死者メーター

物語の中で死んだ人々の数をカウントしていく、ただそれだけのゆるいブログです

機動戦士Zガンダム第1話「黒いガンダム」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター53)

人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。

 

古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。

 

今回は『機動戦士Zガンダム第1話:黒いガンダム』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。

 

目次

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【あらすじ】

前作『機動戦士ガンダム』で描かれた「1年戦争」集結から7年後、地球連邦軍内部では、スペースノイド中心の「エウーゴ」と、アースノイド中心の「ティターンズ」の2派閥による対立が激化しようとしていた。ティターンズが極秘にモビルスーツを開発しているとの情報に接した、エウーゴクワトロ・バジーナ大尉は、ティターンズの秘密施設があると目されるコロニー『グリーン・ノア』に侵入。そこで、テスト飛行中と思しき黒いモビルスーツを目撃する──。

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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】

スペースノイドを中心に結成された地球連邦軍内の一派閥「エウーゴ」。反連邦組織であるそのエウーゴに参加していたクワトロ・バジーナ大尉(実はシャア・アズナブル)は、モビルスーツリック・ディアス」を駆り、アポリー・ベイ中尉、ロベルト中尉の2名を引き連れて、スペースコロニー『グリーン・ノア1(旧サイド7)』の偵察に向かっていた。

目的は、対立する連邦軍内の派閥で、アースノイド中心に結成された「ティターンズ」が、新型モビルスーツガンダムMk-Ⅱ」を開発したとの情報を得たからだ。ティターンズは、地球連邦軍を半ば私物化しており、コロニー「グリーン・ノア2(別名グリプス)」の軍事基地化を進めていた。

 

物語の主人公は、クワトロ大尉が偵察に向かったグリーン・ノア1に居住する少年カミーユ・ビダンである。空手部の活動を仮病で休んだカミーユは、友人女性のファ・ユイリィとともに、グリーン・ノアの宇宙港を目指して駆け出す。2人が並んで駆けていくこのシーンがやけに長く、違和感を覚えたことを言及しておく。1話目の制作がひととおり終わったところで、尺が少しだけ足りないことに気づき、走るシーンを無理やり引き延ばしたような印象を受けた。

カミーユ・ビダン×ぴあ (ぴあMOOK)

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ガンダムトライエイジ EB1-047 カミーユ・ビダン P
 

カミーユとファは、宇宙港行きのシャトルに乗る。たった30秒のフライトだが、シャトルはコロニー外、すなわち宇宙空間を飛行する。窓の外をなんとはなしに眺めていたカミーユは突如、窓外の宇宙空間に何者かの気配を感じ取り、冷や汗を流す。気配がした方向に目を向けたカミーユは、3つの機影を目撃した。

 

カミーユが目にしたその機影こそ、クワトロ大尉が率いるエウーゴモビルスーツ隊だった。クワトロ大尉も、グリーン・ノア1に「何者か」の存在を感じ取り、彼はその気配が、かつてのライバルであり、ニュータイプの先駆者として知られるアムロ・レイと同質のものであることに驚いた。

 

カミーユとファは、宇宙港に到着した。カミーユが宇宙港を訪れた目的は、ブライト・ノアという人物に会いたかったからだ。ブライト・ノアとは、先の1年戦争(機動戦士ガンダムで描かれた物語)の英雄で、ホワイトベース艦長だった人物。彼がキャプテンを務める旅客用シャトル『テンプテーション』が、グリーン・ノアの宇宙港に入港していたのである。

ガンダムカードビルダー CE-0006 ブライト・ノア
 

その宇宙港で、カミーユは騒動を起こす。仲間たちと談笑していたティターンズジェリド・メサ中尉に、『カミーユ』という名をバカにされたことに激昂し、中尉を殴ったのだ。どうやら『カミーユ』というのは女性につけられることが多い名らしいが、日本人にはピンと来ない。『ヴィヴィアン』とかなら、女性っぽい名前な気がするけれども。カミーユは取り押さえられ、ジェリド中尉らから報復の制裁を受けるとともに、ティターンズに逮捕される。

 

