機動戦士ガンダム第40話「エルメスのララァ」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター46)
人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。
古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。
今回は『機動戦士ガンダム第40話:エルメスのララァ』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。
第1話はこちら ↓
死者メーター1:機動戦士ガンダム第1話『ガンダム、大地に立つ』 - 死者メーター
目次
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【あらすじ】
拡大するアムロのニュータイプ能力に、ガンダムの性能が追いつかない──。深刻な問題に対応するため、連邦軍のモスク・ハン博士は、ガンダムに「マグネット・コーティング」という処理を施した。一方、ララァは初となる実戦を経験。ララァは、エルメスのサイコミュ攻撃で4隻のサラミスを沈めるという快挙を成し遂げ、ニュータイプ部隊を指揮するキシリア・ザビはその能力と戦果に目を細めた。
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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】
ジオン軍のニュータイプであるシャリア・ブルが駆るブラウ・ブロを撃破したアムロだったが、「高度に発達したアムロのニュータイプ能力と戦闘力に、ガンダムの性能が追いつかない」という問題に直面していた。ガンダムの性能問題を解決するため、ホワイトベースはソロモンに入港する。
入港するや否や、電磁工学を専門とするモスク・ハン博士が率いる、ソロモンの技術チームがホワイトベースを訪れ、ガンダムの駆動系を磁気で包む「マグネット・コーティング」という処理を施す。これにより、「理論上は、無限の反応速度が得られるようになるはず」と、モスク・ハン博士は胸を張った。
一方、ジオン公国のギレン・ザビは、宇宙要塞ア・バオア・クーと、月のグラナダを結ぶ線を最終防衛ラインと定めるとともに、押し寄せる地球連邦軍を一掃する目的で、スペースコロニーのひとつである「マハル」を、超巨大レーザー砲「ソーラ・レイ」へ改造する準備を進めていた。そのため、マハルの居住者150万人は強制疎開を余儀なくされる。
ソーラ・レイを使用する作戦の許可を得るため、ギレンはデギン公王のもとを訪れる。独裁主義路線を突き進むギレンに対し、デギン公王は「お前はヒトラーの尻尾だ」と皮肉る。
その頃、シャアが座乗するザンジバルは、連邦軍の小艦隊と遭遇。リックドム2機と、ララァのエルメスを出撃させる。シャアは、ザンジバル搭載の巨大ミサイル「Jミサイル」を前方のマゼラン級巡洋艦に向けて発射、見事に命中させ、マゼランが沈む。さらに、もう1発のJミサイルでサラミスを撃沈する。そして、シャアが直々にゲルググで出撃する。
エルメスに搭乗したララァは、ビットによるサイコミュ攻撃で、あっという間にサラミス1隻を沈める。その手慣れた様子に、エルメスを援護していたリックドムは「援護の必要なし」と判断して、後退してしまう。援護なしでは攻撃に集中できないため、ララァは焦りを覚える。そこへシャアのゲルググが到着、ゲルググの援護によりララァは集中を取り戻し、サラミス1隻を沈めた。
ソロモンでは、地球連邦軍がジオンへ侵攻する作戦「星一号作戦」を発動、大艦隊が出撃した。しかし、ガンダムのマグネット・コーティング作業を進めていたホワイトベースだけは、ソロモンからの出航が遅れていた。モスク・ハン博士率いる技術チームは作業を完遂させると、ホワイトベースは出航、遅れを取り戻すべく、最大船速で先行艦を追った。
シャアとララァは、グワジンに座乗するキシリア・ザビのもとを訪れ、エルメスの戦果について報告した。キシリアは、私服姿のララァを一瞥して「目ざわりだ」とたしなめ、軍服の発注を督促する。シャアが「エルメスは初陣で2隻のサラミスを沈めた」と報告すると、キシリアは「すごいものだ」と表面的には称賛を装うも、ニュータイプの実力とニュータイプ部隊の実現に関しては、疑っている様子を隠そうとしなかった。
最大船速で僚艦を追っていたホワイトベースは、合流予定ポイントで艦隊戦が行なわれていることを知る。ブライトは、各パイロットに出撃を命じた。戦闘宙域に接近したアムロは、シャアおよびララァの存在を知覚する。シャア搭乗のゲルググを発見し、ビームライフルを発射するも、直撃寸前で、その攻撃を察知したララァのビットがビームライフルの攻撃を無効化した。ガンダム(アムロ)と対峙したララァは危険を感じ、シャアに退却を要請する。
エルメスを援護していたリックドム1機をガンダムが撃破、シャアは、ガンダムの動きが格段に速くなっていることに驚く。モスク・ハン博士が施したマグネット・コーティングは功を奏したのだ。ガンダムはゲルググを圧倒し、ゲルググの左腕部分をビームライフルで吹き飛ばす。アムロの高い能力を感じ、シャアの身に危険が迫っていることを覚ったララァは、シャアに対し「退け!」と絶叫。
ララァの要請に従い、シャアは離脱を決断する。自力飛行が困難なゲルググは、エルメスに引っ張られる形で宙域から脱出。その間もララァはビットでガンダムを攻撃するが、アムロは攻撃をことごとくかわし、ビットを破壊する。このとき、ララァは激しい頭痛を覚えた。アムロは、「お前は、シャアを苛める悪い人間だ」というララァの思念のようなものを感じ取った。
この後、ホワイトベースは、先行していた第13独立艦隊と合流したが、(ナレーションによれば)艦隊は3隻のサラミスを沈められていた。そのうちの2隻は、ララァのエルメスの手によるものである。ララァは1日で計4隻のサラミスを沈めるという空前の壮挙を成し遂げたことになり、その実力を認めたキシリアは、ララァに握手を求めた。地球連邦軍とジオン軍の戦いの舞台は、月の裏側に移りつつあった。
というところで、第40話が終了。
今回の死者は以下だ。
見方は、死者──殺害者/殺害方法 である。
【確定死者数】
マゼラン級巡洋艦300名──シャア・アズナブル/ザンジバルのJミサイル
サラミス級軽巡洋艦200名──シャア・アズナブル/ザンジバルのJミサイル
サラミス級巡洋艦200名──ララァ・スン/エルメスのサイコミュ攻撃
サラミス級巡洋艦200名──ララァ・スン/エルメスのサイコミュ攻撃
リックドム搭乗員1名──アムロ・レイ/ガンダムのビームライフル
第13独立艦隊のサラミス級巡洋艦2隻搭乗員計400名──ララァ・スン/エルメスのサイコミュ攻撃
第13独立艦隊のサラミス級巡洋艦搭乗員200名──不明/不明
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【計1501名】
この物語を成立させるために、今日も人が殺された。