機動戦士ガンダム全43話において、最も多く人を殺したのは誰か検証してみた(死者メーター51)
人は物語の中でいとも簡単に人を殺し、それを読んだり鑑たりして、喜怒哀楽の感情を激しく発露させる。
古今東西、物語の中ではいったいどれだけの人々が殺されてきたのか。これは、その数をカウントし、名も無き死者に哀悼の念を捧げるためのブログである。その名も「死者メーター」。
今回は、機動戦士ガンダム全43話において、最も多く人間を殺害した登場人物がいったい誰なのかを明らかにする。アムロならアムロ、シャアならシャアというふうに、それぞれのキャラクターが殺害した人数をエピソードごとに抽出し、合計してみた。
1話目から読みたい人はこちら ↓
計算の結果、上位15傑が判明した。
さっそく15位から紹介していこう。
目次
- 15位(1名殺害、以下同)
- 14位(3名)
- 12位(4名)
- 11位(10名)
- 10位(22名)
- 9位(27名)
- 8位(217名)
- 7位(301名)
- 6位( 903名)
- 5位(1312名)
- 4位(1493名)
- 3位(1517名)
- 2位(1704名)
- 1位──?
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15位(1名殺害、以下同)
同数で4人がランクインした。殺害人数はそれぞれ1名である。
最初に紹介するのは、オムル・ハングだ。
「え? 誰?」と 思ったかもしれないが、れっきとしたホワイトベースの乗組員である。ホワイトベースではいろいろな仕事を担当させられていたが、モビルスーツの整備が主な役割らしい。
劇中では活躍らしい活躍が描かれていないが、彼にとって最大の見せ場が17話に訪れる。このときオムル・ハングは人を殺害している。いったい誰を殺したのか、彼の雄姿は下記から確認してほしい。
2人目は、ホワイトベースのおふくろさんことミライ・ヤシマである。
「え? ミライさんって、人を殺してんの?」と驚いた人が少なくないと思うが、第19話で手を下している。といっても、ホワイトベースのエンジンを全開噴射した際に、ザク1機を沈めただけである。拳銃をぶっ放して敵のどてっ腹に穴を開けるなどという物騒なことはもちろんしておらず、「人殺し? なんのこと?」とでも言わんばかりに、何事もなかったかのようにスマートに殺すのがミライ流だ。詳しくは、下記参照のこと。
3人目は、頼れる男・ブライト・ノアである。あらためて説明するまでもなく、ホワイトベースの艦長だ。
ホワイトベースのブリッジで指揮を執っている姿しか印象に残っていないが、彼も白兵戦において直接人を殺害している。下記参照のこと。
彼女は、第42話で自ら手を下している。殺害した相手は、実兄でありジオン軍の総大将でもあるギレン・ザビだ。ギレンの死によってジオン軍は弱体化し、ジオン公国は降伏を余儀なくされている。その意味では、地球連邦軍勝利の立役者といっても過言ではないかもしれない。彼女の雄姿(ではなく、女性だから雌姿になるのか?)は、下記で確認できる。
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14位(3名)
ククルス・ドアンである。殺害人数は3名だ。
彼は第15話にしか登場しておらず、それもストーリーの本筋とは無関係な、外伝的なエピソードでの登場だったにも関わらず、視聴者に強烈な印象を残している。下記を参照のこと。
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12位(4名)
同数でスレッガー・ロウとイワノフが並んでいる。殺害人数は4名だ。
まずはお馴染みのスレッガー・ロウ。
言わずもがな、ホワイトベースのクルーであり、凄腕のパイロットでもある。スレッガーは強烈な個性の持ち主で、観るものに強い印象を残すため、もっとたくさんの人を殺しているようなイメージがあるが、実際にはわずか4名であった。彼は、第36話で華々しく戦死を遂げている。下記参照のこと。
もう一人の「イワノフ」なる人物は、第30話に登場したジオン軍のモビルスーツパイロットである。愛機は、アッガイだ。
イワノフのその第30話においてアムロのガンダムと交戦し、いとも簡単に沈められている。下記参照のこと。
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11位(10名)
ホワイトベース乗組員で、ガンタンクのメインパイロットを務めたハヤト・コバヤシである。殺害人数は10名にのぼる。
地味なタイプで、華々しい活躍を演じたイメージはないが、ホワイトベースの戦力として、着実に成果を上げていたようである。いかにも「やられ役」って感じの雰囲気だったが、最後まで生き残った。見事というほかない。
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10位(22名)
リュウ・ホセイである。殺害人数は22名にのぼる。
リュウは、アムロら少年兵の「教育係」の印象が強いため、正直、戦闘でこれほどの戦果を上げているとは予想していなかった。考えてみれば、ホワイトベースのクルーの中では、唯一、正規のパイロット訓練を受けていた人物なのだから、当然といえば当然か。
そんなリュウも、第21話で物語から強制的に退場させられている(第30話で、名前だけ出るけどね)。下記参照のこと。
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9位(27名)
ホワイトベースきってのいい女、セイラ・マスが9位にランクイン、殺害人数は27人に及ぶ。劇中ではさまざまな場面で活躍を見せていたし、故ジオン・ダイクンの娘(=シャアの妹)という出自の華やかさもあって(しかも凄腕のパイロットでもある)、相当に目立っていただけに、もっと戦果をあげているのかと思いきや、そうでもなかった。
