死者メーター

物語の中で死んだ人々の数をカウントしていく、ただそれだけのゆるいブログです

機動戦士Zガンダム第6話「地球圏へ」における死者数をカウントしてみた(死者メーター60)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第6話:地球圏へ』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

1話目から読みたい人はコチラ↓

www.death-meter.com

 

目次

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【あらすじ】

 アーガマでは、レコア・ロンド少尉を地球圏は降ろす準備が着々と進められていた。大気圏突入カプセル「ホウセンカ」に乗り込むレコア少尉。そこをライラ・ミラ・ライラ率いるモビルスーツ隊が急襲、レコア少尉を護るため、カミーユは、解体中だったマークⅡに乗り込んで出撃した。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

ティターンズ(と地球連邦軍)にとって、組織の内情や目的が不明なエウーゴ。実態を探るべく、アレキサンドリアエウーゴの旗艦アーガマを追跡していた。そのアレキサンドリアを、作戦会議に参加するために連邦軍所属のライラ・ミラ・ライラの隊が訪れていた。

いち早くブリーフィングルームに到着し、待機するライラ隊。遅れてジェリド・メサ中尉が入室し、無言で着席する。連邦軍の兵士らは、尊大ぶるティターンズをふだんから毛嫌いしているようで、ジェリド中尉に絡み始める。ジェリドは立ち上がって抗議しようとするが、そこへジャマイカン少佐が入室。渋々着席する。

アーガマの整備室では、カミーユがコンソールの前で何か作業をしている。そこへアストナージ曹長が現れ、カミーユからコンソールを奪う。その後の2人の会話から、カミーユモビルスーツのアイデアをまとめていたことがわかる。カミーユはそのモビルスーツに「Zガンダム」という名前をつけていた。アイデアを観たアストナージは、称賛を口にする。

 

カミーユはアイデアをディスクに落とした後、整備室を後にする。途中の廊下で、クワトロ大尉とレコア・ロンド少尉が仲良さげに話をしている光景を見て、カミーユは踵を返す。そのはずみでディスクを手放してしまい、ディスクは空中を漂って、レコア少尉のもとへ届いた。レコア少尉は立ち去るカミーユの姿を認め、後を追う。

カミーユが向かった先は、エマ中尉の部屋だった。カミーユの突然の訪問を不審がるエマだったが、カミーユの挙動から、ショックを受けた出来事に対する慰めを求めてやってきたのだろうと察する。そこへ、カミーユの後を追ってきたレコア少尉が現れるが、拗ね気味のカミーユは、顔を背けるようにしてその場から離れた。カミーユは、レコア少尉のような大人びた女性に「恋心」に近い憧れを抱いており、そのレコア少尉が自分以外の人間と親しくしていることに苛立ちを覚えて拗ねているようだ。

 

カミーユが去った後、レコア少尉とエマ中尉が会話する。保護観察中のエマ中尉の自室には監視カメラが取り付けられており、カメラを通じて、ブレックス准将とヘンケン艦長が2人の会話を盗み聞きしていた。敵対するティターンズから寝返った女性とはいえ、「いくらなんでもそこまでやるか」という印象を受けた。プライバシーの侵害だし、セクハラにも該当するんじゃないのかな。

 

エマ中尉は、「エウーゴは好戦的。このままだとティターンズと全面戦争になる」と、自身の危惧を伝えた。それに対し、レコア少尉は「3Dバンチ事件」という聞き慣れないワードを口にした。

 

聞けば、30バンチとはサイド1の「30バンチコロニー」のことだという。バンチは、日本語の「番地」に該当するようだ。このコロニーの住民らが地球連邦に対してデモを起こし、その鎮圧のために、ティターンズがコロニー内に毒ガスを注入、密閉されたコロニー内に逃げ場はなく、数千万人が命を落としたのだという。メディアによる大々的な報道が行なわれて然るべき大事件だが、どうやらティターンズが報道管制を敷いて、事件を闇に葬ったらしい。

 

話を聞いたエマ中尉はショックを受けるが、にわかには信じようとしない。そりゃそうだ。ついこの間まで自分が所属していた組織なのだから。会話を盗聴していたブレックス准将とヘンケン艦長は、エマ中尉を完全に転向させるために、30バンチを実際に見せることが必要だという認識で一致した。

 

一方、アレキサンドリアのブリーフィングルームでは、ジャマイカン少佐が、ライラ隊のメンバーをティターンズに勧誘していた。ティターンズに参加することにより、様々な特権が与えられるという。そのブリーフィングで、ジェリドが戦闘隊長に任命される。「自分のほうが腕も経験も上」とライラは不服を述べるが、「ティターンズは特別扱いだ」という旨のジャマイカン少佐の言葉に沈黙する。

