機動戦士Zガンダム第2話「旅立ち」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター54)
人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。
古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。
今回は『機動戦士Zガンダム第2話:旅立ち』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。
1話目から読みたい人はコチラ↓
目次
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【あらすじ】
グリーン・ノア1に侵入したクワトロ大尉は、ティターンズが開発したガンダムマークⅡの捕獲を試みる。市街地でモビルスーツ戦が勃発。混乱の中、カミーユ・ビダンは基地の格納庫に保管されていたマークⅡ3号機に乗り込んだ──。
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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】
エウーゴの戦艦アーガマの砲撃により、グリーン・ノアの外壁が損傷。そこを突破口とし、エウーゴのクワトロ大尉率いるリック・ディアス隊がグリーン・ノア1へ侵入する。そのとき、クワトロ大尉は、誰かの激しい息遣いを感じ取る。その息遣いは、グリーン・ノアにいるカミーユのものだった。
驚いたことに、第1話でティターンズの基地から逃げ出したカミーユは、森の中を走って、再び基地に舞い戻ってきた。基地では、墜落したマークⅡ1号機の回収作業が行なわれていた。どうやらカミーユは、自分に対し暴力的な尋問をしたティターンズの軍人たちがどうしても許すことができず、報復を考えていたらしい。このことから、カミーユは執着心と粘着心が強い性格(すなわち、めんどうくさい奴)であることがわかる。
クワトロ大尉率いるリック・ディアス隊がグリーン・ノアに侵入、基地に警戒サイレンが鳴り響く。墜落したマークⅡ1号機から降りたジェリド中尉は、同僚のエマ中尉から叱責を喰らう。そこへブライト・ノア中佐が現れ、警戒に当たれと2人に命令を下す。
コロニー内を飛行するクワトロ隊を迎撃するため、4機のジムⅡが発進した。マークⅡの所在を確認する前に自分たちが発見されてしまったことに、クワトロ大尉は歯ぎしりをする。そして、コロニー内にもかかわらずモビルスーツ戦が勃発する。
クワトロ大尉は、あっという間に2機のジムⅡを撃破。もう1機のジムⅡを、ロベルト中尉のリック・ディアスが撃墜、最後のジムⅡも、クワトロ隊の誰かに屠られた。クワトロ隊強し。しかし、基地から追撃のジムⅡが発進する。交戦したクワトロ大尉は、再びジムⅡ1機を撃墜した。クワトロ大尉の赤いリック・ディアスのすさまじいスピードは、伝説の英雄「赤い彗星のシャア」を彷彿とさせ、交戦したジムⅡ部隊を震え上がらせる。
その後、アポリーかロベルトのリック・ディアスがジムⅡ1機を撃破する。もう1機のジムⅡは、地面に激突して大破した。その爆発による振動は、カミーユがいる基地にまで伝わった。さらにもう1機のジムⅡが、基地近くの市街地に墜落して大破する。
モビルスーツ戦は、市街地にも被害を及ぼしていた。自宅に戻ったファは、すぐそばにモビルスーツの残骸が転がっているのを見て驚く。基地の方向を見やると、1機のジムⅡがリック・ディアス隊によって撃墜されていた。ファは自宅から母親を連れ出し、避難を開始する。
リック・ディアス隊の前に、マークⅡ2号機(ジェリドが墜落させたやつとは別機体)が姿を現した。クワトロ大尉は、捕獲に乗り出す。
基地の格納庫では、ブライト中佐がマークⅡ3号機を発進させるよう指示を出していた。整備兵がブライトの命令に反発しているところが描写されていることから、どうやらブライトは左遷というか、閑職に追いやられて、軽々しく扱われているようだ。もっとも、ブライト本人はそんなことは露ほども気にかけていない様子である。
そこへ、ティターンズのエマ中尉が到着。彼女がマークⅡのパイロットであることを知らなかったブライトは、驚いた。そのとき、一人の少年がブライトの脇を駆け抜け、マークⅡ3号機へ向かった。少年は、カミーユである。カミーユはブライトの制止を振り切り、マークⅡに乗り込んでしまう。どうやらモビルスーツで、何かやりたいことがあるようだ。カミーユの動機はすぐに明らかとなり、自分を無碍に扱ったMPに報復するためである。
んなアホな! かなり強引にカミーユをモビルスーツに乗り込ませようとしている印象を受けた。「少年をモビルスーツに乗せて、戦いの中での成長を描く」という現実ではありえないストーリー展開は、こうした力業でも使わないかぎりスタートできないのだろう。
カミーユは、マークⅡ3号機を起動し立たせることに成功。その才能は、ファーストガンダムの主人公・アムロの再来を思わせた。
そこへ、マークⅡの捕獲を目論むクワトロ大尉らのリック・ディアスが到着。カミーユは、自分を尋問したMPを発見し、マークⅡの巨躯を駆使してMPを脅す。その様子を見ていたクワトロ大尉は、マークⅡ3号機のパイロットがティターンズでないことを覚り、アポリーに攻撃中止を命令する。カミーユはクワトロ大尉らに加勢し、マークⅡ2号機のパイロットを降伏させることに成功した。
カミーユの自宅へ様子を見に行ったファは、ロベルトのリック・ディアスとティターンズのジムⅡとのモビルスーツ戦に巻き込まれる。そこへクワトロ大尉が到着、砲撃でジムⅡ1機を行動不能にした。
カミーユの協力を得たクワトロ大尉は、マークⅡ2号機を捕獲。ティターンズを毛嫌いするカミーユは、グリーン・ノア1から撤退するクワトロ大尉たちに従い、マークⅡ3号機で生まれ故郷を後にする。
マークⅡが捕獲された後、ブライト中佐は、ティターンズの中心人物であるバスク・オム大佐のもとを訪れ、市街地に被害が出る可能性を考慮せずに、マークⅡの訓練をグリーン・ノア1で実施したことについて抗議する。反感を買ったブライト中佐はバスク・オム大佐に殴られ、さらに、下級士官らから殴る蹴るの暴行を受けた。同じ地球連邦軍といえども、ティターンズはエリート意識が強く、ブライトのような「非ティターンズ」を軽視しているようである。
一方、クワトロ大尉らとカミーユは、グリーン・ノア1を脱出し、カミーユはマークⅡでコロニー外の宇宙へ出た。クワトロ大尉らを追って、ティターンズはモビルスーツ3機を発進させる。いずれも量産型ザクを改良したハイザックだ。そのうちの1機には、ジェリド・メサ中尉が搭乗していた。
戦闘はすぐに終結する。アーガマから発射された援護のメガ粒子砲でハイザック1機が撃墜され、ジェリド・メサ中尉らは撤退した。
クワトロ大尉の案内でアーガマへ向かったカミーユは、目の前に広がる宇宙を見て、懐かしさを感じていた。
というところで、第2話が終了。
今回の死者は以下だ。
【確定死者数】
ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナ/リック・ディアスのバルカン
ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナ/リック・ディアスのビーム・ピストル
ジムⅡ搭乗員1名──ロベルト/リック・ディアスのクレイ・バズーカ
ジムⅡ搭乗員1名──不明/不明
ジムⅡ搭乗員1名──クワトロ・バジーナ/リック・ディアスのビーム・ピストル
ジムⅡ搭乗員1名──不明/リック・ディアスのビーム・ピストル
ジムⅡ搭乗員1名──なし/地面に激突して大破
ジムⅡ搭乗員1名──なし/基地に激突して大破
ジムⅡ搭乗員1名──不明/リック・ディアスの砲撃
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【計10名】
この物語を成立させるために、今日も人が殺された。