その頃、クワトロ大尉はグリーン・ノアへの侵入を試みていた。巨大なエアロックのハッチを開けて内部に侵入したものの、宇宙服姿の作業員らしき男性2人に目撃されてしまう。クワトロ大尉はリック・ディアスの指から「トリモチ」のようなネバネバを発射して男性2人を拘束し、その場に置き去りにする。助けが来なければ、この作業員たちは宇宙服の酸素枯渇によって確実に窒息死する。救出された描写はないため、この2名は死んだものとしてカウントしたい

 

クワトロ大尉はエアロック内にリック・ディアスを駐機し、ジェットパックを身に着けてノーマルスーツでコロニー内部へ。ジェットパックでコロニー内を飛び回りながら、偵察を行なう。そのとき、1機の真っ黒いモビルスーツと接近遭遇し、クワトロ大尉は風圧で弾き飛ばされた。そのモビルスーツこそ、ティターンズが極秘に開発を進めていた「ガンダムMk-Ⅱ」だった。

MG 1/100 RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0 (ティターンズ仕様) (機動戦士Zガンダム)
 

クワトロ大尉(というか侵入者、すなわちスパイ)に機体を目撃されたことを覚ったパイロットは、バルカン砲を発射してクワトロ大尉の殺害を試みるが、失敗した。追っ手を振り切り、クワトロ大尉は再び機上の人となる。

 

コロニーから脱出するため、クワトロ大尉がリック・ディアスのエンジンを噴射した際に、ティターンズの兵士と思われる2名の追っ手が爆風で吹き飛ばされる。確実に死んだと言い切れる描写はないが、死者としてカウントしておくことにする。なぜなら、わざわざ吹き飛ばされるシーンが描かれているからだ。必要もないのに描いているということは、この吹き飛ぶシーンには、物語の創造主の意図が潜んでいると考えるべきだ。この場合は、「死」である。

 

一方、逮捕されたカミーユは、ティターンズの息がかかったMP(ミリタリーポリス)から高圧的な尋問を受けていた。ここで、「ジュニアモビルスーツ大会」なる競技会で優勝したというカミーユの経歴が明らかとなる。高校生とはいえあまりにも優秀なカミーユを、MPは、対立するエウーゴの分子ではないかと疑って尋問を続けるが、カミーユは沈黙を貫く。ニュータイプとして優れた資質を持ち合わせているらしいカミーユは、尋問室の床に宇宙を、そして、その宇宙に煌めく光芒を視る。

 

突如現れた弁護士のような男に、カミーユは釈放を告げられる。その男が言及したところによれば、裏でカミーユの母親の働きかけがあったようだ。この一件から、カミーユの母親は地球連邦軍内で大きな力を持つ人物であることが推察された。

 

せっかく釈放が決まったにもかかわらず、カミーユはMPの挑発にまんまと乗ってしまい、再び激昂してMPに殴りかかってしまう。すわ再逮捕か、と思われた矢先、基地が大地震のような強い揺れに襲われる。1機のモビルスーツが基地の真上に墜落したことが原因だった。

 

負傷者多数により、基地内は大混乱に陥る。担架で誰かが運ばれている描写があるが、死者は出ていない模様だ。その墜落事故の混乱に乗じて、カミーユは基地から脱出する。その際、カミーユの母と思われる女性がカミーユの姿を認めて追いかけるも、カミーユは気づかない。カミーユは、基地のジープを盗んで逃走したが、自分がしでかしたことの重大性に気づき、恐怖で震える。

 

基地に墜落したモビルスーツはテスト飛行中のガンダムマークⅡで、パイロットはジェリド・メサ中尉だった。操縦ミスを犯したジェリドは、ばつの悪い思いでコクピットから退出する。

 

一方、ティターンズが独自にモビルスーツ(マークⅡ)を開発していたことを知ったクワトロ大尉は、機体の奪取を目論む。彼が乗船しているらしい「アーガマ」という戦艦に連絡を取ると、アーガマからメガ粒子砲がグリーン・ノア目がけて発射され、コロニーの外壁に着弾する。そこを侵入口とするマークⅡ奪取作戦の幕が切って落とされようとしていた。

というところで、第1話が終了。

今回の死者は以下だ。

 

【確定死者数】

グリーン・ノア(ティターンズ?)の作業員2名──クワトロ・バジーナ/酸素欠乏による窒息死

ティターンズの兵士2名──クワトロ・バジーナリック・ディアスのエンジンに吹き飛ばされる

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【計4名】

 

この物語を成立させるために、今日も人が殺された。