 

ジェリドの隊長起用に不満を隠さない態度でライラは部屋を出るが、すぐにジェリドが後を追う。プライドだけは高いジェリドは先ほどのライラの態度が気に入らず殴り掛かるが、無重力下での行動に不慣れなためか、ライラに簡単にかわされ、逆襲を喰らう。

 

「宇宙には宇宙のやり方がある。環境が変わったなら、それに合わせろ」と、まるで新入社員をたしなめるかのような口調で、ライラはジェリドを諭す。好戦的だが根が素直なジェリドはライラに頭を下げ、教えを乞う。メンツを捨ててでも向上したいとするジェリドの意欲と態度に好感を持ったライラは了承する。

 

アーガマにいるカミーユは、クワトロ大尉から、レコア少尉が地球に降りることを聞く(何のために降りるのかは、この時点では不明)。別れを告げるべく、カミーユは走り出す。レコア少尉は地球に降下するための準備を着々と進めており、大気圏降下用シャトルホウセンカ」に乗り込んだ。そこへカミーユが現れるも、レコア少尉を心配する素振りを見せる。テクノロジーが今よりはるかに進んでいると思われるZガンダムの時代においてさえ、大気圏突入は緊張感を伴う危険な行動らしい。しかしレコア少尉は、カミーユを冷たく突き放す。その態度に何かを感じ取ったらしいカミーユは、すぐに引き下がった。

 

クワトロ大尉とアポリー少尉がそれぞれマークⅡ、リック・ディアスで出撃する。目的は、地球軌道上にある太陽電池発電設備とその防衛衛星施設を破壊することにあるらしい。なぜ破壊の必要があるのかわからなかったが、おそらくは、地球連邦の許可なしにレコア少尉を降下させようとしているため、障害となる可能性があるものをあらかじめ排除しておこうという意図なのだろう。

一方、ボスニアからライラ率いるモビルスーツ部隊が出撃した。ライラはガリバルディ、ジェリドはハイザックに搭乗している。

HGUC 1/144 RMS-106 ハイザック (機動戦士Zガンダム)
 

クワトロ大尉は、太陽電池防衛施設の破壊に成功。ブレックス准将はレコア搭乗のホウセンカをカタパルトデッキに上げるよう指示、レコア少尉に「ちゃんとジャブローに降ろしてやるから」と声をかける。ここに来て、レコアの目的地が南米のジャブローだと判明する。敵機の襲来を知ったカミーユは、レコア少尉を援護すべくもう一機のマークⅡで出撃した。このマークⅡは隻腕状態である。

 

ライラ隊は、アーガマモンブランを発見。襲い掛かる。迎撃のため出撃したジムⅡらとの間に、モビルスーツ戦が展開される。

 

すぐにライラはジムⅡ1機を撃破し、その高い戦闘能力でジェリドを驚かせる。対して、アーガマに肉薄したハイザック1機が艦砲によって沈められているアーガマの危機を知ったクワトロ大尉とアポリー中尉は、援護のために引き返す。

HGUC 1/144 RMS-179 ジムII (機動戦士Zガンダム)

HGUC 1/144 RMS-179 ジムII (機動戦士Zガンダム)

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クワトロ大尉は、アーガマの僚艦モンブランが沈められる光景を目撃し、絶句する。このモンブランサラミス級軽巡洋艦である。本ブログでは、同級軽巡洋艦の乗員を200名としていることから、死者200名をカウントする。

 

炎上しながら大気圏に落下していくモンブランの姿は、「光」として地球上から観測された。プールサイドのデッキチェアに腰掛けながら、その光を訝しむ一人の男がいた。その人物は1年戦争(機動戦士ガンダムで描かれた物語)の英雄、アムロ・レイだった。

 

アーガマの周囲では、モビルスーツ戦が続く。戻ってきたクワトロ隊、遅れて出撃したカミーユが参戦し、戦いは激しさを増す。ホウセンカ内でひたすら射出を待っているレコア少尉も、緊張度を増していった。

 

カミーユは、敵モビルスーツアーガマから引き離すため奮闘。ここでジムⅡ1機が何者かに殲滅させられているカミーユの活躍もあり、ホウセンカは無事にジャブローに向けて射出され、レコア少尉は地球へと降りていった。

 

というところで、第6話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

ジムⅡ搭乗員1名──ライラ・ミラ・ライラガリバルディの砲撃により

ハイザック搭乗員1名──不明/アーガマの砲撃により

サラミス級軽巡洋艦モンブラン乗員200名──不明/ライラ隊の集中砲火により

ジムⅡ搭乗員1名──不明/何者かの砲撃により

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【計203名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。