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8位(217名)
カイ・シデンである。殺害人数は217名だ。
なんとなんと、物語の冒頭でセイラ・マスから「軟弱者!」と罵倒されたカイ・シデンが、セイラ・マスを圧倒する成績を残していた。殺害人数は3桁に達し、セイラに大差をつけている。物語を通じて軟弱者を脱し、立派な戦士に成長したようだ。
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7位(301名)
マゼランの艦長を務めていた、地球連邦軍のワッケイン司令である。殺害人数は、301名だ。といっても、彼が自ら殺人に手を染めたわけではない。彼は士官、すなわち部下に命令を下す立場の人間であるため、部下への命令を通じて人を殺している。
直接手を下しているわけではないが、このブログでは、命令者の命令により人が死んだことが明白に描写されている場合は、その命令者が人を殺したことにするというスタンスを取っている。どうしたって指揮官は殺害人数は増えがちになる。登場回数が少ないにもかかわらず、彼が7位にランクインしている理由はそのためである。
機動戦士ガンダムのすごいところは、アムロやカイなど主役級の登場人物だけでなく、ワッケイン司令のような脇役の成長もさりげなく描かれているところだ。彼は最初はルール一点張りの官僚的な人物だったが、経験を積んでいく過程で、臨機応変な対応を身につけ、ブライトら配下のよき理解者となっていった。
そんな彼も、第38話で戦死を遂げている。下記参照のこと。
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6位( 903名)
言わずもがな、地球連邦軍の幹部である。7位のワッケイン司令と同様、指揮官であることから、殺害人数が膨れ上がった。
ティアンム中将は、ジオン軍の宇宙要塞「ソロモン」に対して使用した要塞兵器『ソーラー・システム』によって、多くのジオン兵を殺害している。劇中で2度にわたって使用されたソーラー・システムの初出は第35話である。以下を参照のこと。
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5位(1312名)
機動戦士ガンダムの主人公のひとりであり、アムロの永遠のライバルでもあるシャア・アズナブルである。殺害人数は1312名に及ぶ。
彼についてはもはや説明は要るまい。ジオン軍が誇る天才パイロットであり、そして優れた指揮官でもある。当然、殺害人数は膨れ上がる。しかし登場回数では(主人公の)アムロに劣るため、実績ではアムロの後塵を拝することになった。
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4位(1493名)
物語の主人公であるアムロ・レイが4位にランクイン。殺害人数は1493名と、ライバルのシャア・アズナブルを上回った。
1話目から最終話まで出ずっぱりなうえ、初めて操縦したモビルスーツを乗りこなして敵モビルスーツを撃破するという離れ業を演じ、途中でニュータイプとしてすさまじい覚醒を見せるなど八面六臂の活躍を見せたこともあり、劇中では最も多くの人を殺害した印象があるが、実際には違った。
アムロが操るガンダムは大量破壊兵器ではなく、あくまで近接戦闘目的のモビルスーツであるため、戦果には自ずと限界が出てくるので、それもやむなしか。
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3位(1517名)
ジオン軍のドズル・ザビ中将である。殺害人数は1517名におよぶ。
機動戦士ガンダムきっての強烈な個性の持ち主で、死に際も派手であった。彼は、すべての死者を巨大モビルアーマー「ビグ・ザム」で屠っている。戦艦をも一撃で仕留めることが可能な超強力メガ粒子砲で何隻もの戦艦を沈めたことから、殺害人数が膨れ上がった。
ドズル・ザビが多くの戦艦を沈め、自らも戦死を遂げたのは第36話である。以下を参照のこと。
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2位(1704名)
ニュータイプの少女で、ジオン軍少尉のララァ・スンである。殺害人数は、1704名に達する。
彼女は物語後半のほんの数話しか登場していないが、その強烈な存在感で、視聴者だけでなく、アムロやシャアをも魅了している。
愛機エルメスのサイコミュ攻撃で、何隻もの地球連邦軍戦艦を(遠距離から)仕留めていることから、アムロやシャアを上回る人数を殺害した。その様は人間大量破壊兵器とでもいおうか、とにかく鬼気迫るものがあった。
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1位──?
そして注目の1位は・・・
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ジオン軍総大将のギレン・ザビである。殺害人数は、なんと2万2605名だ。
絵に描いたような(というか、絵として描かれているからこの表現おかしいな)悪役面の持ち主で、視聴者のみならず、作中の登場人物(身内も含め)すべてに不快感を与えるキャラクターである。
彼が5桁におよぶ人間を殺害できたのは、「ソーラ・レイ」と呼ばれる直径数キロに達する超巨大コロニーレーザーの賜物である。ソーラ・レイの照射命令を下したにより、地球連邦軍の主力艦隊の大半を撃滅したうえ、自身の父親であるデギン公まで(意図的に)殺害することに成功し、ジオン公国の権力のすべてを手中に収めた。
そのギレンが2万名以上の人々を虐殺し、自身も身内に殺される様子が第42話に描かれている。下記参照のこと。
以上、機動戦士ガンダムにおける殺人者15傑でした。