということになる。

 

この後、ア・バオア・クーの指揮を執り始めたキシリアがSフィールドの様子を尋ねると、オペレータが「25隻中、10隻を沈めた」と返答している。シャアらが沈めた3隻以外に、7隻(おそらくサラミス)が沈んだことが確定したため、死者としてカウントしておこう。

 

報告を聞いたキシリアは、シャアのジオングを前面に押し立てる指示を下す。その直後、ア・バオア・クーサラミス1隻が激突して、塵と消えたキシリアの指揮官としての能力はギレンに劣るようで、徐々にア・バオア・クーは旗色が悪くなっていく。アムロとともに出撃していたカイ、ハヤトも奮戦、カイはザク2機、ハヤトはリックドム2機を撃滅する。さらに、セイラが新型のゲルググ1機を仕留めている

ホワイトベースでは、ブライトとミライが情勢について見解を述べ合う。2人ともア・バオア・クーの防御力が一時的に弱体化したことを感じ取っており、ジオン軍内で何かしら不協和音が広がっている旨を推測した。

 

この後、ピンチに陥ったセイラをアムロが援護、リックドムとザクを撃ち落とした。さらにアムロは、左手に持たせたガンダムのバズーカを連射して、ムサイ1隻を沈める(ちなみに、右手にはビームライフルを持っている)。ジオン軍の反撃により、ジム1機が撃墜された。

 

その頃、ガンダムを見失って焦るシャアのジオングが、周辺宙域を飛行していた。ア・バオア・クーに取りつこうとしていたジム1機が、流れ弾で撃滅リックドム1機も流れ弾により破壊された。

 

この後、無数のジムとボールがア・バオア・クーの「Nフィールド」と呼ばれる領域に取りつくが、ボール1機が迎撃にあって撃ち落とされている。Nフィールドに敵モビルスーツ隊が取りついたという報告を受けたキシリアは気がかりな表情を浮かべ、Sフィールドおよびジオングの動向について尋ねる。オペレータは、ガンダムが血路を開きつつある、と伝え、ジオングは敵に阻まれ、なかなかガンダムに近づけない旨を報告する。それを聞いたキシリアは、ジオングの操作に不慣れなシャアに同情と理解を示す。

 

報告のとおり、ガンダムが血路を開いたことによって、Sフィールドにもモビルスーツ隊が取りついた。一息ついたアムロだったが、ジオングが接近していることに気づいた。そしてアムロは、ジオングがこちら(ガンダム)の存在を見い出したことを覚る。

 

一方、ガンダムを見失った焦りがそうさせたのか、シャアのニュータイプ能力が飛躍的に拡大、シャアはガンダムの存在を知覚し、強大な力を得たことに満足げな表情を浮かべつつ、「私にも視える」とつぶやいた。

 

ア・バオア・クーの指令室では、キシリアが「ゲルググとドムの戦果が上がっていない」と部下を詰問。部下の返答により、ジオンでは学生がパイロットとして動員されていることが判明する。

 

ジオングと対決することを決心したアムロは、ジオングに向かって突撃する。その進路を邪魔する1機のザクの身体をシールドで受け止めると、そこに向かって放たれたジオングのメガ粒子砲が直撃し、学生と思われるパイロットの「母さん!」とという叫び声とともに、ザクは宇宙の塵に帰す

 

ガンダムジオングの激しい戦いが始まる。いつものように、アムロジオングの攻撃をすべてかわす。一方、ジオングは軽く被弾。シャアは、ニュータイプ用に開発されたジオングの能力をフルに発揮できない自分の無力さに憤りと焦り、そしてガンダムに討ち果たされるかもしれないという恐怖を感じ始めるようになった。しかしシャアは「自分だってニュータイプのはずだ」と気力を奮い起こし、ガンダムに向かって突進する。

 

というところで、第42話が終了。

今話では、レビル将軍デギン公王、ギレン総帥という、地球連邦軍ジオン軍の超大物3名が戦死している。通常、戦闘では前線の名もなき兵士たちばかりが死ぬものだが、この3名を生き残らせてしまうと、(続編も含めた)ストーリーの展開上、後々ややこしいことになりそうと判断し、ご退場願ったと推察される。

