機動戦士ガンダム第37話「テキサスの攻防」で死んだ人数をカウントしてみた(死者メーター43)
人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。
古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。
今回は『機動戦士ガンダム第37話:テキサスの攻防』を取り上げ、その死者数のカウントを試みる。
第1話はこちら ↓
死者メーター1:機動戦士ガンダム第1話『ガンダム、大地に立つ』 - 死者メーター
目次
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【あらすじ】
ソロモン戦後、離脱したジオン艦艇を掃討するため中立コロニー「テキサス」の宙域に入ったホワイトベースを、近くに展開していたマ・クベのチベ艦隊が急襲。マ・クベは自らモビルスーツに乗り込みガンダムをテキサスコロニー内へ誘導、激闘を繰り広げる。テキサスコロニーに滞在していたララァはアムロの存在を知覚、アムロもまた、ララァの存在を認識するのだった──。
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【ストーリーの流れ(ネタバレ注意)】
ソロモン攻防戦は、圧倒的な物量を投入した地球連邦軍の勝利に終わった。ジオンのギレン・ザビは将校を前に、小惑星を宇宙要塞化した軍事拠点ア・バオア・クーを最終防衛ラインと定め、最終決戦に臨むことを宣言した。
ホワイトベースでは、ソロモン激戦後の疲弊した身体を各々が癒していた。その後、ホワイトベースは、ソロモンから離脱したジオン艦の掃討作戦に従事することになり、アメリカ・テキサス州の自然を模した中立コロニー「テキサスコロニー」の宙域に入った。テキサスコロニーは、観光と牧畜を目的としたコロニーである。
ホワイトベースを追うシャアは、ザンジバルでテキサスコロニーに入港した。しかし手持ちの武器がないことから、近くの宙域にいたマ・クベに連絡。シャアは、マ・クベにホワイトベースを討たせようと考える。
テキサスコロニーの宙域を進んでいたホワイトベースは、レーダーで捉えていた敵艦のチベが動き出したのをキャッチ、こちらの存在を知られたことを知り、急きょ戦闘態勢に入り各自出撃する。一方、チベに座乗するマ・クベは、自分専用に開発してもらった新型モビルスーツのギャンで出撃することを宣告する。
マ・クベは、ガンダムをテキサスに誘い込めと部下に指示した後、ギャンに乗り込んだ。宙域を哨戒中のGアーマーは、マ・クベ率いるチベ艦隊と遭遇、チベはGアーマーに対し、攻撃を仕掛ける。マ・クベは、リックドム5機とともにギャンで出撃した。
ギャンは単騎でテキサスコロニー方向へ進み、リックドムらはGアーマーと交戦に入る。Gアーマーはボルトアウトし、ガンダムとGファイターに。ガンダムは、さっそくリックドム1機を仕留める。続いて、Gファイターもリックドム1機を撃墜する。意図的に誘導されたものか流れの中でそうなったのかはわからないが、ガンダムとGファイターは吸い寄せられるようにテキサスコロニーに近づいていく。
そのテキサスコロニー内を、シャア、ララァ、そしてニュータイプ研究所のフラナガン博士が幌馬車で進んでいた。同コロニーは、ミラーの不具合により半年以上も夕暮れが続いており、そのため砂漠化が進行している旨がナレーションで語られる。このときララァの高い感応力は、「何かの存在」がテキサスコロニーに接近していることを感じ取るが、それが何かはララァにもわからなかった。
一方、宇宙では、ガンダムが再びリックドム1機を撃破。続けて、セイラのGファイターがリックドム1機を仕留める。残る1機のリックドムを討とうとしたとき、思わぬ方向からガンダムに攻撃が加えられ、アムロは驚く。見ると、小惑星の陰に隠れていたマ・クベのギャンが姿を現していた。アムロは、自分が新型モビルスーツのテリトリーに誘導されたことを悟った。
攻撃するためガンダムがギャンに接近すると、マ・クベは、小惑星に仕掛けていた爆弾を起爆。大爆発が起こる。出撃以来の一連の行動は、ここに仕掛けていた爆弾でいっきにケリをつけようとする、マ・クベの作戦だったのだ。てっきりガンダムを仕留めたと思って喜ぶマ・クベ。しかしガンダムは無傷だった。作戦が失敗に終わったことを知ったマ・クベは、テキサスコロニーへと逃げ込む。残る1機のリックドムは、Gファイターが撃墜した。
アムロは、ギャンを追ってテキサスコロニーへ。同コロニーに滞在するシャアとララァのもとへ、マ・クベがギャンでテキサスコロニーに侵入したとの報が入り、シャアは気が進まないながらも、完成したばかりの新型モビルスーツ・ゲルググで援護に出ることを決める。
テキサスコロニー周辺の宙域では、ホワイトベースとチベ、ムサイ2隻による艦隊戦が行われており、ホワイトベースはムサイ級軽巡洋艦バルメルに主砲を直撃させ、これを沈めている。
出撃したシャアは、コロニー内に爆発の閃光を確認する。それらは、マ・クベが地中に仕掛けた爆弾がさく裂したものだった。しかし、アムロはそのすべてをことごとくかわすことに成功し、マ・クベは、ガンダムのパイロットが、直観力に優れたニュータイプである可能性を感じる。
そこへシャアのゲルググが襲来。機体が赤いことから、アムロは、襲ってきた相手がシャアであることを知る。岩陰に身を潜めているギャンの目前で、ガンダムとゲルググは激闘を繰り広げる。「獲物を取られる」と焦ったマ・クベは、シャアに「手を引け」と要求。シャアは従った。
データ分析により、ゲルググとの小競り合いで、ガンダムがビームライフルのエネルギーを使い果たしたことを確信したマ・クベは、ギャンのビームサーベルで襲い掛かる。西洋の甲冑をまとった騎士をモデルとするギャンは、フェンシングのように、矢継ぎ早にビームサーベルを繰り出す。
一方、宙域ではホワイトベースとチベ艦隊が依然として激闘を繰り広げていた。新たに出撃したリックドム1機を、セイラのGファイターが仕留める。実を言うと、セイラがリックドムを仕留める直前、何かが何かに撃破されているシーンが描写されているのだが、機種が特定できないため、死者としてカウントしないことにする。続いて、カイのガンキャノンもリックドム1機を撃墜した。
テキサスコロニーでは、ガンダムとギャンの激闘が続く。その様子を遠くから見ていたララァ・スンは、シャアが手出しせずに傍観していることを訝る。このとき、テキサスコロニーに来て以来感じていた「何かの存在」が、ガンダムのパイロットであることをララァは知覚する。
ギャンはガンダムに押される展開となり、アムロはギャンをビームサーベルで真っ二つにして仕留める。マ・クベは、キシリアに送り届けるはずだった高価な壺を気にかけながら絶命した。マ・クベ討死の瞬間、アムロの心にララァの叫びがこだまし、アムロも「何かの存在」が近くにいることを感じた。アムロとララァは、お互いの名を感じ取り、口にし合った。
というところで、第37話が終了。
今回の死者は以下だ。
見方は、死者──殺害者/殺害方法 である。
【確定死者数】
リックドム搭乗員1名──アムロ・レイ/ガンダムのビームライフル
リックドム搭乗員1名──アムロ・レイ/ガンダムのビームライフル
ムサイ級軽巡洋艦バルメル乗員200名──不明/ホワイトベースの主砲
リックドム搭乗員1名──カイ・シデン/ガンキャノンのキャノン
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【計208名】
この物語を成立させるために、今日も人が殺された。