 

今回の死者は以下だ。

見方は、死者──殺害者/殺害方法 である。

 

【確定死者数(前半部)】

デギン・ソド・ザビ──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

レビル将軍──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

マゼラン級巡洋艦乗員300名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

グワジン巡洋艦グレート・デギン乗員400名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

サラミス級軽巡洋艦36隻乗員計7200名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

ジム搭乗員1名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

ボール搭乗員1名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

連邦軍兵士1名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

サラミス級軽巡洋艦計65隻乗員計1万3000名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

サラミス級軽巡洋艦乗員200名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイで折れ曲がる

サラミス級軽巡洋艦7隻乗員計1400名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

サラミス級軽巡洋艦乗員100名──ギレン・ザビ/ソーラ・レイ

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──不明/連邦軍のミサイル突撃艇のミサイル

連邦軍のミサイル突撃艇3機乗員計3名──不明/ア・バオア・クーからの攻撃

連邦軍のミサイル突撃艇搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの攻撃

連邦軍のミサイル突撃艇搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの攻撃

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──不明/ミサイル

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──不明/ジムのスプレーガン

マゼラン級巡洋艦乗員300名──不明/ジオン軍の集中砲火

リックドム搭乗員1名──不明/ボールと正面衝突

ボール搭乗員1名──不明/リックドムと正面衝突

ジム搭乗員1名──不明/流れ弾

リックドム搭乗員1名──不明/流れ弾

ボール搭乗員1名──不明/流れ弾

ザク搭乗員1名──不明/流れ弾

ジム搭乗員1名──不明/ザクに蹴り飛ばされたボールが激突

ボール搭乗員1名──不明/ザクに蹴り飛ばされてジムに衝突

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──不明/ミサイル

ガトル戦闘爆撃機搭乗員1名──不明/ビーム

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

ボール搭乗員1名──不明/ガトル戦闘爆撃機からの攻撃

マゼラン級巡洋艦乗員300名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦2隻搭乗員計400名──同上

後半部に続く

 

【確定死者数(後半部)】

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/グワジンと正面衝突

グワジン級戦艦乗員400名──不明/サラミスと正面衝突

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

ムサイ級軽巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

ボール搭乗員1名──不明/流れ弾

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/ミサイル

マゼラン級巡洋艦乗員300名──シャア・アズナブル/沈め、の掛け声とともにジオングのメガ粒子砲

サラミス級巡洋艦乗員200名──シャア・アズナブル/上記攻撃で沈んだマゼランが激突

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/さまざまな攻撃により

マゼラン級巡洋艦乗員300名──不明/巨大なミサイル(ザンジバルのJミサイル?)が直撃

ギレン・ザビ──キシリア・ザビ/銃殺

ドロス級超大型宇宙空母乗員1100名──不明/さまざまな攻撃により

サラミス級巡洋艦7隻乗員計1400名──不明/不明

サラミス級巡洋艦乗員200名──不明/ア・バオア・クーに激突

ザク2機搭乗員計2名──カイ・シデンガンキャノンのビームキャノン

ザク搭乗員1名──不明/ビーム

リックドム2機搭乗員計2名──ハヤト・コバヤシ/ガンダンクのビーム

新型ゲルググ搭乗員1名──セイラ・マスGファイターのビーム

リックドム搭乗員1名──アムロ・レイ/不明

ザク搭乗員1名──アムロ・レイガンダムのバズーカ砲

ムサイ級軽巡洋艦乗員200名──アムロ・レイガンダムのバズーカ

ジム搭乗員1名──不明/流れ弾

ジム搭乗員1名──不明/流れ弾

リックドム搭乗員1名──不明/流れ弾

ボール搭乗員1名──不明/ア・バオア・クーからの迎撃

「母さん!」と叫んだザク搭乗員1名──シャア・アズナブルガンダムを狙ったジオングのメガ粒子砲が直撃

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【計2万9739名】

 

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